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建築物の所有者(管理者)が行うべき維持保全計画とは?[平成30年建築基準法改正]

本記事について
  1. 維持保全計画の作成が必要な建築物のまとめです。
  2. 平成30年の法改正に伴う新たな用途の追加についてもあわせて解説します。

こんにちは。やまけんです。

今回は、建築基準法第8条第2項の規定に基づく「維持保全に関する準則又は計画の作成等を要する建築物」についての解説となります。

また、平成30年6月27日に公布された改正建築基準法における新たな建築用途の追加についても触れて解説したいと思います。




はじめに(法律の規定)

そもそも、建築基準法において「維持保全」とは、次のとおり規定されています。

(維持保全)
第8条 建築物の所有者、管理者又は占有者は、その建築物の敷地、構造及び建築設備を常時適法な状態に維持するように努めなければならない

ですので、普段は特に何もしていないのが建物管理ですが、本来は、この規定のように、適法な状態に維持するよう努める必要があるのです。

次は、維持保全計画についてです。

(法第8条第2項)
 第12条第1項に規定する建築物の所有者又は管理者は、その建築物の敷地、構造及び建築設備を常時適法な状態に維持するため、必要に応じ、その建築物の維持保全に関する準則又は計画を作成し、その他適切な措置を講じなければならない。この場合において、国土交通大臣は、当該準則又は計画の作成に関し必要な指針を定めることができる。

この規定とおり、維持保全計画の作成は”義務”ではないのです。

法の規定にあるとおり「必要に応じ」ですから、必ず作らなければならいものではありません。

国が定める指針は後で説明するとしまして、法第12条第1項とは何かというと、特定行政庁への「定期報告」が必要となる建築物をいいます。

その法第12条第1項ですが、以下のような本文となっており、カッコ書きが多いため、太文字だけ読んでください(笑)

(報告、検査等)
第12条 第6条第1項第1号に掲げる建築物で安全上、防火上又は衛生上特に重要であるものとして政令で定めるもの(国、都道府県及び建築主事を置く市町村の建築物(以下この項及び第3項において「国等の建築物」という。)を除く。)及び当該政令で定めるもの以外の特定建築物(同号に掲げる建築物その他政令で定める建築物をいう。以下この条において同じ。)で特定行政庁が指定するもの(国等の建築物を除く。)所有者(所有者と管理者が異なる場合においては、管理者。第三項において同じ。)、これらの建築物の敷地、構造及び建築設備について、国土交通省令で定めるところにより、定期に、一級建築士若しくは二級建築士又は建築物調査員資格者証の交付を受けている者(次項及び次条第3項において「建築物調査員」という。)にその状況の調査(これらの建築物の敷地及び構造についての損傷、腐食その他の劣化の状況の点検を含み、これらの建築物の建築設備及び防火戸その他の政令で定める防火設備(以下「建築設備等」という。)についての第3項の検査を除く。)をさせて、その結果を特定行政庁に報告しなければならない。

国や特定行政庁が指定する建築物や建築設備は、定期的な調査を行なって特定行政庁へ報告する必要があります。

法第12条第1項建築物

対象となる建築物は、「政令で指定する建築物」と「特定行政庁が指定する建築物」です。

詳しくは、東京都や大阪市、横浜市などのホームページで「〇〇市 定期報告」と検索すれば出てきます。(当ブログで紹介するよりも、特定行政庁が紹介するページの方が詳しいので、省略しちゃいます・・・)

でもって、次は、平成30年の法改正に伴う、新たな用途の追加です。

平成30年改正に伴う追加の建築物用途・規模

平成30年12月7日のパブリックコメントにより公表された内容によると、次の建築物の用途が追加されました。

法別表第一(い)欄(五)・(六)項に掲げる用途に供する特殊建築物
用途に供する部分の床面積の合計:3,000㎡を超えるもの

※倉庫、自動車車庫、自動車修理工場、映画スタジオ、テレビスタジオ改正法の概要説明資料によるとこんな感じです。

※出典:「平成30年改正建築基準法に関する説明会(第1弾)国土交通省」
ちなみに、資料では、「維持保全計画の作成が必要となる建築物等」となっていますが、法では、”必要に応じ”となっていて、計画の作成自体が努力義務となっていないことがとっても気になるんです。
”必要に応じ”という文言が無い方が良い気がします。

維持保全に関する準則又は計画の指針は告示に規定

法第8条第2項の規定に基づく、維持保全に関する準則又は計画の作成に関し必要な指針は告示(昭和60年3月19日建設省告示第606号)に規定されています。

それから、そもそも「準則」って何?

準則
とは、告示において、維持保全計画を作成する権限を有する者が複数ある場合において、計画相互の整合性を確保する必要があると認められるときに、それらの者の合意により当該建築物について作成するもの。でもって、定める事項は、「計画相互の整合性を確保する上で必要であると認められる事項」となっていて、”計画”において定める事項のうちから必要なものを記載します。

計画は、告示において、維持保全を行う上で採るべき措置を定める必要があると認められる場合において、当該建築物の所有者又は管理者が当該建築物又はその部分について作成するもの。

でもって、定める事項は次のとおり。

項目 事項
建築物の利用計画 建築物又はその部分の用途等、将来の増
維持保全の実施体制 維持保全を行うための組織、維持保全義務の委託、建築士その他専門技術者の関与等に関する事項
維持保全の責任の範囲 計画作成者の維持保全の責任範囲に関する事項
占有者に対する指導等 建築物の破損時等における通報、使用制限の遵守等に関する事項
点検 点検箇所、点検時期、点検者、点検に当たっての判断基準、結果の報告等に関する事項
修繕 修繕計画の作成、修繕工事の実施等に関する事項
図書の作成、保管等 維持保全計画書、確認通知書、竣工図、設備仕様書等の作成、保管、廃棄等に関する事項
資金計画 点検、修繕等の資金の確保、保険等に関する事項
計画の変更 計画の変更の手続き等に関する事項
その他 前各号に掲げるもののほか、維持保全を行うため必要な事項

(補足)定期報告における点検記載事項と維持保全計画は直接的には規定が違うものですので、注意が必要です。

定期報告は、「平成20年3月10日国土交通省告示第282号」に規定されいるので、告示を読みこなせる方はご覧ください。

定期報告に関しては、建築士に委託するのが通常です。
オーナーの方は、建築士から受けた報告内容をもとに、どのように維持保全していくか計画を立てていくことが重要です。

何かあってからでは遅いので、利用者の危険につながるような破損箇所などは早めに対処しておいた方が良いですね。

まとめ

今回は、維持保全に関する計画について解説しました。

ここまでお読みいただきありがとうございました٩( ‘ω’ )و






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ABOUT US
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YamaKen都市計画(まちづくり)を通じて都市を美しくしたい人
【資格】一級建築士、一級建築基準適合判定資格者、宅建士など 【実績・現在】元国と地方自治の役人:建築行政・都市計画行政・公共交通行政・まちづくりなどを10年以上経験 / 現在は、地元でまちづくり会社を運営し、都市に関わるコンサルタントや住宅設計、執筆活動を行っています。