都市計画法における目的なども含めて、解説します。
こんにちは!!山好き建築士です。
それでは、標題のとおり、工業地域から解説します。
工業地域の目的とは
工業地域は、都市計画法において、「主として工業の利便を増進するため定める地域」とされています。
簡単にいうと、工業に関わる建築物の立地を図る(これら以外の用途は排除)地域です。
ですので、建築基準法において制限する建築物の用途もそのようになっています。
工業地域内の建築物の制限
建築基準法第48条第12項、別表第2において定められており、まとめて表にするとこのような感じになります。(※2018年11月14日現在)
欄 | 号 | 建築してはならない建築物 |
---|---|---|
(を) | 一 | (る)項第三号に掲げるもの →個室付浴場業に係る公衆浴場その他これに類する政令(令第130条の9の5)で定めるもの→令第130条の9の5 ヌードスタジオ、のぞき劇場、ストリップ劇場、専ら異性を同伴する客の休憩の用に供する施設、専ら性的好奇心をそそる写真その他の物品の販売を目的とする店舗その他これらに類するもの |
二 | ホテル、旅館 | |
三 | キャバレー、料理店その他これらに類するもの 注)料理店とは、食堂やレストランなどではなく風営法の料理店 |
|
四 | 劇場、映画館、演芸場若しくは観覧場又はナイトクラブその他これに類する政令(令第130条の7の3)で定めるもの
→令第130条の7の3 |
|
五 | 学校(幼保連携型認定こども園を除く。) | |
六 | 病院 | |
七 | 店舗、飲食店、展示場、遊技場、勝馬投票券発売所、場外車券売場その他これらに類する用途で政令(令第130条の8の2)で定めるものに供する建築物でその用途に供する部分の床面積の合計が1万㎡を超えるもの
→令第130条の8の2 |
工業専用地域の目的とは
工業専用地域は、都市計画法において、「工業の利便を増進するため定める地域」とされています。工業地域との違いは、最初の”主として”が無いだけ。
つまり、工業の利便増進に関わる建築物以外は建築することができません。
ですので、建築基準法において制限する建築物の用途もそのようになっています。
工業専用地域内の建築物の制限
建築基準法第48条第13項、別表第2において定められており、まとめて表にするとこのような感じになります。(※2018年11月14日現在)
欄 | 号 | 建築してはならない建築物 |
---|---|---|
(わ) | 一 | 工業地域内に建築してはならない建築物 |
二 | 住宅 | |
三 | 共同住宅、寄宿舎又は下宿 | |
四 | 老人ホーム、福祉ホームその他これらに類するもの | |
五 | 物品販売業を営む店舗、飲食店 | |
六 | 図書館、博物館その他これらに類するもの | |
七 | ボーリング場、スケート場、水泳場その他これらに類する政令(令第130条の6の2)で定める運動施設
→令第130条の8の2 |
|
八 | マージャン屋、ぱちんこ屋、射的場、勝馬投票券発売所、場外車券売場その他これらに類するもの |
工業専用地域内では保育所は建築できるの?
結論から言うと、建築することは可能です。
(根拠)
「都市計画法及び建築基準法の一部を改正する法律等の施行について(平成5年住指発第225号)」により、抜粋
第四 用途地域について
「〜(略)〜保育所等については、工場勤務者等に必要不可欠な通園施設であり、工業専用地域内でも建築が可能であることに留意されたい。
まとめ
今回、記事にしていない準工業地域については、危険物系の製造・貯蔵等を行う建築物や風営法の適用がある建築物は建築することができない規定になっていますが、それら以外は建築することが可能です(用途規制の中で一番緩いです)
今回の記事の注意点としては、建築する建築物の用途が工業系用途地域でも建築できるかどうかの最終判断は、特定行政庁や建築主事になってくるので、建物内の使い方で疑問がある場合(例えば、寮のような使い方の部屋があるなど・・・)は、ちゃんと建築計画を起こす前に、建築する土地を所管する行政に確認するようにしましょう。
今回は、ここまでとなります。
お読み頂きありがとうございました。٩( ‘ω’ )و