「排煙規定の別棟みなし適用の範囲が拡大」されるようなんです。
というのも、平成30年改正建築基準法に関する説明会(第2弾)の資料を見ていたら、「そうなるのか、知らなかった・・・」ということがありました。笑
こんにちは。やまけんです!!
それでは、排煙設備規定の改正に内容について見ていきたいと思います。
改正の概要
② 排煙設備の設置に関する別建築物みなしの基準(令第126条の2第2項・令第137条の14第三号)
排煙設備の設置基準において別建築物とみなす基準については、現行基準では「開口部のない準耐火構造の床又は壁」か「遮煙性能を有する防火設備」で区画することを条件としているが、蓄煙の効果を有する天井の高いアトリウム等の大空間を介して接続する建築物の部分も別の建築物とみなすものとする。
なお、当該部分については、既存不適格建築物の増築等に際しても同様に、排煙設備の規定の適用上、別の建築物とみなすことができる部分(独立部分)とする。
※出典:平成30年改正建築基準法に関する説明会(第2弾)
国土交通省の資料によると、アトリウム(※1)等の物品の存置が想定されない大空間を対象に、廊下などの出火のおそれの少ない室を緩衝帯として居室が面している場合については、一定の基準(※2)に該当する空間をもって、面積区間を構成する特定防火設備とみなす。
(※1)天井高が高く、大規模な空間(吹き抜け空間的なもの)
(※2)居室から上階への居室への延焼を防止するために必要な廊下幅や開口幅などの組み合わせなど
※出典:平成30年改正建築基準法に関する説明会(第2弾)
建築基準法施行令第126条の2第2項関係(排煙の別棟の考え方)に、アトリウム等の考え方が追加されることになるようですね。
これまでは、「開口部のない準耐火構造の床・壁」又は「遮煙性能を有する防火設備」で区画されていないと別棟とは見なさなかったですからねー、結構、大きな変更点ではないでしょうか。
これによって、設計の自由度が増す可能性は大いにありますね。
やっぱり、オリンピック関係なのかなぁと思います。
それか、木造建築物普及の観点からなのかな、、、大規模空間を有する木造建造物とか?
いずれにせよ、緩和になることは合理的ですし、良いことだと考えられます。
排煙別棟とみなす基準など
アトリウム等を介して接続する建築物については、建築物の一方の部分で煙が発生しても、他方に煙が侵入しない場合には、排煙規定の適用上は別棟とみなすこととなります。
法律に規定される内容の要旨としては、「排煙設備の設置基準において別建築物とみなす基準について、蓄煙の効果を有する天井の高いアトリウム等の大空間を介して接続する建築物の部分も別の建築物とみなすものとする。」となるようです。
アトリウム等の条件としては、「着火防止」、「蓄煙」、「排煙」、「防煙」の視点から、次のようなものを想定しているようです。
①着火防止
・火災発生のおそれが少ない用途に供するものであること。
・天井と壁の内装が準不燃材料であること。
②蓄煙
・一定の天井高さを有すること。※アトリウム部分の床面積に応じて決定
③排煙
・排煙設備が設けられていること
④防煙
・天井付近に防煙区画が設けられていること。※防煙区画の丈の長さは、排煙設備の能力に応じて決定
注意点
別棟とみなしても、面積区画のうち竪穴区画が不要となるわけではないため、別途、全館避難安全検証が必要となること。
また、特定防火設備とみなされるアトリウム(特定空間)である必要もあるようです。
特定空間とは、「アトリウム型の建築物において、面積空間における特定防火設備とみなすことができる空間」のことで、今回の政令改正により新たに加えられた文言となります。
面積区画において有効となる区画と排煙別棟区画の考え方が混同してしまい、説明会の資料だけを見ても理解が難しい状況になっていると思います。笑
政令の文言が示されれば、このサイトでも丁寧に解説しようと考えています。
ではでは、最後までご覧頂きありがとうございました。
令和元年10月27日追記
来年4月1日を施行予定とするパブリックコメントが実施されています。
詳しくはこちらの記事をご覧ください。
今後は、パブリックコメントでの意見を踏まえ、年内に公布、来年4月1日に施行が予定されています。