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【DIY】木材の種類と強度などを建築士が解説

この記事では、DIY・日曜大工を趣味としている方向けに建築基準法で定める木材の基準強度を解説します。この記事を読めば、用途毎にどういった材料を選択すればいいか材料選択の基準になると思います。

ということでこんちは!!やまけん(@yama_architect)です^ ^
YamakenBlogでは、建築や都市計画、不動産に関して業務に役立つ豆知識を発信しています♪




建築基準法で定める木材の基準強度とは?

はじめに木材に関する建築基準法の強度を解説します。

法律では、「木材の繊維方向の許容応力度」を定めています。許容応力度とは分かりやすく言うと、材料・断面形状ごとにある力が生じた場合に耐えられる強度(構造計算上)の上限値のことです。

一般的に木材の材料強度は、曲げ(Fb)>圧縮(Fc)>引張り(Ft)>せん断(Fs)の順となります。

DIYでは、小さな家具程度であればそこまで材料強度を意識する必要はないですが、机やウッドデッキや小屋・物置を建築する場合には、材料の断面形状に留意する必要があります。後ほど、具体例で解説してみます。

ではでは、今回の記事の本題である木材の基準強度について説明していきます。

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木材別の基準強度

ここでは、基準強度(Fb:曲げ)をもとに材料強度別に表にしています。

表の値については、無等級材といって日本農林規格(JAS規格)に定められていない木材について国土交通大臣告示で示されている値となります。一般的にDIY用に市販に流通されているものが”無等級材”ですので”この程度かぁ”くらいに思ってもらればOKです。
*告示:平成12年建設省告示1452
*木材名は告示にならって”ひらがな”で表記しています。

また、参考に「一般財団法人 日本木材総合情報センター」で公開されているデータから気乾比重と曲げヤング係数を掲載しています。

見てもらうと、広葉樹の強度が高く、相対的に針葉樹が低いことが分かります。また、材料ごとに基準強度と密度(気乾比重)も異なることが分かると思います。例えば、杉(すぎ)の基準強度(Fb)は22.2N/㎜2に対し、桧(ひのき)は26.7N/㎜2となり、4.5N/㎜2も杉の方が強度が高いです。

樹種①樹種②基準強度
(Fb)
気乾比重曲げヤング係数(GPa)
広葉樹かし38.4(N/㎜2)
広葉樹くり29.4(N/㎜2)0.557.5~10.3
広葉樹なら(みずなら)29.4(N/㎜2)0.677.5~10.3
広葉樹ぶな29.4(N/㎜2)0.6310.4~13.2
広葉樹けやき29.4(N/㎜2)0.6210.4~13.2
針葉樹あかまつ,くろまつ28.2(N/㎜2)0.5310.4~13.2
針葉樹べいまつ28.2(N/㎜2)0.5510.4~13.2
針葉樹からまつ26.7(N/㎜2)0.5310.4~13.2
針葉樹ひば,ひのき26.7(N/㎜2)0.417.5~10.3
針葉樹べいひ26.7(N/㎜2)0.477.5~10.3
針葉樹べいひば26.7(N/㎜2)0.517.5~10.3
針葉樹つが25.2(N/㎜2)0.517.5~10.3
針葉樹べいつが25.2(N/㎜2)0.467.5~10.3
針葉樹もみ22.2(N/㎜2)0.447.5~10.3
針葉樹えぞまつ22.2(N/㎜2)0.437.5~10.3
針葉樹とどまつ22.2(N/㎜2)0.427.5~10.3
針葉樹べにまつ22.2(N/㎜2)0.507.5~10.3
針葉樹すぎ22.2(N/㎜2)0.387.5~10.3
針葉樹べいすぎ22.2(N/㎜2)0.377.5~10.3
出典:H12建設省告示第1452第五の一部抜粋,基準強度(N/㎜2)は曲げのみ,気乾比重及び曲げヤング係数:(一財)日本木材総合情報センター

補足:DIYで家具等を設計する際に注意すること

例えば、次のような家具を設計するとします。

この場合、成人男性(700N)の荷重が生じた場合(たぶん、全体重をかけることはないけど・・・笑)、どの程度のたわみ量が生じるか計算しておくことで、つくったあとに「失敗した〜〜っ」というのは減らせると思います。

杉(すぎ)と米松(べいまつ)で計算してみます。

計算すると、中央部のたわみ量で、杉と米松では約0.3㎜の差が生じます。

どの程度許容できるのかは使用する方で異なりますが、重さとたわみ量でどういった断面にするのか検討してから材料を発注するのがおすすめです。

出来る限りたわみ量を少なくするのであれば断面を工夫(梁せいを大きく)することで対応可能ですが、重量が大きくなったりコスト的な問題が生じる可能性があります。

補足:ウッドデッキの材料判断指標

材料価格は別として市場に流通している木材を比較しました。

価格を考慮しなければ、加工がしやすく耐久性が高い桧や米ひばが選択されるところですが、長期的にメンテナンスフリーで活用するならば南米産のイペ材となります。また、低価格だけで考えれば杉や米杉が選ばれるかなと思います。*米杉は杉科ではないため、杉のような芳香はありませんので注意してください。

木材を判断する場合には、DIYによる作業性やメンテナンスに使える時間、価格を考慮してみることが大切かと思います。

樹種気乾比重特徴曲げ:Fb(N/㎜2)
米杉(べいすぎ)0.37・スギ類ではないネズコ
・独特の臭い
・耐久性が高い
・加工がし易い
~58.8
桧(ひのき)0.41・光沢と芳香
・耐久性が高い
・水に強い
・加工がし易い
58.9~82.4
杉(すぎ)0.38・芳香
・加工がし易い
・柔らかい
58.9~82.4
米ひば0.51・ヒノキ科
・耐朽性が高い
・独特の臭い
・加工がし易い
58.9~82.4
イペ1.12・重硬で耐久性が高い
・耐磨耗性
・加工がし難い
131〜
出典:(一財)日本木材総合情報センター

>>参考記事:ウッドデッキをDIYで費用を抑えながら簡単につくる方法【建築士が考えてみた】






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YamaKen都市計画(まちづくり)を通じて都市を美しくしたい人
【資格】一級建築士、一級建築基準適合判定資格者(建築主事)、宅建士など 【実績・現在】元国と地方自治の役人:建築行政・都市計画行政・公共交通行政・まちづくりなどを10年以上経験 / 現在は、地元でまちづくり会社を運営し、都市に関わるコンサルタントや住宅設計、執筆活動を行っています。