角地緩和と防火地域内外における建ぺい率を分かりやすく解説 [法第53条第3項、第7項、第8項]

この記事では、建築基準法第53条の建蔽率規定のうち、第3項規定(指定建蔽率+10%or20%が可能なケース)・第7項(防火地域内外)・第8項(準防火地域内外)について簡単に解説しています。

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建築基準法第53条第3項とは?

建築基準法第53条第3項の規定については、第一号イが耐火建築物・延焼防止建築物(10%)第一号ロが準耐火建築物・準延焼防止建築物に対する緩和(10%)第二号が特定行政庁が指定する角地における緩和(10%)となります。

一号または二号に該当する場合には10%が加算され、一号及び二号に該当する場合には、20%が加算されます。

なお、第一号の記述で「第1項第二号から第四号までの規定により建蔽率の限度が10分の8とされている地域を除く。」と記載があります。これは、第6項第一号の規定により、防火地域内で建蔽率80%地域+耐火建築物等の場合には、建蔽率が適用されないためです。

 前2項の規定の適用については、第一号又は第二号のいずれかに該当する建築物にあつては第1項各号に定める数値に10分の1を加えたものをもつて当該各号に定める数値とし、第一号及び第二号に該当する建築物にあつては同項各号に定める数値に10分の2を加えたものをもつて当該各号に定める数値とする。
 防火地域(第1項第二号から第四号までの規定により建蔽率の限度が10分の8とされている地域を除く。)内にあるイに該当する建築物又は準防火地域内にあるイ若しくはロのいずれかに該当する建築物
 耐火建築物又はこれと同等以上の延焼防止性能(通常の火災による周囲への延焼を防止するために壁、柱、床その他の建築物の部分及び防火戸その他の政令で定める防火設備に必要とされる性能をいう。ロにおいて同じ。)を有するものとして政令で定める建築物(以下この条及び第67条第1項において「耐火建築物等」という。)
 準耐火建築物又はこれと同等以上の延焼防止性能を有するものとして政令で定める建築物(耐火建築物等を除く。第8項及び第67条第1項において「準耐火建築物等」という。)
 街区の角にある敷地又はこれに準ずる敷地で特定行政庁が指定するものの内にある建築物

建築基準法第53条第3項

第一号イ(防火地域・準防火地域内の耐火建築物等)

地域地区耐火建築物等準耐火建築物等
防火地域建蔽率緩和の対象 +10%
(第1号イ)
×
(緩和非対象)
準防火地域建蔽率緩和の対象 +10%
(第1号イ)
建蔽率緩和の対象 +10%
(第1号ロ)
建蔽率緩和の対象

第一号イは、防火地域内(指定建蔽率が80%の地域を除く)で耐火建築物または建築基準法施行令第135条の20(耐火建築物と同等以上の延焼防止性能を有する建築物等)に適合する建築物に該当するケースです。

延焼防止性能を有する建築物については、建築基準法施行令第135条の20に規定されており、延焼の恐れのある外壁の開口部に防火設備等の要求が求められますが、説明すると複雑ですので、こちらの記事(>>https://blog-architect.me/2019/07/09/law-10/)をご覧ください。

第一号ロ(準防火地域内の準耐火建築物等)

地域地区耐火建築物等準耐火建築部等
防火地域建蔽率緩和の対象 +10%
(第1号イ)
×
(緩和非対象)
準防火地域建蔽率緩和の対象 +10%
(第1号イ)
建蔽率緩和の対象 +10%
(第1号ロ)
建蔽率緩和の対象

第一号ロは、準防火地域内で耐火建築物(延焼防止性能建築物を含む)または準耐火建築物(準延焼防止性能建築物を含む)に適合する建築物に該当するケースです。

この規定については、近年の平成30年改正法によって新たに加えられた規定となります。

第二号(角地緩和)

