【発生確率が高い海溝型地震をリサーチ】住宅建築において必要となる地震の豆知識

この記事では、前回の”地震対策”に関する記事に続き、今後国内で発生する確率の高い内陸型地震と海溝型地震について、国の資料をもとにその発生確率をまとめた記事です。

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内陸型(直下型)地震の被害についてはこちらの記事をご覧下ください。
>>【内陸型(直下型)地震のSランク地域をリサーチ】住宅建築において必要な地震の豆知識

【内陸型(直下型)地震のSランク地域をリサーチ】住宅建築において必要な地震の豆知識




海溝型地震の発生確率

海溝型地震とは、海のプレートと陸のプレートの境界に位置する海溝沿いで発生する地震のことをいいますが、近年ですと2011年に発生した東北太平洋沖地震が有名です。地震自体の被害は震度やマグニチュードほどではないですが、津波の発生により都市自体が消滅するほどの被害を受けています。

ではこの海溝型地震。今後、どういった地域でどの程度の地震規模が想定されているのか、国が公表(「長期評価による地震発生確率値の更新について(令和3年1月13日)_主要活断層帯の長期評価の概要(策定基準日:令和3年1月1日)」)している資料をもとに最も発生確率が高いⅢランクについて一覧にまとめました。

なお、Ⅲランクとは、今後30年以内の地震発生確率が26%以上の海溝型地震をいいます。
*下記のまとめ資料については、三大都市圏や大都市への影響が大きい日本海溝、相模トラフ、南海トラフを対象としています。

出典:地震調査研究推進本部(https://www.jishin.go.jp

海溝型地震で生命や財産に被害を及ぼす恐れがあるものとしてはやはり津波です。
もちろん過去には、南海トラフや相模トラフの場合には震源が内陸に近いため、過去には地震による被害も相当あったことが分かっています。

下表を見ていただくと分かりますが、南海トラフの規模と確率が高いことと相模トラフ(首都直下の可能性)について、注意が必要になる地震であると思います。

地震名地震規模(M)10年以内発生確率平均発生間隔最新発生時期
青森県東方沖及び岩手県沖北部7.9程度0.004-4%97.0年52.6年前
*十勝沖地震
青森県東方沖及び岩手県沖北部
(ひまわり小さいプレート間地震)
7.0-7.5程度70%程度8.8年
岩手県沖南部7.0-7.5程度10%程度88.2年
宮城県沖7.0-7.5程度50%程度12.6-14.7年
宮城県沖の陸寄りの地震7.4前後ほぼ0-0.4%38.0年9.8年前
*宮城県沖地震M7.2
福島県沖7.0-7.5程度20%程度44.1年
茨城県沖7.0-7.5程度40%程度17.6年
海溝寄りのプレート間地震
(津波地震等)
*日本海溝沿い
Mt8.6-9.0
(津波マグニチュード)
9%102.8年
沈み込んだプレート内の地震
*日本海溝沿い
7.0-7.5程度30-40%22.0-29.4年
プレートの沈み込みに伴うM7程度の地震
*相模トラフ
7程度
(6.7-7.3)
30%程度27.5年
南海トラフ8-9クラス30%程度88.2年75.0年前
*南海地震M8.0
安芸灘-伊予灘-豊後水道のプレート内地震6.7-7.410%程度約67年
日向灘のひとまわり小さいプレート間地震7.1前後30-40%約20-27年
海溝型地震の長期評価においてⅢランクの地震
*出典:主要活断層帯の長期評価の概要(算定基準日:2021年1月1日)令和3年1月13日地震調査研究本部地震調査委員会

首都直下型地震(相模トラフ)

相模トラフで発生する地震が首都直下型地震とされるもので、相模トラフ沿いのM8クラスの地震と、プレートの沈み込みによるM7程度の地震の2通りが考えられています。
近年、首都直下型地震がくる!と言われているのが、”プレートの沈み込みに伴うM7程度の地震”となります。

【相模トラフ沿いのM8クラスの地震】
 地震の規模  : M8クラス(M7.9~M8.6)
 地震発生確率: 30年以内に、ほぼ0%~6%
 地震後経過率: 0.16~0.54
 平均発生間隔: 180年~590年
 最新発生時期: 1923年大正関東地震

【プレートの沈み込みに伴うM7程度の地震】
 地震の規模  : M7程度(M6.7~M7.3)
 地震発生確率: 30年以内に、70%程度

*出典:地震調査研究推進本部(https://www.jishin.go.jp/regional_seismicity/rs_kaiko/k_sagami/

このうち、最大クラスM8の地震については最後に発生したのが1923年の大正関東地震(M7.9)となります。

被害としては、死者・行方不明者14万2000、家屋全半壊25万4000、焼失44万7000と想像を遥かに超えています。その前は1703年の元禄関東地震(M7.9-8.2)で地震と津波により1万人以上の被害を生じさせています。

一方で”プレートの沈み込みに伴うM7程度の地震”については、千葉県、茨城県、東京都内などで発生しており、死者を生じた地震は、1895年の茨城県南部の地震(M7.2)で霞ヶ浦付近で発生したとされ、死者9名が亡くなっています。そのほかにも、1855年に発生した江戸安政地震(M7.0-7.1)では、死者7,000名以上を発生させています。

なお、直近では、1987年の千葉県東方沖地震(M6.7)が発生し、ブロック塀の倒壊により2名の死者、東京湾沿岸などで液状化被害が発生しています

補足:住宅建築において気をつけるべき点

ポイントとしては、やはり津波と直接的な地震被害、さらに地震被害から派生する火災です。

津波については、津波の影響を受けない地域で建築するしかありません。現在では、各都道府県において「津波浸水想定」を公表してますから、この想定エリア外での建築です。
次に地震被害ですが、建築物に影響を及ぼす周期の地震と考えられるのは、海溝型の場合には大きく相模トラフと南海トラフが考えられます。

地震による被害を少しでも減らすためには、建築基準法で定める最低基準の1.5倍以上とすることが考えられます。2016年に発生した熊本地震を鑑みれば、耐震等級3(建築基準の1.5倍)かそれ以上とすることが考えれます。

次に地震よる火災への予防方法ですが、これに関しては、現時点の建築基準法規では、木造・鉄骨造住宅ですと外からの火災については延焼を防ぐ手立てとして20-30分程度が限界となるため、自己建築物が大丈夫でも、周囲の密集した木造建築物が旧基準の場合、あっという間に市街地全体が延焼する可能性があります。

そのため、予防措置としては、木造密集市街地を避けて、郊外の低建築密度である低層住宅専用地域を選択するか、割高ですが耐火建築物とする。または被害を受けることを前提に火災保険に入る方法が考えられると思います。

都内の場合では、現行の建築基準法に適合してない木造密集市街地が多く存在していますので、地震と津波(沿岸部と河川下流沿い)、火災対策が必要です。
とはいっても、都内ですと多くの方が賃貸に住んでいると思いますので、出来る限りの選択肢として、①木造(木造でも耐火・準耐火建築物を除く)を避ける。②火災・地震保険に入る。③沿岸地域の1階部分を避ける。としてみてください。

ということで以上となります。参考となれば幸いです。






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