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建築基準法第48条例外許可の規定が改正!(コンビニが一種低層でも建築しやすくなる)

平成30年6月27日に公布された「建築基準法の一部を改正する法律(平成30年法律第67号)」のなかから、用途規制に関する制限の緩和について新たに規定されたことから解説します。

こんにちは。山好き建築士です!!

はじめに(改正の背景等)

実は、一昨日に某大手新聞記事を読んでいたらコンビニの建築規制緩和!の文字が( ・∇・)
2年前に出された技術的助言の事なのかなぁって思っていたら実は違いました。

建築基準法をあまりご存知ない方は分からないと思いますが、第一低層住居専用地域では、原則としてコンビニは建築することができない規定になっています。

第一種低層住居は”低層住宅に係る良好な住居の環境”を確保することが目的のため、不特定多数の人の集積が予想され周辺環境を害する恐れがある店鋪や飲食店などは建築することができないこととされております。

まぁ、当然の規定であり、良好な低層住宅街の環境が気に入って購入した家の隣にコンビニができて、24時間、車や人の出入りがあったら騒音の問題になりますからね( ´ ▽ ` )
コンビニじゃなくても大きな店鋪や飲食店の立地で周辺環境が変わってしまいます。

ところが、そうも言っていられなくなったのが、超高齢社会の到来です。
国が2年前に発出した技術的助言(「第一種低層住居専用地域及び第二種低層住居専用地域におけるコンビニエンスストアの立地に対する建築基準法第48条の規定に基づく許可の運用について(国住街第93号 平成28年8月3日))により、例外許可の指針が示されたのは、高齢者の買い物難民の問題があったためと思われます。

日常生活に必要な食料や日用品が売っているコンビニは、高齢者にとってはセーフティーネットの役割を担っていますからね。
それにコンビニがあるとなにかと日常生活では便利です。

しかしながら、この技術的助言があっても、法第48条例外許可は、公開による意見聴取と建築審査会の同意が必須であることや、技術的助言中に明確な数値的基準が示されていないこと、さらには事務手続きが長期になることから、あまりコンビニの立地が進まなかったことが想定されます。←あくまでも私の考えです。違うかもしれないけどϵ( ‘Θ’ )϶

そこで、今回の法改正なのでしょう。

改正の概要

一定の基準等に合致しているものであれば建築審査会の同意が不要になるようです。
公布の日から1年以内に施行となるようですので、今後、関係政令と省令が定められるので、国から示されたらこのブログでも紹介したいと思います。

なお、一定の基準とは、現在、わかっている範囲としては、

日常生活に必要な政令で定める建築物で、騒音又は振動の発生その他の事象による住居の環境の悪化を防止するために必要な国土交通省令で定める措置が講じられているものの建築
だそうです。なので、政令と省令がないと詳細は不明ですね。
ちなみに改正された法律(未施行)とは・・・

建築基準法第48条第15項及び16項
国土交通省ホームページより引用

15 特定行政庁は、前各項のただし書の規定による許可(次項において「特例許可」という。)をする場合においては、あらかじめ、その許可に利害関係を有する者の出頭を求めて公開により意見を聴取し、かつ、建築審査会の同意を得なければならない。

16 前項の規定にかかわらず、特定行政庁は、第一号に該当する場合においては同項の規定による意見の聴取及び同意の取得を要せず、第二号に該当する場合においては同項の規定による同意の取得を要しない

一   特例許可を受けた建築物の増築、改築又は移転(これらのうち、政令で定める場合に限る。)について特例許可をする場合
二 日常生活に必要な政令で定める建築物で、騒音又は振動の発生その他の事象による住居の環境の悪化を防止するために必要な国土交通省令で定める措置が講じられているものの建築について特例許可(第1項から第7項までの規定のただし書の規定によるものに限る。)をする場合

4月12日にパブコメが開始され「日常生活に必要な建築物」が判明!!

平成31年4月12日にパブリックコメントが開始され、建築基準法第48条第16項第2号の内容が分かりました。

パブリックコメントによると、日常生活に必要な政令で定める建築物とは次の建築物になります。

○ 日用品の販売を主たる目的とする店舗
▶︎第一種・第二種住居専用地域内

○ 共同給食調理場(2以上の学校(法別表第2(い)項第4号に規定する学校に限る。)において給食の実施のために必要な調理の用に供する施設をいう。)
▶︎第一種・第二種中高層住居専用地域、第一種・第二種住居地域、準住居地域内

○ 自動車修理工場
▶︎第一種・第二種住居地域、準住居地域内

パブコメでは、省令案も出されているので、気になる方はこちらをご覧ください。
▶︎建築基準法の一部を改正する法律の施行に伴う関係政令の整備等に関する政令案等に関する意見募集について(外部リンク)

まとめ

特例許可が必要ではあるものの、一定の基準に該当するものは、審査会同意不要で、低層住居専用地域に日常生活に必要な用途の建築物の建築が可能になるようですね。

また、これは私の勝手な予測ですが、工業専用地域内の複数の工場における従業員向けのコンビニの立地に関しても審査会の同意が不要になるのかもしれません(平成28年に特例許可の運用の事務連絡が発出されています)第二号に第1項から第7項と規定されており、工業専用地域は第13項ですので、対象外ですね。

詳細が分かったら当ブログでも解説したいと思います。
ここまで読んで頂きありがとうございました٩( ‘ω’ )و






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YamaKen都市計画(まちづくり)を通じて都市を美しくしたい人
【資格】1級建築士、建築基準適合判定資格者、宅建士など 【実績・現在】元役人:建築・都市計画・公共交通行政などを10年以上経験 / 現在は、まちづくり会社を運営:建築法規・都市計画コンサル,事業所の立地検討,住宅設計など