用途地域の建築制限を覚えるための勉強法を分かりやすく解説

こんにちは。やまけん(@yama_architect)です!!
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宅地建物取引士試験において「法令上の制限」として出題される都市計画法ですが、そのうち、用途地域の建築制限については、日常の仕事で馴染みがない方だと覚えるのは辛いですよね。
「なんだよこれ」って・・・思うはずです。

実際、実務になると用途地域の建築制限を使用するんですが、不動産業界に就職しない人でも自己研鑽のために受験されている方もいるかと思います。

最近のテキストは分かりやすく解説ばかりなので、テキストを使って毎日繰り返し勉強すれば過去問は解けるようになるかもしれません。しかし、それでは、せっかく覚えるのに意味がありません。

ということで、そのような方々のために、理解しやすいよう用途地域ごとのポイントを考えてみましたので参考にしてみてください。




用途地域とは

はじめに用途地域とは地域地区の一つです。

地域地区とは、都市計画法第8条に規定されており、同条第1項において一号から十六号までに、用途地域や高度利用地区、防火地域などが規定されていいます。以下に地域地区の種類を掲載しましたので参考にしてみてください。

このうち、用途地域が一号に規定されています。
用途地域も都市計画の一手法に過ぎないことが分かると思います。

ちなみに、多くの都市で使用している地域地区は、用途地域、特別用途地区、高度利用地区、防火地域、準防火地域、臨港地区、生産緑地地区など

都市計画法第8条
(地域地区)
種類
一号第一種低層住居専用地域
第二種低層住居専用地域
第一種中高層住居専用地域
第二種中高層住居専用地域
第一種住居地域
第二種住居地域
準住居地域
田園住居地域
近隣商業地域
商業地域
準工業地域
工業地域
工業専用地域
二号の二特別用途地区
二号の三特定用途制限地域
二号の四高層住居誘導地区
三号高度地区、高度利用地区
四号特定街区
四号の二都市再生特別地区、居住調整地域、居住環境向上用途誘導地区、特定用途誘導地区
五号防火地域、準防火地域
五号の二特定防災街区整備地区
六号景観地区
七号風致地区
八号駐車場整備地区
九号臨港地区
十号歴史的風土特別保存地区
十一号第一種歴史的風土保存地区、第二種歴史的風土保存地区
十二号緑地保全地域、特別緑地保全地区、緑化地域
十三号流通業務地区
十四号生産緑地地区
十五号伝統的建造物群保存地区
十六号航空機騒音障害防止地区、航空機騒音障害防止特別地区

地域地区のうちの一つが現在13種類ある用途地域というわけです。

その用途地域ですが、都市計画法第9条において目的が規定されています。

これを見るとなんとくそれぞれの用途地域の意味が分かるんですが、結局何をどう覚えればいいのか混乱するはずです。要はですね、建築基準法における制限の内容を確認しないと理解できないと思います。(おいおいっ!!って思った方すみません)

