【用途規制】物流センター・物流施設は工場?倉庫?建築基準法の解説。

この記事では「物流センター・物流施設」に関する建築基準法の用途制限について解説しています。今後も需要が増加する建築物の用途となる施設ですので、こちらの記事が建築物の立地を検討する際の参考になれば幸いです。

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物流センター・物流施設は「工場」又は「倉庫」に該当

工場または倉庫のどちらかに該当するかどうかは次の2つの使い方がポイントとなります。

工場用途に該当する建物の使い方

配達までの運搬物の整理・保管に加え、荷造り・荷崩し、商品組み合わせ、梱包・検品

倉庫用途に該当する建物の使い方

配達までの運搬物の整理・保管のみ

「工場」については、昭和14年6月29日の内務省都市計画課長から広島警察本部長宛の文書において『工場とは、通例職工を使用し製造若しくは加工又は仕上げ、仕分、包装、荷造等の作業を或期間継続して為すを目的とする一定の場所を指称するものとする。』とあり、建築基準法における「工場」とは製造業よりも広義であり、職工等により継続して物品の製造・加工・仕分け・梱包等を行うものを指します。

その他、1993年(平成5年)の国の文書でも次のように記述されており、”仕分、包装、荷造等の諸作業を行う倉庫や・・・(略)・・・工場として取り扱って差し支えない。”とされています。

工場として取り扱う建築物の用途の範囲については、基本的には、昭和14年6月29日付け照会回答(都市計画課長より広島警察部長あて)に示すとおりであるが、近年の生産技術の進展等に伴い、「通例職工を使用しない」無人の作業がなされる建築物であっても、当該建築物において行われる作業全般を総合的に勘案の上、通例職工を使用する工場と同様の作業がなされるものであると判断される場合にはあっては、適宜これを工場として取り扱うこととされたい。
また、仕分、包装、荷造等の諸作業を伴う倉庫や、廃品から新たな製品や原料を製造するリサイクル施設についても、従来どおり、法による用途規制において工場として取り扱って差し支えない。

平成5年住指発第225号「都市計画法及び建築基準法の一部を改正する法律等の施行について(抜粋)」

このため、物の保管・整理に加えて、荷造りや荷崩し等を行う物流倉庫は工場用途に該当すると考える必要があります。加えて、営業倉庫といった他人の物を預かった上で自社倉庫で保管・整理する場合には営業倉庫に該当するため「倉庫業を営む倉庫となることにも留意が必要です。

Amazonの物流拠点施設やクロネコさんのレンタル営業倉庫などは工場+倉庫などと考えて良いと思います。

一方で、「倉庫」に該当する場合は、”配達までの運搬物の整理・保管のみ”を行うケースです。例えば、クロネコさんの代理店(コンビニや田舎の店舗など)などは整理・保管のみなので、「工場」には該当しないと考えてOK。

▶︎▶︎▶︎参考書籍『建築確認のための基準総則・集団規定の適用事例

▶︎▶︎▶︎倉庫業を営む倉庫かどうかは、他人の物品を保管・貯蔵することを業(スペース又は空間毎の賃貸借契約は非倉庫業を営む倉庫)としているかどうかです。詳しくはこちらの記事をご覧ください。

工場・倉庫を建築することができる用途地域

用途地域というのは市街化区域非線引き都市計画区域に定められる建物の用途・規模に対する制限・誘導を行う都市計画ツールの一つとなります。

用途地域以外の地域としては市街化調整区域と都市計画区域外がありますが、市街化調整区域については原則として建築物の建築は不可能となり、都市計画区域外については建築することが可能(ただし自治体によっては条例等で立地制限を行っている可能性あり)です。

ここでは、一般的に立地検討を用途地域をベースに立地することが可能かどうか一覧表にしています。基本的な考え方として、地価や比較的大きい土地を確保するには、「準工業地域」、「工業地域」、「工業専用地域」が制約なく建築することが可能となります。

用途地域名工場倉庫業を営む倉庫倉庫業を営まない倉庫
第一種低層住居専用地域不可不可不可
第二種低層住居専用地域不可不可不可
第一種中高層住居専用地域不可不可不可
第二種中高層住居専用地域不可不可不可
第一種住居地域
*床面積50㎡以下
*モーター不可
不可
*床面積3,000㎡以下
第二種住居地域
*床面積50㎡以下
*モーター不可
不可
準住居地域
*モーター使用の場合は作業場の床面積50㎡以下
田園住居地域不可不可不可
近隣商業地域
*モーター使用の場合は作業場の床面積150㎡以下
商業地域
*モーター使用の場合は作業場の床面積150㎡以下
準工業地域
工業地域
工業専用地域
工場、倉庫用途規制

その他:役に立つ情報

倉庫業については特定市場のためネットなどでは正しい情報があまり掲載されていないのが実情です。

倉庫業を営む場合はもちろんのこと、賃貸借契約によるレンタル倉庫業を営む場合についても、準拠した方が良い面などがありますので、これから業を検討している場合には次の業務必携を購入することをおすすめしています。

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ということで以上となります。参考となりましたら幸いです。