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2024年4月1日から建築確認申請書の様式が変更_第4面が変更!!

この記事では、令和4年改正法の2年目施行に伴い2024年4月1日から建築確認申請書の様式が変更となることについて簡潔に解説を行っています。

結論から言うと、申請書の第4面が変更となります。

理由としては、主要構造部での木造あらわしを可能とする改正に関連したもので、法第21条が適用される大規模木造、または建物の一部で木造あらわしを行う耐火建築物が、今回の申請書様式変更に関わってきます。

また、これに関連して従来の主要構造部は、「特定主要構造部」と「損傷を許容する主要構造部(木造設計)」に分かれているため、法令や条例においての用語の使い方などに注意が必要となります。

申プロ(一財 建築行政情報センター)を使用の方は、当該財団にて、2024年4月1日改正に対応したアップデートファイルを各利用者に提供しているため更新プログラムのダウンロードして適用するのみでOKです。




変更箇所❶:第4面 5.主要構造部

申請書第4面5.主要構造部 にチェックを行う部分ですが、新たに特定主要構造部が加えられるため、耐火構造のチェック欄が2つに分かれます。

耐火構造建築物で主要構造部の一部に木造あらわし(損傷を許容する主要構造部)がある場合には、「⬜︎耐火構造(防火上及び避難上支障がない主要構造部を”有する”場合)」をチェックします。

従来どおりの耐火構造(全ての主要構造部がRCなど)は、「⬜︎耐火構造(防火上及び避難上支障がない主要構造部を”有しない”場合)」にチェックを行います。

こちらは国が作成した当該改正法に関連の説明資料です。

特定主要構造部という用語が登場したことで法第27条がとっても分かり難くなっています。

主要構造部のうち防火上及び避難上支障がないものとして政令(施行令第108条の3)で定める部分については、耐火要求等の規定の適用を除外されます(→損傷を許容する主要構造部)。
加えて、当該適用除外部分以外の主要構造部(従来通り所定の性能 を要求されるもの)を「特定主要構造部」となりました。

防火上及び避難上支障がない部分(損傷を許容する主要構造部)については、火災により損傷・崩落した場合にあっても火災が当該部分にとどまり、火災による火熱によって建築物全体が倒壊及び延焼しないこと等が要件とされます。

この記事執筆時点では、告示や技術的助言については不明でした(施行令のみは分かっているため以下に掲載しておきます)。おそらく4月1日以降に示されるものと考えられます。
>>>告示一覧(国土交通省のページ)
>>>技術的助言が掲載されると思われる国土交通省のページ

第108条の三 法第2条第9号の2イの政令で定める部分は、主要構造部のうち、次の各号のいずれにも該当する部分とする。
 当該部分が、床、壁又は第百九条に規定する防火設備(当該部分において通常の火災が発生した場合に建築物の他の部分又は周囲への延焼を有効に防止できるものとして、国土交通大臣が定めた構造方法を用いるもの又は国土交通大臣の認定を受けたものに限る。)で区画されたものであること。
 当該部分が避難の用に供する廊下その他の通路の一部となつている場合にあつては、通常の火災時において、建築物に存する者の全てが当該通路を経由しないで地上までの避難を終了することができるものであること。

建築基準法施行令第108条の3(主要構造部のうち防火上及び避難上支障がない部分:損傷を許容する主要構造部)

補足:耐火建築物の基準が改定

特定主要構造部と損傷を許容する主要構造部という2つの規定に分かれたことにより、耐火建築物の基準が改正されています。

耐火建築物については、従来は主要構造部が耐火構造でかつ延焼ラインの開口部が防火設備である必要がありましたが、この規定が変わります。

2024年4月1日以降は、特定主要構造部が耐火構造でかつ延焼ラインの開口部が防火設備であれば耐火建築物となります。特定主要構造部以外の損傷を許容する主要構造部は施行令で定められ、告示で構造方法が定められます。