ですので、右欄の記載内容を見て頂くと理解しやすいかも。です。笑

用途地域を理解しやすくなるかもポイント

表の見方としては、上から順に制限が緩くなっていく感じです。なお、田園住居は二低層の下に位置きます。また、工業系用途は上から順に制限が厳しくなっていきます。

用途地域用途地域の目的理解しやすくなるかも欄(ポイント)
第一種低層住居専用地域
(一低層)
低層住宅に係る良好な住居環境を保護・一番厳しい用途地域(居住環境の保護が目的)
・厳しい用途地域であるため住環境が確保されている(静かな暮らしを求めるならここ!)
・郊外の住宅団地の多くは一低層か、平成19年以前にやっちまった団地と言われる市街化調整区域
・住宅併用以外は、店舗や飲食店の単独建築は不可
・絶対高さ制限(10mまたは12m)が定められるので、基本的には3階以下の低層建築物のみ建築することができる
・住宅のほかは、学校(大学・専門学校等はダメ!)や神社、老人ホーム、保育所、診療所(病院ではない!)などが建築できる
第二種低層住居専用地域
(二低層)
主として低層住宅に係る良好な住居環境を保護・一低層で建築できるものは建築可能
・店舗や飲食店は2階以下かつ床面積150㎡以下であれば建築できる。つまり、一低層ではコンビニは建築できないけど、二低層であれば単独建築が可能
第一種中高層住居専用地域
(一中高)
中高層住宅に係る良好な住居環境を保護・一低層、二低層で建築できるものは建築可能
・大学や病院も建築可能
・店舗や飲食店は2階以下かつ床面積500㎡以下であれば建築できる
・自動車車庫も床面積が300㎡以下であれば可能
・事務所は建築不可(なんでやねん!)
・日常生活を考慮すると、第一種中高層が暮らしやすい
第二種中高層住居専用地域
(二中高)
主として中高層住宅に係る良好な住居環境を保護・上記3つの用途地域で建築することができる建築物用途は建築可能
・事務所が建築可能
・店舗や飲食店も床面積が1,500㎡までは建築可能
第一種住居地域
(一住)
住居環境を保護するため定める地域・店舗や飲食店も床面積が3,000㎡までは建築可能になる
・二種住居地域を少しだけ厳しくした用途地域
・ホテル(ラブホじゃない!)や旅館も建築可能
第二種住居地域
(二住)
主として住居環境を保護・店舗や飲食店も床面積が10,000㎡までは建築可能になる
・準住居地域をちょっと厳しくしただけ
準住居地域
(準住)
道路の沿道としての地域の特性にふさわしい業務の利便の増進を図りつつ、これと調和した住居環境を保護・自動車修理工場であれば床面積150㎡以下であれば建築可能(自動車修理工場以外は50㎡以下)
・劇場や映画館も床面積が200㎡未満であれば建築可能
・町工場と住宅、適度な娯楽が混在する地域と考えるといいかも
・もはや近隣商業地域とあまり変わらない
田園住居地域
(田住)
農業の利便の増進を図りつつ、これと調和した低層住宅に係る良好な住居の環境を保護・基本的には二低層に農業用施設を建築可能とする地域(一種低層では農業倉庫は建築できませんが、田園住居であれば建築できる)*なぜか準住居地域の次に列挙されている謎!
・平成30年4月1日に施行された新しい用途地域!
・農産物を販売する店舗や飲食店は床面積が500㎡以下であれば建築可能
近隣商業地域
(近商)
近隣の住宅地の住民に対する日用品の供給を行うことを主たる内容とする商業その他の業務の利便を増進・商業地域との違いは風営法関係施設(キャバレークラブ、料理店など)が建築不可能
・幹線道路沿いや小規模な市街地で見られる
商業地域
(商業)
主として商業その他の業務の利便を増進・商業のための地域なので、商業施設の床面積に制限はありませんし、風営法系施設も建築することができるようになっている。危険な工場以外は建築可能
・ホテルや旅館も建築可能です。
・中規模以上の都市の駅前は商業地域
準工業地域
(準工)
主として環境の悪化をもたらすおそれのない工業の利便を増進・危険物系の物(火薬や危険薬品など)を扱う工場や風営法系施設以外はなんでもあり
・この用途地域がコンパクトシティ政策を邪魔している。中心市街地活性化基本計画を定めている都市では準工業地域に特別用途地区(床面積が1万㎡を超えの商業施設の立地を制限)を制定している
工業地域
(工業)
主として工業の利便を増進するため定める地域・ホテルや旅館、学校、病院などは建築不可
・工業専用地域との違いは、住宅系施設が建築可能となっている。そのため、この工業地域に立地している住宅は大規模な工場や大型物流倉庫の立地と隣り合わせ、若しくは既に立地し混在しているため、住環境が良いとは言えません。建築士としてはオススメしない。
工業専用地域
(工専)
工業の利便を増進するため定める地域・もちろん工場立地のための地域。
・住宅や老人ホーム、店舗、飲食店も当然ダメ(ただし社内食堂や保育所はOK)。






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