こんにちは。やまけん(@yama_architect)といいます^ ^
YamakenBlogでは、建築や都市計画、不動産に関して業務に役立つ豆知識を発信しています♪
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住宅建築に後悔しない為に
マイホームの建築といえば、一生に一度か多くても二度くらいしかない、貴重な体験であると同時に、住宅ローンなどの大きなリスクを抱える人生の中で最重要な位置にあると言っていいくらいの出来事ですよね。
ですが、そういうときに決まって、引き渡しを受けた後に、「あっ、ここ失敗した」という部分が必ず出てきます。どうしても、100%素晴らしい住宅建築なんてものは無理です。
というか、人生の歩みの中でご自身の生活スタイルが日々少しずつ変化していくため、”常に、生活を便利にしてくれる、生活を豊かにしてくれる住宅”が手に入るなんてことは、かなり難しいと思ってください。
家は簡単にはリフォームできませんが、住む人の生活は常に変わっていきます。
ですが、なんとか住宅建築には失敗したくないと思っている方向けにこれだけは参考にした方が良いと思うところをわたしの経験をもとに記事にしてみました。
2階て以上
首都圏や大阪、京都などに住宅建築を考えている方は、土地が狭小であることが多いため、2階建て、3階建てとせざるを得ないは仕方ないのかなと思います。
しかしながら、土地がある程度確保できて、建築コストにも余裕があるのであれば、平家にするべきです。
そう、、、「するべき」です。
隣の家が2階建てだから、見下ろされないためとかどうでもいいです。
将来、子供達が家を出ていった後のことを考えてみてください。
「2階を使いますか?」
必ずと言っていいほど、将来、物置か、物置に近い形になるはずです。
しかも、2階部分のメンテンスが行き届かなくなってみてください、非常に荒れます。
民泊をできるような仕様にすれば別ですけど、大半はしないでしょ・・・
でも、子供を育てるうちは戸建住宅がいいし、2階がないと必要な床面積を確保できないと考えていて、建築コスト的に平家にすることができない。と思っている方、それは間違いです。
要は、一つの部屋の面積を小さくするか、無駄な動線等(意味の無い廊下やデッドスペース)を無くせばいいだけです。
ただし、それが一番難しいんですが・・・笑
マンションは最適化した間取りプランになっているので、賃貸マンションが一番いいんじゃないかと思ってしまうことがあります。
戸建派なら、平家が最適です。
敷地形状によっては、3階建て以上が最適な場合もあるので、一概には言えないことでもあります。
そのため、まずは平家で計画してみて、それでも必要な床面積が足りない場合は、2階以上にしてみましょう!!
吹き抜け
2階建てや3階だと憧れてやってみたい吹き抜け・・・
開放的な気分を味わえるし、魅力的ですが、冬場に暖房コストが結構かかります。
何故かというと、熱は上に逃げるからです。
吹抜部分がリビングやダイニングだと、家族の憩いの場として考えていたスペースにおいて家族が団欒できなくなります。
コタツになってしまいますよ。
また、夏場は、吹き抜け2階部分とつながる居室がある場合、結構暑くなります。
吹き抜け一階部分で発生した熱が上に逃げていくため、冷房が無いと厳しいかなと思います。
ですので、吹き抜けはあまりお勧めしません。
公共建築や商業施設で、意匠的やデザイン性から吹き抜けを設ける以外、住宅では・・・
平屋なら、天井高を一般住宅よりも上げれば、少し開放的になりますので、最初に続き、戸建住宅であれば平家にした方がいいかも。
トイレが2階にもある
これ、良くあるんですが、2階にトイレ必要ですか?
私の基準が平家最高だと思っているので、ついつい言ってしまうのですが、2階部分のトイレ。
これ、将来、子供達がいなくなったら、絶対に使わなくなる。
メンテンスが大変だから、2階部分にしか寝室が無い場合を除いてやめておいた方が良い。
マンションの4LDKでもトイレは一つなのに、戸建住宅だと2つになるって変じゃありません?
