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『バルコニーその他これに類するもの』とは?126条1項を解説します。

やまけん(@yama_architect)です。
YamakenBlogでは建築や都市計画、不動産に関して業務に役立つ豆知識を発信しています。

この記事では、建築基準法施行令第126条第1項の規定を理解するための記事となっています。

この基準の対象となる建築物、対象となる部分を解説します。なお、過去の記事でも住宅の階段に関する記事を書いた際に若干触れていますが、この記事ではもう少し深掘りして書いています。

▷▷【住宅の階段の基準】法律における住宅階段の基準を解説




施行令第126条第1項の対象建築物とは?

施行令第126条の規定は、屋上広場・2階以上の階にあるバルコニー等の周囲には安全上の必要な高さ1.1m以上の手すり壁・さく等を設置しなさいとするものです。

(屋上広場等)
第126条 屋上広場又は2階以上の階にあるバルコニーその他これに類するものの周囲には、安全上必要な高さが1.1m以上の手すり壁、さく又は金網を設けなければならない。

建築基準法施行令第126条第1項

この建築基準法施行令第126条第1項が適用される建築物は、同じく施行令第117条第1項に規定されていて、基本的には、特殊建築物(別表い欄1項〜4項)、階数が3以上の建築物、採光無窓を有する居室の階、延べ面積が1,000㎡超の建築物となります。

第二節 廊下、避難階段及び出入口(適用の範囲)
第117条 この節の規定は、法別表第1(い)欄(一)項から(四)項までに掲げる用途に供する特殊建築物、階数が3以上である建築物、前条第1項第一号に該当する窓その他の開口部を有しない居室を有する階又は延べ面積が1,000㎡をこえる建築物に限り適用する。

建築基準法施行令第117条第1項

まとめると次のようになります。

対象建築物等 備考
特殊建築物

法別表第1(い)欄(一)項から(四)項

3階以上の建築物
採光無窓の居室を有する階施行令第116条第1項一号
延べ面積1,000㎡超の建築物
建築基準法施行令第126条第1項が適用される建築物

対象となる部分

施行令第126条第1項だけを読んでも、”バルコニーその他これに類するもの”が何か分からないですよね。これだけ読んでも全てのバルコニーに設置すればいいの?と思ってしまいがちです。

この126条ですが、避難施設の規定に定められているので、基本的には避難施設や避難経路のうち、バルコニー等(階段の踊場や吹き抜けに面した廊下など)が対象とされるものと、『防火避難規定の解説』において考え方が定められています。

詳しくはこちら(↓↓↓)の書籍に書かれています。今回の規定以外にも施行令の基準のみでは判断することが出来ない詳しい取り扱いが書かれています(多くの特定行政庁で使われていますので、設計者としては必携です。)

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つまり、避難経路等である階段や廊下(吹き抜けに面した部分)においては、避難上の安全を確保するため転落防止用としてさく等を設置しなさいとするものです。そのため、2階以上の全ての部分に設置が求められているものではないとされています。

ですので、避難経路や避難施設とは関係がない一戸建て住宅のバルコニーは建築基準法の対象とならないの?と思うところなのですが、”常識的に考えて、転落防止用の措置”を行わないなんてないですよね・・・実際、手すりを設置していない住宅なんて見たことないです。

『防火避難規定の解説』においても不特定多数が利用する特殊建築物や共同住宅についても転落防止用として手すりの設置が望ましいと書かれています。(下図参照)

ということで以上となります。参考になれば幸いです。






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YamaKen都市計画(まちづくり)を通じて都市を美しくしたい人
【資格】1級建築士、建築基準適合判定資格者、宅建士など 【実績・現在】元役人:建築・都市計画・公共交通行政などを10年以上経験 / 現在は、まちづくり会社を運営:建築法規・都市計画コンサル,事業所の立地検討,住宅設計など