特例容積率適用地区とは?[都市計画法の解説:宅建士試験向け]

こんにちは。建築士のやまけんです(^^)

今回は、「特例シリーズ」のうち、「特例容積率適用地区」の紹介です。

「特例」もあり「容積率」もありで・・・はじめは「はぁ?」となると思います。

間違いないでしょう。笑

でも、宅建士試験では避けては通れない試験問題ですので、概要だけでも覚えておくがのいいと思います。

そもそも、全国でどの程度指定されているの?

一箇所です!!

激レアでしょ。うん。

どこだと思います?

千代田区・中央区(東京駅周辺)です。しかも東京一箇所のみ。
※出典:平成29年3月31日都市計画現況調査(国土交通省)

面積は、116.7haです。

ちなみに東京駅周辺で活用している例として、東京駅の未利用容積率を他に移転させるということを行なっています。
▶︎JR東日本プレスリリース(外部リンク)

だからですねー、実務的にはこの「特例容積率適用地区」に遭遇することはほぼないんですよ。

ですから、基本的には概要だけ覚えればOKです。

特例容積率適用地区とは?

では、法律の概要だけを理解しましょう。

[都市計画法第9条第16項]
特例容積率適用地区は、第一種中高層住居専用地域、第二種中高層住居専用地域、第一種住居地域、第二種住居地域、準住居地域、近隣商業地域、商業地域、準工業地域又は工業地域内の適正な配置及び規模の公共施設を備えた土地の区域において、建築基準法第52条第1項から第9項までの規定による建築物の容積率の限度からみて未利用となっている建築物の容積の活用を促進して土地の高度利用を図るため定める地区とする。

Exceptional floor area ratio districts — adequately situated and located in category 1 medium-rise exclusive residential districts, category 2 medium-rise exclusive residential districts, category 1 residential districts, category 2 residential districts, quasi-residential districts, neighborhood commercial districts, commercial districts, quasi-industrial districts, industrial districts, or exclusive industrial districts that contain land on which public facilities stand — are districts designated to promote high-level land use by utilizing building floor area deemed unused pursuant floor-area ratio limits provided for in paragraphs (1) through (9), Article 52 of the Building Standards Act.

○「特例容積率適用地区」を定めることができる用途地域

第一種中高層住居専用地域、第二種中高層住居専用地域、第一種住居地域、第二種住居地域、準住居地域、近隣商業地域、商業地域、準工業地域、工業地域

ですので、第一種低層住居専用地域、第二種低層住居専用地域、田園住居地域、工業専用地域には指定することはできない規定になっています。

 

また、都市計画で定めただけでは意味がないんです。
建築基準法第57条の2の規定に基づき、特定行政庁から指定を受ける必要があります。
都市計画運用指針を読むと、概要が分かるように記載されているので、引用記載しますね。

[都市計画運用指針(抜粋)]
建築基準法第57条の2の規定により、土地所有者等の申請 に基づき、特定行政庁が複数の敷地について、これらの敷地に係る容積の限度の和が、 同条第3項第1号に規定する基準容積率による容積の限度の和を超えない範囲内において、それぞれの敷地に適用される特別の容積率の限度を指定することにより、敷地間の容積の移転が可能となる。

要は、先ほどのJRのプレスリリースのように、容積率を移転することができるというわけです。
かなりスペシャルな手法ですよね。

では、都市計画でどういった内容を定めるかですが、都市計画法では次のように規定されています。

都市計画で定める内容と決定権者

○都市計画で定める内容
「建築物の高さの最高限度(当該地区における市街地の環境を確保するために必要な場合に限る。)」

○都市計画を決定する者
「市町村」になります。

まとめ

もうまとめになってしまいましたが、この「特例容積率適用地区」・・・これ以上解説しても、深すぎて、宅建士の勉強向けには、あまり意味をなさないので、、、今回はここまでとさせてください。

繰り返しになりますが、
宅建士の試験には概要程度でも出る問題なので、覚えておく必要がありますが、実務上は遭遇することは稀です。

それでは、最後までご覧いただきありがとうございました。

 

 

 

 






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YamaKen都市計画(まちづくり)を通じて都市を美しくしたい人
【資格】1級建築士、建築基準適合判定資格者、宅建士など 【実績・現在】元役人:建築・都市計画・公共交通行政などを10年以上経験 / 現在は、まちづくり会社を運営:建築法規・都市計画コンサル,事業所の立地検討,住宅設計など