角地緩和の例 *大阪市建築基準法施行細則第15条第1号
角地緩和の例 *大阪市建築基準法施行細則第15条第2号

第二号は、建築物の敷地が建築基準法上の道路に二方向に接するケースの場合をいいます。建築士や不動産業界ではいわゆる「角地緩和」と呼ばれるもので、自治体の「建築基準法施行細則」などで規定されます。

こちらは、大阪市の例です。

(建蔽率の緩和)
第15条 法第53条第3項第2号の規定により、建蔽率を軽減することができる敷地は、次の各号のいずれかに該当するものとする。

(1) 内角150度以下の2つの道路の角にある敷地で、それらの道路のうち、一方の道路の幅員が10m以上ある場合又はそれらの道路の幅員が4m以上で、その角を挟む2辺の長さがそれぞれ2m以上の街角の切取り若しくはそれぞれ2m以上の建築物の隅切りがある場合であつて、かつ、それらの道路に接する長さの和が敷地外周の長さの3分の1以上あるもの

(2) 間隔が35m以下の2つの道路に挟まれた敷地で、それらの道路の幅員がそれぞれ4m以上あり、かつ、それらの道路に接する長さの和が敷地外周の長さの4分の1以上あるもの

(3) 公園、広場、河川、海その他これらに類するものに接する敷地で、前2号のいずれかと同等以上に安全上、防火上及び衛生上支障がないと認められるもの

大阪市建築基準法施行細則第15条

大阪市では、角地緩和を行うための敷地として3つ設定しています。

一つ目は、角地の敷地、二つ目は二方向の道路に敷地が接しているケース(道路は交差しない)、三つ目は敷地が公園や広場、河川などに接する場合です。

いずれかに該当する場合に10%を加算することが可能となります。また、防火地域内の耐火建築物の場合や準防火地域内の準耐火建築物に該当する場合には更に10%が加算され、最大で20%加算されます。

その他

建築基準法第53条第3項第二号については、各自治体ごとに定めていますので、地域によって緩和される敷地の条件が異なる点に注意が必要です。県内統一としているところもあれば、市町村ごとに考え方が異なることがあります。

首都圏では建蔽率が10%加算されるとメリットが非常に高いので不動産取引における重要事項説明では間違いがないように抑えておきたいポイントとなります。

第7項(防火地域内外にわたる場合)

建築基準法第53条第7項

第7項とは、敷地が防火地域とそれ以外の地域にわたる場合すべての建築物が耐火建築物(延焼防止建築物を含む)である場合には、防火地域内にあるものとみなして、前項で紹介でした建築基準法第53条第3項第一号を適用するものです。

つまり、敷地の一部が防火地域である場合、敷地内の建築物を耐火建築物等とすることで、建蔽率が10%加算されます。

 建築物の敷地が防火地域の内外にわたる場合において、その敷地内の建築物の全部が耐火建築物等であるときは、その敷地は、全て防火地域内にあるものとみなして、第3項第一号又は前項第一号の規定を適用する。

建築基準法第53条第7項

第8項(準防火地域とその他地域にわたる場合)

建築基準法第53条第8項

第8項とは、敷地が準防火地域とそれ以外の地域(防火地域・準防火地域を除く)にわたる場合建築物の全部が耐火建築物(延焼防止建築物を含む)または準耐火建築物(準延焼防止建築物)である場合には、敷地を準防火地域にあるものとみなして、前々項で解説した建築基準法第53条第3項第一号ロを適用することができます。

つまり、敷地の一部が準防火地域である場合、敷地内の建築物を耐火建築物等または準耐火建築物等とすることで、建蔽率が10%加算されます。

 建築物の敷地が準防火地域防火地域及び準防火地域以外の区域とにわたる場合において、その敷地内の建築物の全部が耐火建築物等又は準耐火建築物等であるときは、その敷地は、全て準防火地域内にあるものとみなして、第3項第一号の規定を適用する。

建築基準法第53条第8項


それでは以上となります。参考になりましたら幸いです。