都市計画法第34条第11号条例区域が変更!【令和4年4月1日施行】

こんにちは!やまけんです。

建築や都市計画、不動産関係の業務に役立つ情報を発信しているブロガーです。

先日、国土交通省からある発表がありました。

その内容とはざっくり言うと「都市計画法第34条第11号条例区域の指定にあたりハザードエリアを考慮しなさい」とするものです。

不動産業をされている方であればご存知の方も多いかもしれませんが、都市計画法第34条第11号は、市街化調整区域内での開発許可規定(都市計画法第34条)の一つです。

中でも法第34条第11号区域は、市街化区域の縁辺部から市街化調整区域に滲み出して開発されてしまうので、全国の地方で進められているコンパクトシティ形成の方針(都市再生特別措置法に基づく立地適正化計画)と反するため、制度的にあまり良くはない規定でしょと思われていたようです。というかそのとおりw

では、今回の改正(令和4年4月1日施行)により具体的にどのように変更されるのか。




変更概要

土砂災害警戒区域等の災害ハザードエリアは原則として含めることができないこととなります。

都道府県が条例で市街化調整区域において開発許可を行い得る区域等を定める際に基準とすべき政令は、災害の防止等の事情を考慮して定めるものとすること。(都市計画法第34条第11号・第12号)

*出典:https://www.mlit.go.jp/report/press/toshi07_hh_000166.html

具体的に含めてはならない区域としては、次の災害ハザードとなります。

確かに、地方では、都市の最適化を図るためにコンパクトシティを進めていますから、市街地が拡大し、なおかつそのエリアが災害の恐れのあるエリアであれば、将来的には都市全体でマイナス要因に働くのは必至だと思います。

11条例区域に原則として含めてはいけない区域として追加されたエリア
  1. 災害危険区域
  2. 地すべり防止区域
  3. 急傾斜地崩壊危険区域
  4. 土砂災害警戒区域(※特別警戒区域を含む)
  5. 浸水想定区域のうち、土地利用の動向、浸水した場合に想定される水深その他の事項を勘案して、洪水、雨水出水又は高潮が発生した場合には建築物が損壊し、又は浸水し、住民その他の者の生命又は身体に著しい危険が生ずるおそれがあると認められる土地の区域
    ✔︎つまり、洪水・内水・高潮浸水想定区域(水防法)

参考)[都市計画法第34条第11号]
市街化区域に隣接し、又は近接し、かつ、自然的社会的諸条件から市街化区域と一体的な日常生活圏を構成していると認められる地域であっておおむね50以上の建築物(市街化区域内に存するものを含む。)が連たんしている地域のうち、政令で定める基準に従い、都道府県(指定都市等又は事務処理市町村の区域内にあっては、当該指定都市等又は事務処理市町村。以下この号及び次号において同じ。)の条例で指定する土地の区域内において行う開発行為で、予定建築物等の用途が、開発区域及びその周辺の地域における環境の保全上支障があると認められる用途として都道府県の条例で定めるものに該当しないもの

改正のポイント

災害危険区域や土砂災害警戒区域を除くとするのは容易に理解できるかなと思いますが、ここで各自治体が悩むが「浸水想定区域だと思います。

通常、開発行為に関しては国からの運用指針を参考にしていると思いますので、今後、国から何らかの基準の考え方が示されると思いますが、結局最後は、各自治体で判断することになりそうです。

浸水想定区域については政令上、次のように規定される予定みたいです。

浸水想定区域のうち、土地利用の動向、浸水した場合に想定される水深その他の事項を勘案して、洪水、雨水出水又は高潮が発生した場合には建築物が損壊し、又は浸水し、住民その他の者の生命又は身体に著しい危険が生ずるおそれがあると認められる土地の区域

おそらくですが、生命又は身体に著しい危険が生ずるおそれがあると認められる土地の区域

ここが一番、悩むところだと思います。

財産には規定されていないところをみると、建築物が多少損壊しても生命が守られるようにすることに注視されているような気がします。

では、生命に危険が生ずる恐れがあると認められる土地の区域とは、浸水深何mで設定するのか。

計画規模降雨なのか想定最大規模(想定最大規模は規定して、津波浸水想定は今回改正に盛り込まれなかったところをみると計画規模降雨だとは思います。)なのか。

想定最大規模でも家屋倒壊等氾濫想定区域はどうなのかなどを国が示す指針に基づき自治体の条例で設定してくのかなと思います。

ちなみに、平成30年7月豪雨では3m以上の浸水があった地域で多くの人定被害が大きかった(論文検索したら出てきました)ようです。ですので、3mという基準は一定の指標になりそうな気もします。

今後の動き

今後、国から開発許可に係る運用指針が示されることで一定の考え方が判明すると思います。

その後、自治体ごとに判断し、条例改正していく動きになると思います。条例改正は各自治体とも来年度後半に公布を行なって、令和4年4月1日施行を目指すものと思います。

なお、11号条例化せずに14号の一件ごとに開発審査会にかけている自治体もあると思いますが、そうした自治体も考え方も改めてる必要が出てきそうです。

となるとですよ、駆け込み建築も増えてくるのかなと思います・・・。

それがいいかどうかは別として、地方都市で市街地を拡大する動きはあまりにも経済合理性に欠けるんじゃないかなと思います。少なくとも今回の改正によって、災害危険性の高いエリアに居住される方が少なくなることを切に願うばかりです。

ということで以上となります。参考になれば幸いです。