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開発許可が不要の公益上必要な建築物とは?[都市計画法29条の分かりやすい解説]

今回は、都市計画法第29条第1項に規定されている許可が不要となる開発行為のうち、公益目的のものについて解説したいと思います。

こんにちは!建築士のやまけんです^ ^
YamakenBlogでは、建築や都市計画、不動産に関して業務に役立つ豆知識を発信しています♪

当ブログを見て頂いている方からのリクエストで、「どういった開発行為が公益目的なのか、ググっても不明」ということでした。

そういった方がいるということは、他にも悩みを抱えている方がいるんではないかと思い、今回の記事を書くことにした次第です。

それでは、早速解説してきます。




はじめに都市計画法第29条第1項の構成を確認

都市計画区域・準都市計画区域内の開発行為の許可については、都市計画法第29条第1項に規定されていますよね。

なお、第2項は、都市計画区域・準都市計画区域外の開発行為の許可について、第3項は、区域がまたがる場合の規定です。

■関連記事
「開発行為」とは?[宅地建物取引士試験向けの解説](ブログ内リンク)

はじめに、理解しておくことが望ましい事項が、都市計画法第29条第1項・第2項の規定です。

都市計画法第29条 許可が不要な開発行為
第1項
(準)都市計画区域内
第一号 関連記事を参照ください
「開発行為」とは?[宅地建物取引士試験向けの解説]
第二号 農業・林業・漁業の用に供する建築物又はこれらの業務を営む者の居住の用に供する建築物の建築の用に供する目的の開発行為(都市計画法施行令第20条に規定)
第三号 公益目的の開発行為(都市計画法施行令第21条に規定)
第四〜十号 ・都市計画事業、土地区画整理事業、市街地再開発事業、住宅街区整備事業及び防災街区整備事業の施行として行う開発行為
・公有水面埋立
・非常災害のため必要な応急措置として行う開発行為
第十一号 通常の管理行為、軽易な行為(都市計画法施行令第22条に規定)
・仮設建築物、附属建築物(車庫、物置など)、増築(増設)に係る築造面積が10㎡以内など
第2項
(準)都市計画区域外
関連記事を参照ください
「開発行為」とは?[宅地建物取引士試験向けの解説]
第一号 第1項第二号に同じ
第二号 第1項第三、四、九〜十一号に同じ

今回は、公益目的の開発行為についてですので、
”許可不要”となる第1項第三号について少しだけ詳細にみてみます。

[都市計画法第29条第1項第三号]・・・開発許可が不要
駅舎その他の鉄道の施設、図書館、公民館、変電所その他これらに類する公益上必要な建築物のうち開発区域及びその周辺の地域における適正かつ合理的な土地利用及び環境の保全を図る上で支障がないものとして政令で定める建築物の建築の用に供する目的で行う開発行為

法文だけですと分かりづらいので、あまり見た目は変わりませんが表にしてみます。

なお、政令で定めるとありますが、政令とは都市計画法施行令第21条になりますので、例えば宅建士の試験で出題されること以上の用途を知りたい方は、こちらの記事をご覧ください。
>>参考記事:開発許可不要の公益上必要な建築物一覧【都市計画法施行令第21条】

公益上必要な建築物の用途(都市計画法施行令第21条の抜粋)
駅舎、鉄道の施設、図書館、博物館、公民館、変電所、火葬場、卸売市場、国等が設置する研究所・試験所等(学校、社会福祉施設及び医療施設に係るものを除く) など

○表中の建築物の用途を見ると「公益上必要な公共施設」であることが分かりますが、見落としてはいけないポイントが下線の部分です。

国、県、市町村が設置する建築物でも、学校や保育事業(家庭的・小規模・事業所内)、社会福祉事業、病院、診療所、庁舎(多数の者が利用:省令で定められている)、宿舎などは、開発許可(国等の場合は協議)が必要となります。*施行令第21条第26号

法令上は、次のように定められています。

[都市計画法施行令第21条第26号の抜粋]
 国、都道府県等、市町村(指定都市等及び事務処理市町村を除き、特別区を含む。以下この号において同じ。)又は市町村がその組織に加わつている一部事務組合若しくは広域連合が設置する研究所、試験所その他の直接その事務又は事業の用に供する建築物で次に掲げる建築物以外のもの
イ 学校教育法第一条に規定する学校、同法第百二十四条に規定する専修学校又は同法第百三十四条第一項に規定する各種学校の用に供する施設である建築物
ロ 児童福祉法による家庭的保育事業、小規模保育事業若しくは事業所内保育事業、社会福祉法による社会福祉事業又は更生保護事業法による更生保護事業の用に供する施設である建築物
ハ 医療法第一条の五第一項に規定する病院、同条第二項に規定する診療所又は同法第二条第一項に規定する助産所の用に供する施設である建築物
ニ 多数の者の利用に供する庁舎(主として当該開発区域の周辺の地域において居住している者の利用に供するものを除く。)で国土交通省令で定めるもの
・国が設置する庁舎であつて、本府若しくは本省又は本府若しくは本省の外局の本庁の用に供するもの
国が設置する地方支分部局の本庁の用に供する庁舎
都道府県庁、都道府県の支庁若しくは地方事務所、市役所、特別区の区役所又は町村役場の用に供する庁舎
警視庁又は道府県警察本部の本庁の用に供する庁舎
ホ 宿舎(職務上常駐を必要とする職員のためのものその他これに準ずるものとして国土交通省令で定めるものを除く。)
・職務上その勤務地に近接する場所に居住する必要がある職員のためのもの

この都市計画法施行令第21条については、「開発許可制度運用指針(平成29年7月31日国都計第41号)」において留意事項が示されていますので、詳しく知りたい方は、お手数ですがご自身でお調べください。

終わりに

今回は簡単ではありますが、都市計画法第29条第1項第三号について解説しました。

宅建士を勉強されている方の参考になれば幸いです。

それでは、最後までご覧頂きありがとうございました。

*タイトル写真
Manfred Antranias ZimmerによるPixabayからの画像

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YamaKen都市計画(まちづくり)を通じて都市を美しくしたい人
【資格】1級建築士、建築基準適合判定資格者、宅建士など 【実績・現在】元役人:建築・都市計画・公共交通行政などを10年以上経験 / 現在は、まちづくり会社を運営:建築法規・都市計画コンサル,事業所の立地検討,住宅設計など