【払い下げ(用途廃止)とは?】土地(道や水路)の払い下げの基準や手続きの流れを分かりやすく解説

この記事では、「土地の払い下げ」とは何か、また、主な手続きの流れを分かりやすく解説しています。

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土地の払い下げ(用途廃止)とは?

まずは、払い下げを受けることができる可能性がある「法定外公共物」を知る必要があります。

法定外とは、例えば道路法に基づかない道(公図上の道で、国道や都道府県道、市区町村道)のことをいいます。

つまり、道路法や河川法といった個別の法律に基づかない公共物であるからですね。
一方で、法定公共物とは、その名のとおり道路法上の道路などの個別法に基づく公共物が該当します。

代表例としては、「誰も使っていない公図上の道」や「誰も使っていない公衆用道路」、「機能していない水路」などです。
*公図上の道とは、単純に公図上で道と表示されているからです。

こうした法定外公共物は、平成12年に施行された「地方分権の推進を図るための関係法律の整備等に関する法律(いわゆる地方分権一括法)」により、市町村に譲与されており、財産管理や用途管理を市町村が行うようになっています。
*他のネット記事では、国や都道府県管理と記載されていますが、平成12年4月1日以降は市町村管理となります。

管理者としては、道路管理部局(市街化区域内)や農政部局(市街化区域外)が管理していることが多いですが、どこも管理していない場合には、行政財産そのものを所管する部局が書面上持っています。

建築・不動産業界では払い下げといいますが、行政用語では用途廃止といいます。

赤道(公図上の道)に限って説明すると、公図上の道や公衆用道路でも建築基準法上の道路に指定されているケースや、複数の方が日常生活上として使用していることになるため、払い下げを受けることができません。

しかしながら、誰も使用している実態がなく、道の形態も有していないなどのケースでは、その公図上の道に接する土地全員や関係者の同意を持って払い下げ(用途廃止)を受けることができるようになっています。

左側は道として機能していない可能性有り。右側は道として機能している(機能する)可能性有り。

払い下げ(用途廃止)の基準は市町村ごとに定めていますが、「法定外公共物」については、次のポイントが重要です。

  • 道や水路が全く機能していないことが明らかであること
    *道路法や河川法等の個別法を受けている道等の区域は払い下げ(用途廃止)は不可です。
  • 用途廃止することによって第三者が不利益を被ることがないこと
    *申請者以外にも使用している実態がある。建築基準法上の道路の指定を受けているなど。
  • 将来にわたって公共物として使用しないこと
    *行政の公共物管理の計画によって個々に決まる
  • 利害関係者全員の同意を得ることができること
    *隣接地権者全員の同意、関係権利者(地元区、管理組合など)


▶︎払い下げを受けるケースでは、建築確認申請上の敷地設定と関係するかと思います。
こちらの記事では、建築確認申請上の敷地(道や水路が関係する場合)について書いていますので、よかったらこちらの記事も併せてご確認ください。

▶︎払い下げと類似した制度で「付け替え」というものをあります。
道や水の機能を維持したまま移設することで元の位置から移動させることができます。
詳細はこちらの記事に書いておりますので参考にしてみてください。

払い下げ(用途廃止)の手続きの流れ

主な手続きとしては、次のとおりです。

払い下げは、測量・協会立会・登記業務の他、道路管理者や利害関係者との協議など、手続きと手間がかかる業務であるとともに、測量等の高度な技術を要しますので、一般的には専門家である土地家屋調査士に依頼します。

  • 払い下げを受ける予定の道等の調査(公図等、利用実態の調査など)
  • 役所との事前協議(払い下げを受けることができる可能性があるか)
  • 利害関係者の同意(押印)
  • 本申請(用途廃止申請)→承認通知
  • 払い下げ申請→土地売買契約
  • 登記(法務局)

費用についても申請者(払い下げを受ける者)が負担することになります。

補足:国や都道府県管理の土地の場合には?

ごくたまに国や都道府県が所有している土地(宅地や公衆用道路、雑種地)があったりします。
道路法や河川法等の個別法に基づく管理区域にも入っていないケースで、何かしらの理由で残地となってしまっているケースです。

こうしたケースは、国の場合には財務省の出先である各地方財務局の財務事務所に相談するようになっています。都道府県の場合には、行政財産を管理している部署(*管理者を探すのがとーーっても大変です)となります。

全く払い下げを受けられないということはないので、全く機能していない荒地に接している場合には、お住まいの地域で開業されている土地家屋調査士に相談してみることをおすすめしています。


それでは以上となります。こちらの記事が参考となりましたら幸いです。