確かに、2階にあれば、寝室からの距離も近くなるでしょうし、4人以上の家族であれば、朝の渋滞を回避できるかもしれません・・・それだけです。
そのためだけに、戸建住宅に2つも設置するのは経済性に優れないのは明白です。
隣地からの距離が近い
これは、狭小敷地や敷地いっぱいに建築したいときに計画してしまうことなのですが、やめた方がいい。
隣の人も隣地に近いからといって、隣地に近い部分に窓があると、生活音が気になってしまいます。
これは、防音性の高い窓にしたとしても聞こえてしまうので、極力、隣地からの距離は取った方が無難です。そういった住宅に限って、雪止めとか無いので、雪が隣地に落ちて、相手の家の所有物を壊してしまう可能性も高いです。
ご近所トラブル防止のためにも、隣地からの距離はとりましょう。
具体的には、1.5m以上は必須だと私は考えています。できれば、2m以上ですね。
2階建てにせざるを得ないのであれば、階あたりの面積を小さくして、3階や4階にした方がいいと思います。庭を有効に活用した方がいいです。
隣地の境界線から建築物との距離を取った方が良いです。
庭木の設置(虫が苦手な人)
庭づくりに憧れている方で虫が苦手な方には無理です。
絶対に虫が付かない木なんてのはありません。
手入れが大変なので、自分で管理することができない方はやめておきましょう。
庭木の管理を委託するならば、是非実施した方がいいです。
そのかわりに、人工芝や石、コンクリートを活用して外構工事を行なった方が無難です。
また、はじめは何ヶ月が住んでみてから、自分たちの生活動線を考慮した上で、庭(外構)の工事に着手した方が後悔が少なくなるので、まずは、家に住んでみてから外構工事を計画してみましょう!!
維持管理費を無視した設計
これが一番、重要かもしれません。
建てることに精一杯で、維持管理を後回しにしてしまったケースです。
これでは、建築物を綺麗に長く使うことが難しくなるため、維持管理(年間にどの程度、支出できるのか)を含めて建築コストを計画しましょう。
長期優良住宅であれば、維持管理を実施していくことになるので、資金的に余裕があるのであれば、お勧めです。
建物は自動車と一緒でしっかりとメンテナンスしないと綺麗に長く使用することはできません。
維持管理を含めて建築計画するようにしましょう。
将来、売却するかもしれないことを考えた方が良い
これは、住宅購入当初は、全く想像し得ないことですが、万が一に売らなければならない状態になったことを想定して、奇抜な建物デザインは極力、控えた方が無難です。
奇抜なデザインというのは、当初住宅を建築した方の趣味・嗜好が大きく反映されているため、その趣味・嗜好を好む人というのは中古市場において少ないことが想定されます。
市場規模が小さいということは、運よくマッチングしない限りは価格を低くするか売る方法はありません。
この内容は、絶対に、売らないという人は別ですよ。
もしかしたらを考えて、この仕様は「自分以外好まないのでは」と思ったら、他人に客観的に聞いてみるのもいいかもしれません。
四隅に筋交いが無いのは注意
これは木造住宅で、なおかつ、枠組み壁(壁で持たせている構造)では無い、在来軸組(柱・梁)の場合ですが、四隅に筋交いが無い場合は、構造的にバランスが悪い可能性があります。
平面図を確認して、あれ?大丈夫かなと思ったら、遠慮せず、担当の建築士に相談しましょう!!
まとめ
ということで後悔しないためのポイントを解説してきました。
- 2階建て以上 → なるべく平家
- 吹き抜け → 見た目重視ではなく温熱環境に配慮
- トイレが2階もある → 大家族でなければ1箇所でOK
- 隣地からの距離が近い → なるべく隣地から距離をとる(2m以上)
- 庭木の設置 → 虫嫌いなら芝などに
- 維持管理を無視した設計 → 建築はメンテナンスが大切
- 将来の売却を考慮 → 奇抜なデザインは避ける
- 四隅に筋交が無い → 在来軸組の場合には構造上の問題がないか建築士に確認
参考になれば幸いです^ ^
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