排煙設備の構造の解説

今回は、排煙設備の構造基準(建築基準法施行令第126条の3)に関する解説です。
この規定って、分かっているようで案外難しいですよね。
ですので、全部ではないですが、端的に解説にします。

こんにちは。やまけんです!!

このブログも昨年7月にはじまって、様々な解説を行なってきましたが、排煙設備の規定については行なっていませんでした。というか、あまり「こういうの解説して!!」って要望がないので、自分が気になったところだけを自分が理解できるように解説している感じなのです。笑

では、今回は、建築基準法施行令第126条の3の解説でーす♪

建築基準法施行令第126条の3

今回は施行令の記載と簡単な解説メモです。

一 建築物をその床面積500㎡以内ごとに、防煙壁で区画すること。
→500㎡以内ごとに区画すること、そして、「防煙壁」(防煙壁、天井面から50㎝以上下方に突き出した垂れ壁その他これらと同等以上に煙の流動を妨げる効力のあるもので不燃材料で造り、又は覆われたもの)により区画する必要があります。

→よくある防煙壁の製品としては、網入り(線入り)ガラス(垂れ壁)ですかね、比較的規模の大きい店舗において、天井に注目すると透明なガラス製のものを見ることができます。
→もちろん壁でもOKです。

→なお、排煙告示緩和と排煙区画の取り合い部については、法律に明確にこうしなさいという規定はないです。ただし、排煙設備は、煙を外に逃がすことが目的ですし、告示緩和の場合には、煙の発生源からその他の区画に移らないようにすることが重要ですから、煙の流動が無いように設計することが肝要ですよね。
この取り合いについては、特定行政庁ごとに考え方が異なったりしますが、基本的な考え方としては、「建築設備設計・施工上の運用指針(日本建築行政会議、日本建築設備・昇降機センター )」を参考にするといいと思います。

二 排煙設備の排煙口、風道その他煙に接する部分は、不燃材料で造ること。
→つまり、排煙窓は不燃材料で造りなさいということ。木材は基本的にOUTですね。
ただし、木材でも不燃材料の認定品であればOKです。
これは解説する意味があまり無いのでこの程度の紹介とします。

三 排煙口は、第一号の規定により区画された部分(以下「防煙区画部分」という。)のそれぞれについて、当該防煙区画部分の各部分から排煙口の一に至る水平距離が30m以下となるように、天井又は壁の上部(天井から80㎝(たけの最も短い防煙壁のたけが80㎝に満たないときは、その値)以内の距離にある部分をいう。)に設け、直接外気に接する場合を除き、排煙風道に直結すること。
→排煙区画のどの部分からでも排煙窓までの距離は30m以内にしなさいということ。

→排煙窓は、排煙区画する壁(垂れ壁)の天井から下方50㎝以上80㎝以内が有効。下線部分も注意が必要

→この規定が排煙区画する際に重要なポイントになりますね。小規模の建築物ならいいですが、大規模でこれをミスると排煙区画の検討は最初からやり直しです・・・天井の高さが一定で無い場合や、告示緩和との関係で煩雑にならないよう設計することが重要です。

四 排煙口には、手動開放装置を設けること。
→これが、窓を開けるための設備のことです。ひも(ワイヤー)だったり、押しボタン式のものをあったりします。
→物販店舗などで、「あっ、ひも引っ張れないとこにある・・・」ってことがたまに遭遇します。
ですので、店舗管理者の皆さんは注意しましょう。

五 前号の手動開放装置のうち手で操作する部分は、壁に設ける場合においては床面から80㎝以上1.5m以下の高さの位置に、天井からり下げて設ける場合においては床面からおおむね1.8mの高さの位置に設け、かつ、見やすい方法でその使用方法を表示すること。
→手動開放装置は、壁又は天井吊り下げの場合の高さの位置を規定しています。
壁の場合:床面から800㎜〜1,500㎜、天井の場合:床面から1,800㎜

さらに、使用方法も表示することになっています。(恐らく、これがいつの間にか守られなくなってしまうんじゃないでしょうか。)

六 排煙口には、第四号の手動開放装置若しくは煙感知器と連動する自動開放装置又は遠隔操作方式による開放装置により開放された場合を除き閉鎖状態を保持し、かつ、開放時に排煙に伴い生ずる気流により閉鎖されるおそれのない構造の戸その他これに類するものを設けること。
→通常は閉鎖状態を保持できて、なおかつ、開放時に煙により閉鎖されることがないようにしないというものです。この規定は、サッシメーカーで対応しているはずです。

七 排煙風道は、第115条第1項第三号に定める構造とし、かつ、防煙壁を貫通する場合においては、当該風道と防煙壁とのすき間をモルタルその他の不燃材料で埋めること。
→排煙風道を設ける場合は、煙突の基準に適合するようにしなければならないとする規定です。

→排煙風道が防煙壁を貫通する場合は、処理を不燃材料でしなさいとするものです。

八 排煙口が防煙区画部分の床面積の50分の1以上の開口面積を有し、かつ、直接外気に接する場合を除き、排煙機を設けること。
→これも重要な規定ですね。排煙区画の床面積の50分の1以上の排煙開口部が必要という規定です。
なお、排煙窓が直接外気に接していない場合は、排煙機の設置が必要です。
その排煙機については、次の九号、十号に規定されています。

九 前号の排煙機は、一の排煙口の開放に伴い自動的に作動し、かつ、1分間に、120m以上で、かつ、防煙区画部分の床面積1㎡につき1m3(2以上の防煙区画部分に係る排煙機にあつては、当該防煙区画部分のうち床面積の最大のものの床面積1㎡につき2m)以上の空気を排出する能力を有するものとすること。
十 電源を必要とする排煙設備には、予備電源を設けること。

十一 法第34条第2項に規定する建築物又は各構えの床面積の合計が1,000㎡を超える地下街における排煙設備の制御及び作動状態の監視は、中央管理室において行うことができるものとすること。
→高さ31mを超える建築物等の排煙設備の制御等は中央管理室で行うものとされています。
中央管理室とは、施行令第20条の2第二号に規定されています。

十二 前各号に定めるもののほか、火災時に生ずる煙を有効に排出することができるものとして国土交通大臣が定めた構造方法を用いるものとすること。
→昭和45年建設省告示第1892号が告示となります。主に排煙設備の電気配線にかかる規定です。

2 前項の規定は、送風機を設けた排煙設備その他の特殊な構造の排煙設備で、通常の火災時に生ずる煙を有効に排出することができるものとして国土交通大臣が定めた構造方法を用いるものについては、適用しない。
→第1項の規定によらなくても告示(平成12年建設省告示第1437号)の構造方法でもよいとされている規定となります。あまり使わないというかほぼ使わない。

ここまでが排煙設備の規定についての解説となります。
一部紹介っぽくなってしまった部分がありますが、ご容赦ください。

簡単に解説しましたので、もっと詳しく知りたい方は、「建築設備設計・施工上の運用指針」や「防火避難規定の解説」、「建築確認申請MEMO」などを読まれることをお勧めします。

それでは今回も最後までお読みいただきありがとうございました!!