この記事では、建築基準法上のコンクリートブロック(CB)塀のルールについて解説しています。
建築士ではない方向けに”これだけ”は日頃からチェックしておくべき事項をまとめました。
なお、今回は、住宅等の塀として多く採用されている補強CB塀を解説するので、組積造である大谷石塀やレンガ塀などは説明から除外しています。
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建築基準法におけるコンクリートブロック(CB)塀の基準
建築基準法施行令の第4節の2ー施行令第62条の8に記載されています。法令の番号などは気にしなくてOKです。
次の1から7号(高さが1.2m以下の塀は5・7号を除く)の基準に適合させる必要があります。
補強コンクリートブロック造の塀は、次の各号(高さ1.2m以下の塀にあつては、第5号及び第7号を除く。)に定めるところによらなければならない。ただし、国土交通大臣が定める基準に従つた構造計算によつて構造耐力上安全であることが確かめられた場合においては、この限りでない。
建築基準法施行令第62条の8
一 高さは、2.2m以下とすること。
二 壁の厚さは、15㎝(高さ2m以下の塀にあつては、10㎝)以上とすること。
三 壁頂及び基礎には横に、壁の端部及び隅角部には縦に、それぞれ径9㎜以上の鉄筋を配置すること。
四 壁内には、径9㎜以上の鉄筋を縦横に80㎝以下の間隔で配置すること。
五 長さ3.4m以下ごとに、径9㎜以上の鉄筋を配置した控壁で基礎の部分において壁面から高さの5分の1以上突出したものを設けること。
六 第3号及び第4号の規定により配置する鉄筋の末端は、かぎ状に折り曲げて、縦筋にあつては壁頂及び基礎の横筋に、横筋にあつてはこれらの縦筋に、それぞれかぎ掛けして定着すること。ただし、縦筋をその径の40倍以上基礎に定着させる場合にあつては、縦筋の末端は、基礎の横筋にかぎ掛けしないことができる。
七 基礎の丈は、35㎝以上とし、根入れの深さは30㎝以上とすること。
なお、組積造(レンガ、石、CB(これから説明するCBを除く)等)は施行令第61条に規定されています。
基本的な事項として高さは1.2m以下にする必要がありますので、自宅の塀の高さ(安全を考慮し、一番低い地盤からの高さ)をチェックしてください。
その他にも規定がありますので、気になる方は施行令第61条を確認してみてください。
(組積造のへい)
建築基準法施行令第61条
第61条 組積造のへいは、次の各号に定めるところによらなければならない。
一 高さは、1.2m以下とすること。
二 各部分の壁の厚さは、その部分から壁頂までの垂直距離の10分の1以上とすること。
三 長さ4m以下ごとに、壁面からその部分における壁の厚さの1.5倍以上突出した控壁(木造のものを除く。)を設けること。ただし、その部分における壁の厚さが前号の規定による壁の厚さの1.5倍以上ある場合においては、この限りでない。
四 基礎の根入れの深さは、20㎝以上とすること。
基準(目視で確認できる部分)
□高さ:2.2m以下
(安全を考慮して、一番低い位置からの高さ)
□壁の厚さ:15㎝以上
(高さが2m以下の塀は10㎝)
□控壁:塀の長さ3.4m以内ごとに塀の高さの5分の1
(例えば塀の高さが2mであれば200㎝➗5=40㎝の壁)の控壁があるか
□ヒビ割れ:ヒビ割れがある場合は、日頃からその長さがチェックしましょう。
(徐々に広がってきたら特に危険です)
□傾き:傾いている場合は、隣の敷地や道路側に傾いていなかチェックしましょう。
糸に錘(オモリ)をつけて、塀の上端から垂らせば、どのくらい傾いているか分かります。
日頃からチェックしてみて傾きが大きくなっていくようでしたらとても危険です。
□その他:ブロック塀を敷地の擁壁代わり(塀に土圧をかける)に利用している場合は、とても危険です。
特に水抜きがなく、なおかつ建築物が塀に近い(例えば、”塀に土圧をかけている高さ
*2”よりも塀から建築物までの距離の方が短い)場合は、経年変化とともに外側に”はらむ”可能性が高いです。
※敷地を造成したい場合は、建築基準法の擁壁としましょう。(過去の記事を参照)
(以下に国土交通省が公表しているチェックポイントを掲載します)
まとめ
塀は地震で揺らされると傾いたり、倒壊する危険性が高いです。
特に時間が経ち、雨水などが塀の中に侵入し鉄筋が弱くなっていくとさらに危険です。
日頃から注視して、”危ないかも”って思ったら専門家に相談するのが良いと思われます。
追記(高槻市でのブロック塀倒壊事故)
大阪の高槻市で発生したブロック塀倒壊の事故では、第三者委員会が、”ブロック塀内部の施工不良が倒壊の主な原因”とする報告書を高槻市に提出したようです。
ブロック塀等の所有者の方は、引き続き、日頃から注視するようにした方が良いですね。