建設地の省エネ地域区分を調べたい方は、住所検索または地図から確認できます。このページでは、検索ツールの使い方と、結果を設計に使う前に押さえておきたい点をまとめました。
資料確認日:2026年9月16日。ツールは確認を補助するものです。申請・認定に使用する際は、建設地の旧区域と適用される告示・制度を照合してください。
省エネ地域区分を住所・地図から調べる方法
「地域区分」と聞くと、全国の色分け地図から探したくなりますよね。全体の傾向を見るには便利ですが、敷地の区分を確認するときは、住所から候補を絞り、旧市町村の区域まで確認すると取り違えを防ぎやすくなります。
住所から調べる
ツールの「住所または市町村名」に建設地を入力し、「検索」を押します。市町村名だけでも検索できますが、設計に使う場合は、番地などを含む住所で場所を絞ってください。検索された場所が目的の敷地か、地図でも確認します。
地図から調べる
「地図から探す」で対象地域を拡大し、市区町村を選択します。背景の道路などを確認したい場合は「地理院地図」を使います。区分境界に近い場所や合併した自治体では、色だけで判断せず、結果欄の旧区域名と告示表を照合してください。
- 住所を入力例:「松本市」と入力して検索します。
- 結果と場所を確認省エネ地域区分は「4地域」。地図上の場所と、結果欄の住所・旧区域名を確認します。
- 旧区域の候補を確認旧松本市・旧波田町・旧梓川村は A5・H5、旧四賀村は A5・H4、旧奈川村・旧安曇村は A4・H5 と表示されます。敷地に該当する候補を選びます。
- 必要な基準へ進む用途や確認したい水準を選び、基準値を確認します。気象・標高差の参考情報は、法定の区分と分けて読みます。
松本市の例では、省エネ地域区分が同じでも日射地域区分が異なることが分かります。地域番号だけでなく、結果欄に旧区域の候補が出ていないかも見ておきましょう。
地域区分・日射地域区分・断熱等級は別のもの
省エネ地域区分は、気候条件に応じた基準を適用するための1〜8の区分です。数字は建物の性能の高さを表すものではありません。「6地域の住宅」と「断熱等性能等級6の住宅」は意味が異なります。
| 表示 | 何を確認するか | 混同しないために |
|---|---|---|
| 省エネ地域区分 1〜8地域 | 建設地に適用される地域の区分 | 告示第265号・別表第10の市町村・旧区域を確認します。 |
| 年間日射地域区分 A1〜A5 | 年間の日射条件に関する区分 | 太陽光発電・太陽熱利用などの計算で用いる情報です。 |
| 暖房期日射地域区分 H1〜H5 | 暖房期の日射条件に関する区分 | 蓄熱利用による暖房負荷の低減を評価する場合などに用います。 |
| 断熱等性能等級 | 住宅の外皮性能の水準 | 地域区分と等級の両方を選んで、対応する基準を確認します。 |
根拠:国土交通省告示第265号・別表第10(PDF)、建築研究所「技術情報(住宅)」第十一章。日射区分は建築研究所の技術情報で別途確認します。
基準値は、地域だけでなく用途・水準も確認する
ツールの「省エネ基準と断熱性能」では、住宅と非住宅を切り替えられます。住宅の外皮基準と、非住宅の用途・規模に応じた基準を取り違えないようにしてください。断熱等性能等級と一次エネルギー消費量の指標であるBEIも、別に確認する項目です。
数値を転記する前に、「どの場所」「どの用途」「どの水準」の値かをそろえておくと、後から見直す際にも分かりやすくなります。
地域区分が分かったら、省エネ基準・誘導基準・ZEH・ZEBの違いで、目指す水準に合うUA値・ηAC値やBEIの見方を確認できます。
同じ市でも区分が違う?旧市町村名の確認が必要です
市町村合併後の自治体名だけでは、地域区分を一つに絞れないことがあります。例えば告示別表第10では、長野県塩尻市のうち旧楢川村は2地域、旧塩尻市は4地域として掲載されています。
告示表の備考では、基本となる行政区画の時点と、括弧内の旧行政区画の時点が定められています。現在の市境と、告示が参照する旧区域は同じとは限りません。「○○市だから一律に○地域」と決めず、括弧内の「旧○○に限る」「旧○○を除く」まで確認してください。
上記の例は告示第265号・別表第10の2地域・4地域の欄によります。境界付近で旧区域を特定できない場合は、自治体の旧行政区域資料や申請先へ確認してください。
標高や最近の暑さで、地域区分は変わる?
敷地が山間部にあったり、近年の気温が高くなっていたりしても、その情報だけで告示上の地域区分を置き換えるものではありません。申請等に使う区分は、建設地に対応する告示表で確認します。
一方、同じ地域区分でも、盆地・沿岸部・山間部で設計上気になる条件は違います。ツールでは、近隣観測所の平年値や標高差、近年の気候傾向を併記しています。これらは法定基準を緩めるためではなく、断熱・日射遮蔽・冷房などを検討する参考情報として使ってください。
地域区分を調べた後に「実際の敷地はどうだろう」と一歩進んで考えられることを、このツールでは大切にしています。
全国・地方別の省エネ地域区分図
ここからは、QGISで作成した全国・地方別の地図です。地域の分布を見渡したり、説明資料を作ったりする際にご活用ください。
以下の8枚は、令和5年9月25日・国土交通省告示第972号による改正時点の資料です。告示第265号には、その後、令和6年6月28日・告示第975号による改正があります。画像を現行版の判定資料として扱わず、現在の敷地の区分は検索ツールと公式資料で確認してください。
画像はダウンロードして資料作成に利用できます。教材・商材等で利用する場合は「出典:YamakenBlog(2025年作成)https://blog-architect.me/2025/03/09/energy-zone-map/」と作成時点を明記してください。地図内の鉄道・高速道路は国土数値情報を使用しています。
全国の地域区分図

