【重要事項説明の解説】航空機騒音障害防止地区・特別防止地区とは?

この記事では、「特定空港周辺航空機騒音対策特別措置法」のうち、航空機騒音障害防止地区及び航空機騒音障害防止特別地区について解説します。

この区域内での取引に関しては、重要事項説明の対象となります。
重要事項説明に関して定められている宅建業法第35条-宅建業法施行令3条では、次のように規定されています。

五の二 特定空港周辺航空機騒音対策特別措置法第5条第1項及び第2項(これらの規定を同条第5項において準用する場合を含む。)

宅建業法施行令第3条第五の二号




航空機騒音障害防止地区・航空機騒音障害特別地区とは?

この両地区ですが、都市計画(都道府県決定)により定められます。
*都市計画は、都市計画法第8条第16号に規定される地域地区の一つです。

両地区の意味は、「特定空港周辺航空機騒音対策特別措置法」に規定されています。(めっちゃ読みにくい・・・)

  • 航空機騒音障害防止地区:航空機の著しい騒音が及ぶこととなる地域
  • 航空機騒音障害防止特別地区:航空機騒音障害防止地区のうち航空機の特に著しい騒音が及ぶこととなる地域

なお、令和2年3月末時点で防止地区が7箇所、特別地区が6箇所指定されています。いずれも千葉県内のみとなっています。

都市計画区域名都市名防止地区特別地区
下総成田市指定あり指定あり
大栄成田市指定あり指定あり
成田成田市指定あり指定あり
さんむ山武市指定あり指定無し
多古多古町指定あり指定あり
芝山芝山町指定あり指定あり
横芝光横芝光町指定あり指定あり
航空機騒音障害防止地区等の一覧(出典:令和2年都市計画現況調査)

千葉県内の区域一覧は、千葉県のホームページからダウンロードすることができますので参考までにURLを掲載しておきます。
>>千葉県ホームページ:https://www.pref.chiba.lg.jp/kuushin/narita/soutokuhou-henkou.html

防止地区での建築の制限とは?

両地区内における建築等の制限が重要事項説明の対象(特定空港周辺特別措置法第5条第1項・第2項)となっており、法律では次のように規定されています。

(航空機騒音障害防止地区及び航空機騒音障害防止特別地区内における建築の制限等)
第五条 航空機騒音障害防止地区(航空機騒音障害防止特別地区を除く。)内において次に掲げる建築物(建築基準法第二条第一号に規定する建築物をいう。以下同じ。)の建築をしようとする場合においては、当該建築物は、政令で定めるところにより、防音上有効な構造としなければならない。
 学校教育法第1条に規定する学校
二 医療法第1条の五第2項に規定する病院
 住宅
 前三号に掲げる建築物に類する建築物で政令で定めるもの
 *政令:施行令第6条

 航空機騒音障害防止特別地区内においては、前項各号に掲げる建築物の建築をしてはならない。ただし、都道府県知事が、公益上やむを得ないと認め、又は航空機騒音障害防止特別地区以外の地域に建築をすることが困難若しくは著しく不適当であると認めて許可した場合は、この限りでない。

特定空港周辺特別措置法第5条第1項・第2項(抜粋)

航空機騒音障害防止地区内で一定の用途の建築物を建築する場合には防音上有効な構造としなければならないとされています。一定の用途とは次の用途をいいます。

防止地区内で防音上有効な構造としなければならない用途

学校、病院、診療所、助産所、乳児院、保育所、障害児入所施設、児童発達支援センター、児童心理治療施設、児童自立支援施設、家庭的保育事業、小規模保育事業、事業所内保育事業を行う施設、救護施設、更生施設、授産施設、特別養護老人ホーム、障害者支援施設、障害福祉サービス事業、幼保連携型認定こども園、住宅

一方で、航空機騒音障害防止特別地区内においては、上記に掲げる用途の建築物を建築してはならないとされています。

では、防止地区内における防音上有効な構造を解説します。

防音上有効な構造とは?

航空機騒音障害防止地区内において住宅や学校、病院といった用途に供する建築物は、「防音上有効な構造」としなければならないとされています。この防音上有効な構造とは、施行令第5条第1項に次のように規定されています。

(防音構造)
第五条 航空機騒音障害防止地区(航空機騒音障害防止特別地区を除く。)内において法第5条第1項各号に掲げる建築物を建築しようとする場合においては、当該建築物は、次の各号に定める構造としなければならない。
 直接外気に接する窓及び出入口(学校の教室、病院の病室、住宅の居室その他の国土交通大臣が指定する建築物の部分に設けられるものに限る。)にあつては、次に掲げる構造とすること。
 閉鎖した際防音上有害なすき間が生じないものであること。
 窓又は出入口に設けられる戸は、ガラスの厚さ(当該戸が2重以上になつている場合は、それぞれの戸のガラスの厚さの合計)が0.5㎝以上であるガラス入りの金属製のもの又はこれと防音上同等以上の効果のあるものであること。

 直接外気に接する排気口、給気口、排気筒及び給気筒(前号の規定により国土交通大臣が指定する建築物の部分に設けられるものに限る。)にあつては、開閉装置を設ける等防音上効果のある措置を講ずること。

特定空港周辺特別措置法施行令第5条第1項

防音構造のポイントとしては、外壁に接する開口部(窓、出入り口)には防音上有害な隙間が生じないようにすること(例えば、古民家であれば隙間が多いので不適合です)。戸に設けられるガラスの厚さは5㎜以上とすること。給排気口は防音効果のある開閉装置とすることが定められています。

なお、成田市では分かりやすく基準を設けているので参考までに掲載します。
*補足:成田市では、建築確認申請時に「防音構造申告書」を提出するよう求めていますので、重要事項説明の際には、成田市のホームページからダウンロードし説明書に参考添付すると親切かなと思います。

具体的な構造基準*出典:成田市

(具体的な構造基準)
①建築物の外部に面する窓用建具及び戸については、JIS A 4706及びJIS A 4702のうち遮音性に関する等級がT-1 以上のもので、厚さ5mm以上のガラスを使用したもの又は同等品とする。*なお、同等品とは、複層ガラスを用いたもの又は二重サッシなどをいい、JIS規格に定める遮音性試験の結果が25等級に適合するものをいう。
②排気口、給気口、排気筒及び給気筒の開口部については、手動又は自動の開閉装置が設置されたものとする。

*出典:https://www.city.narita.chiba.jp/download/page171500.html

T-1等級とは、JIS規格に定める遮音性能等級もので、住宅性能表示における透過損失等級(外壁開口部)3に該当します(等級は1〜3で、3が最も高い)。
*JIS規格上はT-1からT-4等級まで用意されており、T-4が最も性能が高い。

まとめ

航空機騒音障害防止地区及び航空機騒音障害防止特別地区については、成田市などの千葉県内の一部に指定されています。

成田市周辺においては、取引する土地・建物が当該区域に該当しないか確認し、該当している場合には、各市町村に問い合わせの上、防音構造の詳細(成田市の場合には、市ホームページに掲載)を確認し、買主に対し説明を行います。(防止地区の場合)

特別地区の場合には、一定の用途を除き建築することができません。

この記事は以上となります。

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