建築確認・中間検査・完了検査を行わなかった(忘れた)場合の対処法

この記事
建築確認申請、中間検査、完了検査などの事務手続きを怠った場合の対処方法に関して、わたしが過去に在籍した特定行政庁における対処方法をお伝えします。
注)特定行政庁によって対処方法が異なるのでご注意ください。

こんにちは。やまけんです。

建築や都市計画に関する情報を発信している建築士ブロガーです。やまけんって何者?と思われた方はプロフィールやTwitterをご覧ください。




忘れちゃダメ

まず、『忘れちゃダメ』ですよ。

 

わたしが特定行政庁に在籍していた時代は、1年に1・2回くらいはあったかなーという感じです。特に中間検査は多いかなと思います。

というのも中間検査が必要かどうかは特定行政庁が規定しているので、建築士の方でちゃんと認識していない方はやってしまうんですよね。

 

あと完了検査についてはローンの関係があるので検査率が高いですが、ローンを組んでいない小規模な建築物の場合で、建築士さんが確認申請のみの契約の場合は建築主さんは普通にスルーしてしまいます。

 

それから確認申請手続き違反の場合は、確信犯ですね。

近隣からの通報で発覚します。近隣の方は確認看板が掲示されていない場合はあやしいと思って、役所に確認の電話をします。

罰則規定

お伝えすべきこととしては罰則規定があることです。

もちろん分かっているとは思いますけど、あります。

罰則規定
  1. 1年以下の懲役又は100万円以下の罰則
    ・違反者:確認申請手続き違反者,完了検査(4号建築物を除く)の合格前に使用した違反者
    ・施工者:中間検査の合格前に特定工程後の工程に着手した施工者
    ・申請者:完了検査及び中間検査手続き違反者

[建築基準法法第第99条第1項(抜粋版)]*分かりやすくするため( )書きを削除してます。
次の各号のいずれかに該当する者は、1年以下の懲役又は100万円以下の罰金に処する。

一 第6条第1項第7条の6第1項又は第68条の19第2項の規定に違反した者
二 第6条第8項又は第7条の3第6項の規定に違反した場合における当該建築物、工作物又は建築設備の工事施工者
三 第7条第2項若しくは第3項又は第7条の3第2項若しくは第3項の期限内に第7条第1項又は第7条の3第1項の規定による申請をせず、又は虚偽の申請をした者

罰則に関する補足

なお、くれぐれも建築確認申請を行わずに着工するなんてことはやめてください。先ほども伝えましたが、確認犯ですwww

確認申請手続きを行わずに物置を設置したのだろうと思われる事案に出くわすことがありますが、手続き違反だけじゃなく、場合によっては、適法に建てた建築物が違反する恐れ(延焼のおそれのある範囲が変わることにより、防火構造や防火設備要求が発生する)があるので、注意が必要です。

・・・そのほかにも、基礎や避難規定などの条項に違反している可能性が十分にあります。

法人の方は、第105条第1項第一号の規定により、構造、防火避難関係規定などに違反した1億円以下の罰金刑です、、、。

不動産を購入する際も注意が必要ですので、購入する際は、確認済証と完了検査済証がある建築物であることを確認するべきです。この済証がないと、どうやって建築したかが分からないため、用途変更が困難です、、、

ではでは、それでも”やっちまった場合”の対象方法について

手続き違反した場合の対処法

わたしが在籍していた特定行政庁での対処方法ですが、次の方法をとっていました。

  • 建築基準法第12条第5項の基づく報告

 

建築基準法第12条第5項は、特定行政庁等が建築主等に対して建築物の敷地や構造などに関して状況の報告を求めることができる規定です。

【建築基準法第12条第5項】
 特定行政庁、建築主事又は建築監視員は、次に掲げる者に対して、建築物の敷地、構造、建築設備若しくは用途、建築材料若しくは建築設備その他の建築物の部分(以下「建築材料等」という。)の受取若しくは引渡しの状況、建築物に関する工事の計画若しくは施工の状況又は建築物の敷地、構造若しくは建築設備に関する調査(以下「建築物に関する調査」という。)の状況に関する報告を求めることができる
一 建築物若しくは建築物の敷地の所有者、管理者若しくは占有者、建築主、設計者、建築材料等を製造した者、工事監理者、工事施工者又は建築物に関する調査をした者
二 第77条の21第1項の指定確認検査機関
三 第77条の35の5第1項の指定構造計算適合性判定機関

 

確認申請手続き違反であれば、一旦施工を中止させた上で、建築確認申請同等の手続きを行うこととなります。この手続きを取ったからと言って適法であることの確認ではありませんが、一応は建築確認済証の交付を受けたものとみなすこととしておりました。

とはいえ、違反建築物であることには変わりありません。

 

 

中間検査手続き違反の場合は、すでに特定工程後の工程に着手してしまい、チェック箇所が覆われてしまい確認することができなくなっている可能性が高いです。

しかしながら、中間検査の場合、梁や仕口などの特定工程の状況をチェックできないと検査すらできませんので、検査するため、部分的に撤去してもらいます。

その上で、建築基準法第12条第5項に基づく報告を提出してもらいます(内容は中間検査と同じです)

え〜〜と思うかもしれないのですが、仕方ないですよね。だって自分が悪いんですから。検査して適法だとしても、書類上は検査済証は発行されません。あくまでも違反建築物です。

 

 

最後に完了検査の手続き違反についてですが、設備や家具を置いて使用している状況ですと、検査できない箇所等が生じてしまうので、部分的に設備の移動等が必要となる可能性がありますが、これについても建築基準法第12条第5項に基づく報告を提出してもらいます(提出する内容は完了検査申請と同じです)。

なお、中間検査同様に検査して適法だとしても、書類上は検査済証は発行されません。あくまでも違反建築物です。

 

ちなみですが、使用していないと言い張って、通常通り検査申請を提出する方がいますが、検査して明らかに使用されている場合でかつ検査箇所をチェックできないケースですと、検査員によっては悪質と判断して違反建築物として処理される可能性が高いので、手続き違反をしてしまった場合は、まずは正直に特定行政庁に相談する方が無難です。

まとめ

ということで記事は以上となります。

違反してしまった場合は、建築基準法第12条第5項に基づく報告とされますが、この報告についても虚偽の報告を行なった場合はさらに罰金に処されますので注意してください。なお、行政側は違反建築物に対しての処理や5項報告について手数料を受けることができません。

行政側の費用は税金で賄われることとなり、結果的に社会全体に迷惑をかけることとなりますが、くれぐれも必要なルールだと認識して手続きしましょう。

 

それでは以上です。また〜