建築基準法において規定される『擁壁とは?』

建築基準法において規定する『擁壁』とは?

今回の記事では建築基準法における擁壁を解説しています。

こんにちは!やまけんです。

建築基準法では建築物の敷地において高さが2mを超える擁壁を築造する場合には、建築確認申請が必要となります。

これについては誰もがわかっていることですよね。
今回の記事では、これにもう少しエッセンスを加えて説明します。




確認申請が必要となる高さについて

擁壁の”高さ”については、この高さによって建築確認申請が必要かどうかが決まってきます。

[建築基準法施行令第138条(工作物の指定)]
第138条 煙突、広告塔、高架水槽、擁壁その他これらに類する工作物で法第88条第1項の規定により政令で指定するものは、次に掲げるもの(鉄道及び軌道の線路敷地内の運転保安に関するものその他他の法令の規定により法及びこれに基づく命令の規定による規制と同等の規制を受けるものとして国土交通大臣が指定するものを除く。)とする。
一〜四 (略)
五 高さが2mを超える擁壁
*法第88条第1項は、工作物への準用規定となっており、法第6条(建築確認申請)も準用される。

*建築確認の審査期間は、原則として7日間となります。

高さにについては、”土圧を受ける高さ”なのか、単純に”高低差”なのかは、特定行政庁によって取り扱いが異なりますので、設計・施工する自治体に確認することが必要です。

とは言え、基本的には、不利側(土圧を受ける高さ)で考えておけば良いと思います。

よく考えてみてください。
高さ1.5mの擁壁なのに、背後の土圧高さが3mだったらどう思います?

不安定ではありませんか・・・

建築確認申請が不要となるため誰もチェックする人がいない状況(施工業者はチェックするかもですが)ですと、築造主さんの完全なる任意設計なのです・・・危険過ぎます。

ですので、繰り返しになりますが不利側(土圧を受ける高さ)で考えるべきでしょう。

なお、土砂災害特別警戒区域(レッドゾーン)における待ち受け擁壁とは全く異なるものですので、注意が必要です(過去の記事参照

ちなみ、都市計画法で規定される開発行為に該当し、その中で擁壁を築造する場合には、開発許可申請の中で審査されます。

擁壁の構造は、建築基準法施行令第142条に規定

擁壁の構造は、鉄筋コンクリート造、石造その他これらに類する腐食しない材料を用いた構造としなければなりません。又は、宅地造成等規制法に基づく認定品を使用しなければなりません。

[建築基準法施行令第142条(擁壁)]
第138条第1項に規定する工作物のうち同項第五号に掲げる擁壁(以下この条において単に「擁壁」という。)に関する法第88条第1項において読み替えて準用する法第20条第1項の政令で定める技術的基準は、次に掲げる基準に適合する構造方法又はこれと同等以上に擁壁の破壊及び転倒を防止することができるものとして国土交通大臣が定めた構造方法を用いることとする。

一 鉄筋コンクリート造、石造その他これらに類する腐食しない材料を用いた構造とすること。
二 石造の擁壁にあつては、コンクリートを用いて裏込めし、石と石とを十分に結合すること。
三 擁壁の裏面の排水を良くするため、水抜穴を設け、かつ、擁壁の裏面の水抜穴の周辺に砂利その他これに類するものを詰めること。
四 次項において準用する規定(第七章の八(第百三十六条の六を除く。)の規定を除く。)に適合する構造方法を用いること。
五 その用いる構造方法が、国土交通大臣が定める基準に従つた構造計算によつて確かめられる安全性を有すること。
2 擁壁については、第36条の3〜(略)〜第80条の2並びに第7章の8(第136条の6を除く。)の規定を準用する。
注)CB塀を擁壁としている場合について
コンクリートブロック(CB)塀に土圧をかけている敷地がたまに見受けられますが、ブロック塀は塀であり、擁壁にはなりません。
時間が経過すると土圧により外側に膨らむことが想定されますし、地震時の倒壊の原因になります。
昨今、問題になっているブロック塀ですが、高さや構造方法もそうですが、土圧をかけていないか注意してください。
かけている場合は建築基準法に違反している状態です。解決を図りましょう。

構造計算の基準について

[構造計算の基準]

○構造計算の基準は、原則として、平成12年国交省告示第1449号第3により、宅地造成等規制法施行令第7条に規定されます。ただし、例外があります。(同告示第3第一号〜第四号を参照)

[構造計算の項目]

○宅地造成等規制法施行令第7条では、擁壁が破壊・転倒・滑動・沈下に対して構造計算を行い、それぞれの項目を確認する規定となっています。

ここでの注意点としては、同令第7条第2項第3号の摩擦係数です。

自治体ごとに定めている「がけ条例」により、摩擦係数が定められているケースがありますので、一概に同令7条の係数を使用するのが正しくない場合があります。

摩擦係数が0.2と0.3では大きく違います・・・

[構造の仕様規定]

○次に仕様規定については、建築基準法施行令第142条第2項において準用規定が定められております。

注意が必要なものとしては、令第79条の鉄筋の被り厚さ・・・これは宅地造成以外の土木工事で使われるような擁壁の被り厚さとは違います(原則、基礎の被り厚さは6㎝以上です)

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本記事のまとめ

高さが2mを超える擁壁は建築確認申請が必要となります。

また、「擁壁」を造る際には、建築基準法・宅地造成等規制法で定める構造、若しくは宅地造成等規制法に基づく認定品でつくる必要があります。

注意点としては、ブロック塀のように本来土圧をかけてはいけないものに土圧をかけている場合には、擁壁に造り変える必要がありますから、擁壁を有する宅地の売買の際には細心の注意を払いましょう。

それでは今回の維持は以上となります。
最後までご覧いただきありがとうございました。