【指定緊急避難場所とは】重要事項説明の説明内容を解説

こんにちは!やまけん(@yama_architect)です。

建築や都市計画に関する情報を発信しているブロガーです。

今回、この記事で解説する災害対策基本法第49条の5は、不動産取引における重要事項説明事項(その他の法令上の制限)として調査する内容となっています。

宅建業法施行令第3条第1項第35号に規定されています。

では、重要事項説明において何が対象となるのか。その概要について説明します。




災害対策基本法第49条の5

法律では次にように規定されています。

【災害対策基本法第49条の5(指定緊急避難場所に関する届出)】
指定緊急避難場所の管理者は、当該指定緊急避難場所を廃止し、又は改築その他の事由により当該指定緊急避難場所の現状に政令で定める重要な変更を加えようとするときは、内閣府令で定めるところにより市町村長に届け出なければならない

どういうことかというと、『指定緊急避難場所』の管理者は、その避難場所について

  1. 廃止
  2. 改築
  3. 変更(政令で定める事項)

 

上記のいずれかに該当する行為を行う場合は、市町村長に届出を行ってくださいとするものです。

重要事項説明においては、取引する土地や建物が指定緊急避難場所に該当している場合は、その施設等について廃止・改築・変更を行う場合には、市町村長に届出を行わなければならないとする法律の規定を、買主に対して説明する必要があります。

 

では、そもそも『指定緊急避難場所』とは何かについて簡単に説明します。

指定緊急避難場所とは

※出典:指定緊急避難場所の指定に関する手引き(平成29年3月内閣府(防災担当))

 

指定緊急避難場所とは、内閣府が公表している手引きによると『居住者等が災害から命を守るために緊急的に避難す 施設又は場所』となるものです。避難者を受け入れて滞在させる『指定避難所(法第49条の7)』とは別施設となりますが、法律上は、両方を兼ねることができるとされています。

【災害対策基本法第49条の4(指定緊急避難場所の指定)】
市町村長
は、防災施設の整備の状況、地形、地質その他の状況を総合的に勘案し、必要があると認めるときは、災害が発生し、又は発生するおそれがある場合における円滑かつ迅速な避難のための立退きの確保を図るため、政令で定める基準に適合する施設又は場所を、洪水、津波その他の政令で定める異常な現象の種類ごとに、指定緊急避難場所として指定しなければならない

ではその指定緊急避難場所ですが、どうやって調べればいいのか。

指定緊急避難場所の調査方法

親切な市町村ですと、『指定緊急避難場所 〇〇市町村』でGoogle検索かけると一覧表を公表しているケースがありますが、全ての市町村ではないです。

ですので、国土地理院が公表しているデータを活用します。ただし、直近で市町村が変更を行なっている場合などは反映されていない可能性がありますので、その点はご注意ください。

国土地理院のページ(https://www.gsi.go.jp/bousaichiri/hinanbasho.html

※出典:国土地理院

では、ここまでが重要事項説明の対象となる『指定緊急避難場所』についての解説です。では、改めて、どういった行為が市町村への届出対象となるのか改めて説明します。

市町村への届出対象となる行為

冒頭の説明と同じになってしまいますが、大きく3つの行為が対象となります。

  1. 廃止
  2. 改築
  3. 変更(政令で定める事項)

このうち、3つの変更については政令で定める事項となっています。政令で定める事項とは次のような行為をいいます。ちょっと分かりにくいかもしれませんが、

  • ⑴号が、床面積の10%が増減する行為(ただし、安全区域外で、洪水・高潮・津波に関する避難場所の場合は、居住者等受入用部分の面積)の場合
  • ⑵号アが、安全区域外で、改築又は増築により構造体力上主要な部分の変更(地震に関する避難所を除く)の場合
  • ⑵号イが、安全区域外で、洪水・高潮・津波に関する避難場所において、居住者等受入用部分までの避難上有効な経路の変更を行う場合
  • ⑶号が、地震に関する避難場所において、構造耐力上主要な部分の変更を行う場合

 

参考表:災害対策基本法施行令第20条の5(指定緊急避難場所の重要な変更)

政令 概要

指定緊急避難場所の総面積の10分の1以上の面積の増減を伴う変更
注)安全区域外にある洪水、高潮、津波等に対する指定緊急避難場所として指定した施設の場合は居住者等受入用部分の面積)

⑵ア

安全区域外にある指定緊急避難場所(地震を対象とするものを除く)のうち、改築又は増築による当該指定緊急避難場所の構造耐力上主要な部分の変更

⑵イ

安全区域外にある指定緊急避難場所(地震を対象とするものを除く)のうち、洪水、高潮、津波等に係る当該指定緊急避難場所の居住者等受入用部分までの避難上有効な階段その他の経路の廃止

地震が発生し、又は発生するおそれがある場合に使用する指定緊急避難場所(施設のみ)については、改築又は増築による当該指定緊急避難場所の構造耐力上主要な部分の変更

安全区域:異常な現象(洪水、崖崩れ、土石流、地滑り、高潮、津波、大規模な火事など)が発生した場合において人の生命又は身体に危険が及ぶおそれがないと認められる土地の区域

では次に、いつまでに届出行うことが義務化されているのか施行規則を確認します。

届出の方法など

施行規則では、次のような内容しか記載されていません。

【災害対策基本法施行規則第1条の7(変更の届出)】
法第49条の5(法第49条の7第2項において準用する場合を含む。)の規定による変更の届出は、当該変更の内容を記載した届出書を提出して行うものとする

 

ですので、内閣府が公表している『指定緊急避難場所の指定に関する手引き』において次のように記載されています。このため、取引する土地・建物が指定緊急避難場所に指定されている場合は、届出方法について予め市町村に確認しておく必要があります。

市町村によってはホームページに公表しているケースも考えられなくはないですが、独自の内規等がある可能性や”例えば、建築確認申請の前までに届出を行いなさい”といった一定のルールを設けていると思われますので、確認しておきましょ。

「内閣府令で定めるところにより」の内容については、規則第1条の7において定めているとおり、市町村長へ届出を行うに際しては、変更の内容について記載した書面である届出書によって行う必要がある。その際、具体的な様式については法令上特段定めていないが、各市町村においては、施設管理者の負担を考慮の上、必要な変更事項を適切に把握できるよう、当該届出に必要となる簡易な様式を定めておくことが望ましい。また、届出の方法についても、簡易な方法を各市町村において定めておくことを推奨する。

※出典:指定緊急避難場所の指定に関する手引き(平成29年3月内閣府(防災担当))

 

ということで以上となります。業務のお役に立てていれば幸いです。