北海道の地域区分図

北東北の地域区分図

南東北・関東甲信の地域区分図

中部・近畿の地域区分図

中国・四国の地域区分図

九州の地域区分図

沖縄の地域区分図

よくある疑問
都道府県だけで地域区分を判断できますか?
都道府県内に複数の区分がある場合があります。市町村名を確認し、旧区域の指定がある場合はそこまで絞ってください。
この地図を見れば、省エネ基準への適合が分かりますか?
地域区分が分かることと、建物が基準に適合することは別です。建物の仕様・設備・用途などを踏まえ、該当する計算方法や仕様基準で確認する必要があります。
ツールの結果はPDFで残せますか?
敷地を選択した後、「建設地別レポートを表示」から印刷画面を開き、ブラウザの印刷機能でPDF保存できます。住所・旧区域と選択条件を確認してから保存してください。レポートは確認の補助資料であり、適合を証明する書類ではありません。
根拠資料と更新について
- 国土交通省「建築物省エネ法 最新の法令」:告示等の掲載元。2026年9月16日に掲載内容を確認しました。
- 平成28年国土交通省告示第265号(PDF):地域の区分は別表第10。掲載PDFには令和6年告示第975号までの改正履歴が記載されています。
- 建築研究所「平成28年省エネルギー基準に準拠した技術情報(住宅)現行版」:第十一章の「地域の区分と外気条件」「日射に関する地域の区分と日射量等」、地域・日射区分のデータを参照してください。
- 国土交通省「法令・制度、省エネ基準等」:基準・制度の概要や地域区分の見直し資料を確認できます。
この記事の資料確認日と、掲載地図の作成時点、ツール内データの版は異なります。ツールのデータ版は「根拠資料・データ版」で確認してください。
地域区分の確認から、性能の検討・説明へ
地域区分と建物の性能をつなげて確認したいときは、次の記事も使ってみてください。基準値の比較と、広告・引渡しに使うラベルの読み方を分けて整理しています。












