建築協定と地区計画の違い(法の主旨を読めばその意図が分かる)

皆さんが住んでいる地域には「建築協定」と「地区計画」のどちらが指定されていますか?
どちらも同じような内容と思っていませんか?
よくよく法律を読んでいくと、違うことに気づきます!

こんにちは。やまけんです!!

今回は、「建築協定」と「地区計画」の違いを解説します!

まずは、建築協定からみていきましょう!

建築協定の目的

建築協定は、建築基準法第69条に規定されています。

市町村は、その区域の一部について、住宅地としての環境又は商店街としての利便を高度に維持増進する等建築物の利用を増進し、かつ、土地の環境を改善するために必要と認める場合においては、土地の所有者及び借地権を有する者(土地区画整理法第98条第1項(大都市地域における住宅及び住宅地の供給の促進に関する特別措置法第83条において準用する場合を含む。次条第3項、第74条の2第1項及び第2項並びに第75条の2第1項、第2項及び第5項において同じ。)の規定により仮換地として指定された土地にあつては、当該土地に対応する従前の土地の所有者及び借地権を有する者。以下「土地の所有者等」と総称する。)が当該土地について一定の区域を定め、その区域内における建築物の敷地、位置、構造、用途、形態、意匠又は建築設備に関する基準についての協定(以下「建築協定」という。)を締結することができる旨を、条例で、定めることができる。

つまり、どういうことかというと、「良好な住宅街や商店街などを形成したい場合には、建築物等の構造等について一定のルールを権利者同士で定めることができるよ」ということ。
そして、それを定めるには、この条項に基づく条例を市町村でつくってねということ。

市町村がこの法第69条に基づく建築協定条例をつくらないと、住民達はこの法律に基づく「建築協定」を締結することができません。

建築協定条例がなければ、住民同士で建築物のルールを定めても、ただの任意協定もしくは街区形成ガイドラインみたいなものになってしまいます。

ここまでをまとめると、「建築協定」を締結する前提として市町村が建築基準法第69条に関する条例を制定しなければならないということです。

では、次に「建築協定」は誰が誰に提出するかです。

建築協定の認可について

建築協定は、土地の所有者等(土地の所有者、借地権者)の全員の合意を持って建築協定書を作成して、特定行政庁の認可を受けなれければならないとされています。

そう協定は認可なんです。
しかも、認可者は市町村ではなく、特定行政庁です。

ここで重要なことは、全員の合意が必要ということです。

これは、建築協定の内容を変更する場合も同じです。
なお、廃止する場合には、過半数の合意で良いとされています。

建築協定で定められる内容について

建築協定書には、「建築協定区域」、「建築物に関する基準」、「協定の有効期間」、「協定違反があった場合の措置」を定める必要があります。
また、一般的には、協定書に運営委員会についても定めているのが通例だと思われます。
この運営委員会は、土地の所有者等によって構成されるもので、協定区域内における協定に関わる行為等あった際の審査や、違反者に対する指導などを行うことなります。

お分かりかと思いますが、建築協定違反があった場合の措置を定めるとされています。
つまり、建築協定に違反があっても、それは建築基準法において指導するのではなく、建築協定を運営する運営委員会が行うということです。

このことは、建築基準法に基づく「協定」であっても、協定に法的拘束力を持たせるものではなく、あくまでも住民同士の自主的なルールにとどまっていると言ったらいいかもしれません。
なお、日本では、郊外の住宅団地が造成される際に、住宅団地を造成した企業がそのエリアの良好な街並みを形成するため(多様な建築物の用途の混在や無秩序な街並みの形成によって街のブランド力低下を招かないようにするため)に定めている場合が多いように思います。

昔からある市街地で建築協定を行うには、住民同士の調整があるのでほぼ不可能と言っていいと思います。
様々な利害を一致させるには至難の技だということです・・・想像したら分かりますよね〜笑

では次に、地区計画についてです。

地区計画の目的とは

(都市計画法第12条の5第1項抜粋)
地区計画は、建築物の建築形態、公共施設その他の施設の配置等からみて、一体としてそれぞれの区域の特性にふさわしい態様を備えた良好な環境の各街区を整備し、開発し、及び保全するための計画とし、次の各号のいずれかに該当する土地の区域について定めるものとする。

地区計画は、都市計画決定なんです。
ここがとっても重要なんです。

そして、地区計画には、次の内容を定める必要があるとされており、それが地区施設と地区整備計画です。

(都市計画法第12条の5第2項第一号)
主として街区内の居住者等の利用に供される道路、公園その他の政令で定める施設及び建築物等の整備並びに土地の利用に関する計画

建築協定との大きな違いはこれです。
道路や公園、緑地、広場等の施設については、建築協定では定めません。
建築協定はあくまでも、”建築物の●●”ですから、道路等は関係してこないんです。

こういった公益性のある施設を定めることから、都市計画決定となっているとも言えます。
都市計画決定ですので、自治体が定めることになります。
そして、都市計画決定にあたっては、住民の全員合意は不要です。

都市計画決定については、こちらの記事をご覧ください。
都市計画とは?どういったものが都市計画決定なのか(ブログ内リンク)

続いて、地区整備計画ですが、この地区整備計画で定めることができるとされている内容についてが建築協定と同様の事項なっています。詳しくは、都市計画法第12条の5第7項をご覧ください。(同項については、細かすぎるので、この記事では掲載しません・・・すみません)

地区計画の届出とは

建築協定とは違い、地区計画は都市計画決定になるので、運営委員会なるものはありません。
地区計画区域内に建築等を行う場合には、自治体への届出が必要となります。
また、地区計画を建築基準法に基づく条例化を行っている場合には、届出は不要となり、建築確認申請の中で審査されることになります。

届出について知りたい方はこちらの記事をご覧ください。
地区計画の届出について(届出が必要となるケース、届出不要のケース)(ブログ内リンク)

まとめ

両方の違いを簡単にまとめてみました。
羅列するだけは分かりにくいかもしれませんので、ざっくりこんな感じですね。

◇法令
建築協定:建築基準法
地区計画:都市計画法

◇協定・計画の決定者
建築協定:住民同士で建築協定書を作成し、特定行政庁から認可を受ける。
地区計画:説明会等を開催し住民の理解を受けた上で、自治体が都市計画決定を行う。

◇概要
建築協定:一定の区域内において建築物に関する用途や意匠、構造等に住民同士のルール
地区計画:一定の区域内において建築物の用途等のルール及び道路や公園等の施設整備など

◇期限
建築協定:建築協定書内で定める
地区計画:期限無し

なんとなーく違いは分かりましたでしょうか?
一度、自分が住んでいる土地について、調べてみるとこんな街なんだ!という発見があるかもです。

今回も最後まで読んで頂きありがとうございました!