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将来を見据えた建築について【人口減少時代の住宅建築】

今回は住宅を建てる際の建築(立地)場所について考えてみました。住宅を建てる方は、親から独立して新たに土地を求める方、先祖代々の土地にある住宅を建て替える方など・・・様々あるかもしれません。

たしかに、それぞれに考え方があるかと思います。けどけど待って下さい。本当にその行為は10・20年先を見据えたときに本当に正しい選択ですか?そのことに気付いて欲しくてちょっと書いてみたブログです。

こんにちは。やまけんです!!

普段は、建築基準法や都市計画法、不動産に関して業務に役立つ情報を発信しています。




この記事の追加

通常、中山間地や人口の少ない町や村以外の都市部(いわゆる市街地があるところ)であれば都市計画法に基づく用途地域が定められております。

都市計画法では、現在、13用途地域あり、法的担保のため建築基準法により、それぞれの用途地域で建築することが可能な建築物の用途が定められております。

これから都市部において、新たに土地を購入して住宅を建てようと考えている方は、わたしの独断と偏見ですが、こんなポイントを参考にすれば良いかなというところまとめてみました。

なお、都市部を対象にして考えを述べているので、例えば中山間地での田舎暮らしや海が好きで市街地から離れた海辺の近くに住宅を建てたいなどは今回の独断と偏見の対象外です。
注)私の主観ですので、参考程度にしてください

用途地域からの選択

1)準工業地域、工業地域、工業専用地域はオススメしない

おすすめしないと言うか、マジでやめた方がいいですね。

理由:理由は簡単です。住宅の近くに工場があると大型車の通行さらには危険物を扱う工場が近隣に立地している可能性があり、環境や衛生上良いとはいえない。なお、工業専用地域はそもそも住宅の建築は不可です。

もし、お客さんで工業系用途地域を買いましたと聞いたら『なんで!?やめましょう』と言います。多分・・・

2)商業系用途地域(特に商業地域)は、工業系ほどではないがオススメしない

理由:近隣に風俗営業系の建築物や比較的規模の大きい店舗や飲食店が立地する可能性があり騒音等の問題で難がある。とはいえ、生活する上での利便性はトップクラスです。環境よりも利便性だ〜〜!って方は商業系用途地域を迷わず選択しましょう。

3)住居系用途地域が最適です。

結局、こうなるんですが、特に第一種中高層は比較的良好な住宅街が形成され、なおかつ日常生活に必要な中規模な物販店舗や飲食店が立ち並び生活しやすいかなと思います。

なお、第一種低層住居も住環境は良いのですが、日常生活に必要な店舗等が少ないため、自家用車を保有している方や公共交通が充実し、日常生活施設まで近いくないと立地メリットは低いです。

今後の人口減少社会を踏まえた立地について

今後、地方都市では急速に人口減少が進みます。(社人研公表によると)

全ての市町村が自分の孫の世代まで存続している保証は何もありません。おそらく、いち早く先手を打って魅力ある都市づくりを行った都市だけが残り、その他の都市は都市とは呼べないあり様になっていくはずです。

そのような中、国では、人口減少社会の到来に対応するため、市町村に対して「立地適正化計画」を作成するよう求めています。

立地適正化計画は大まかには居住を誘導する居住誘導区域と都市機能を誘導する都市機能誘導区域をそれぞれ市街化区域内に定めるようになっています(つまるところ、コンパクトシティの形成)。なお、この誘導区域外の不動産売買は重要事項説明の対象となっております。

居住誘導区域に入っていない住宅街などは、将来(20〜50年後)不便な地域になっていく可能性が高いと思われます。つまり、居住誘導区域や都市機能誘導区域を選択することが望ましいです。

ポイントは歩いて暮らせる都市かどうか

車に依存しないと暮らせない都市は、生活し難いですよね・・・首都圏や政令市などに住んでいた方は分かると思いますが、このエリアに住む方の大半は車はほとんど使っていません。

それに、車は日常の必需品であればあるほど、家計を圧迫する要因になります。

一部の声として、地方都市における公共交通の問題は、自動運転技術により解決すると言われますが、個人意見としては、自動運転技術を享受できるほどの生活にゆとりがある人が地方にどれほどいるのか疑問です。

自動運転技術が深く浸透する前に多死社会を向かえるんじゃないかなと思っています。

車に依存しなくても暮らしやすい都市

そこで、都市において、車に依存しなくても暮らせる都市を調べてみました。

国勢調査(2010年 「常住地による利用交通手段(9区分)別15歳以上自宅外就業者・通学者数」)結果を用いて、通勤通学における都市(市のみ、特別区は除く)の自家用車分担率(利用交通手段総数のうち自家用車を交通手段としている人の割合)をまとめた結果です。

自家用車分担率が低くければ低いほど、徒歩・自転車分担率が高いほど、歩いて暮らせる都市です。

>>自家用車に依存しなくても良い地方都市
地方で比較的規模の大きい地方都市で自家用車分担率が6割未満の都市を少しだけ抽出してみました。数が多いため、5都市のみです。
 ※( )書きは徒歩・自転車分担率
長崎市:38%(15%)
那覇市:44%(20%)
松山市:45%(34%)
高知市:52%(32%)

盛岡市:56%(32%)

まとめ

簡単にまとめると次の①から③になります。

  1. 住居系用途地域(第一種低層住居〜第一種中高層住居ぐらいまで)を選択
  2. 立地適正化計画に規定する居住誘導区域内を選択
  3. 車に頼らなくても生活しやすい都市を選択

少しでも住宅を建築する際の参考となれば幸いです。
注)立地場所の最終判断は建築主にあります。あくまでもブログですので、責任等は負えませんのでご注意ください。






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ABOUT US
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YamaKen都市計画(まちづくり)を通じて都市を美しくしたい人
【資格】1級建築士、建築基準適合判定資格者、宅建士など 【実績・現在】元役人:建築・都市計画・公共交通行政などを10年以上経験 / 現在は、まちづくり会社を運営:建築法規・都市計画コンサル,事業所の立地検討,住宅設計など