九の二 耐火建築物 次に掲げる基準に適合する建築物をいう。
 その主要構造部のうち、防火上及び避難上支障がないものとして政令で定める部分以外の部分(以下「特定主要構造部」という。)が、(1)又は(2)のいずれかに該当すること。(1) 耐火構造であること。
(2) 次に掲げる性能(外壁以外の特定主要構造部にあつては、(i)に掲げる性能に限る。)に関して政令で定める技術的基準に適合するものであること。
(i) 当該建築物の構造、建築設備及び用途に応じて屋内において発生が予測される火災による火熱に当該火災が終了するまで耐えること。
(ii) 当該建築物の周囲において発生する通常の火災による火熱に当該火災が終了するまで耐えること。
 その外壁の開口部で延焼のおそれのある部分に、防火戸その他の政令で定める防火設備(その構造が遮炎性能(通常の火災時における火炎を有効に遮るために防火設備に必要とされる性能をいう。第二十七条第一項において同じ。)に関して政令で定める技術的基準に適合するもので、国土交通大臣が定めた構造方法を用いるもの又は国土交通大臣の認定を受けたものに限る。)を有すること。

耐火建築物とは

変更箇所❷:第4面 6.建築基準法第21条及び第27条の規定の適用

※建築確認申請書第4面 省令新旧対照表等 2024年4月1日施行

続いて、大規模木造の防火規定である法第21条の改正に伴い新たに「⬜︎施行令第109条の7第1項第1号に掲げる基準に適合する構造」が加えられました。

3000m²超の大規模建築物(木造)が対象の規定のため、ほとんどの設計者で関係がない規定です。

変更となった理由としては、前項で解説を行った一部で木造あらわしを可能とする改正によるものです。3000超の大規模木造は木造あらわし不可でしたのでそれを一部で可能とするものです。

具体的には法第21条第2項が改正され、施行令第109条の7が改正され、第1号が次のように規定されました。

主要構造部の部分及び袖壁、塀その他これらに類する建築物の部分並びに防火設備の構造が、当該建築物の周辺高火熱面積の規模を避難上及び消火上必要な機能の確保に支障を及ぼさないものとして国土交通大臣が定める規模以下とすることができるものであること。
*施行令第109条の7第1項第1号の基準
*周辺高火熱面積
建築物の屋内において発生する通常の火災による熱量により、当該建築物の用途及び規模並びに消火設備の設置の状況及び構造に応じて国土交通大臣が定める方法により算出した当該建築物の周囲の土地における熱量が、人の生命又は身体に危険を及ぼすおそれがあるものとして国土交通大臣が定める熱量を超えることとなる場合における当該土地の面積

こちらも告示や技術的助言の発出が未のため計算方法などの基準は詳細は不明です。

おそらく4月1日以降に示されるものと考えられます。
>>>告示一覧(国土交通省のページ)
>>>技術的助言が掲載されると思われる国土交通省のページ

まとめ

  • 2024年4月1日の建築確認申請から申請書第4面が変更となる。
  • 5.欄の主要構造部、6.欄の法第21条等のチェック欄が変更となる。
  • 耐火建築物や大規模木造(3,000㎡超)の主要構造部の一部で木造あらわし(2024年4月に施行される新たな規定を適用)を行う場合に対応する。
  • また、今回の改正により主要構造部は「特定主要構造部」と「損傷を許容する主要構造部」に分かれた。詳細はこちら:https://www.mlit.go.jp/jutakukentiku/build/r4kaisei_kijunhou0004.html
  • 2024年4月1日から適用される新様式はこちら。






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YamaKen都市計画(まちづくり)を通じて都市を美しくしたい人
【資格】一級建築士、一級建築基準適合判定資格者、宅建士など 【実績・現在】元国と地方自治の役人:建築行政・都市計画行政・公共交通行政・まちづくりなどを10年以上経験 / 現在は、地元でまちづくり会社を運営し、都市に関わるコンサルタントや住宅設計、執筆活動を行っています。