避雷設備(避雷針)の設置基準ー建築基準法における高さの捉え方

今回は「避雷設備(避雷針)」の設置基準と、避雷設備(避雷針)の建築基準法における高さの捉え方(算入・不算入の有無)についてです。
解説と言っても、紹介なので参考情報と思われてしまうかもしれませんが、ひととおり、分かりやすく記事にしました。

こんにちは。建築士のやまけんです^ ^

それでは、今回は、「避雷設備(避雷針)」について、解説していきます。

*タイトル写真(Free-PhotosによるPixabayからの画像)

避雷設備の設置が必要となる建築物

[建築基準法第33条]
高さ20mをこえる建築物には、有効に避雷設備を設けなければならない。ただし、周囲の状況によつて安全上支障がない場合においては、この限りでない。

建築物の高さが20mを超える建築物には、避雷設備の設置が必要になります。

注意点は「高さ」の捉え方です。

ここでいう「高さ」については、施行令第2条第1項第六号イの規定により、階段室、昇降機塔、装飾等、物見塔などの屋上部分を含みます。

[建築基準法施行令第2条第1項第六号 抜粋]
六 
建築物の高さ 地盤面からの高さによる。ただし、次のイ、ロ又はハのいずれかに該当する場合においては、それぞれイ、ロ又はハに定めるところによる。
イ (略)
ロ 法第33条及び法第56条第1項第三号に規定する高さ並びに法第57条の4第1項、法第58条及び法第60条の3第2項に規定する高さ(北側の前面道路又は隣地との関係についての建築物の各部分の高さの最高限度が定められている場合におけるその高さに限る。)を算定する場合を除き階段室、昇降機塔、装飾塔、物見塔、屋窓その他これらに類する建築物の屋上部分の水平投影面積の合計が当該建築物の建築面積の8分の1以内の場合においては、その部分の高さは、12m(法第55条第1項及び第2項、法第56条の2第4項、法第59条の2第1項(法第55条第1項に係る部分に限る。)並びに法別表第四(ろ)欄2の項、3の項及び4の項ロの場合には、5m)までは、当該建築物の高さに算入しない

 

例えば、階段室や昇降機等を含めなければ20mを超えないが、階段室を含めると20mを超える場合には、法的に避雷設備(避雷針)の設置が必要になるということです。

なお、避雷設備(避雷針)の高さ算入の有無については、建築基準法施行令第2条第1項第六号ハの「装飾、防火壁の屋上突出部」に該当するという技術的助言が発出されているため、建築物に高さ自体には算入しません。

上記のポイントの頭の中でちゃんと整理しないと、建築物の高さには避雷設備は該当しないから、建築物の高さが20mを超えていないので、避雷設備の設置は不要になると考えてしまう場合があります。
あくまでも、”避雷設備の設置が必要となる建築物の高さの考え方”は同号のロに規定されているということだけ覚えましょう。

避雷設備の設置基準は、工作物にも準用される

建築基準法第88条第1項の規定により、「建築基準法第33条(避雷設備)は準用される」ので、煙突、広告塔、高架水槽、擁壁、昇降機等で高さが20m超える工作物は、避雷設備の設置が必要となります。

※仮に擁壁で20mを超える場合はないですけど、擁壁でRCや石以外はあり得ないので、必要な規定なのだろうかと疑問に思うことはあります・・・

避雷設備の構造


*写真(Erich WestendarpによるPixabayからの画像)

避雷設備の構造は、建築基準法施行令第129条の15に規定されています。

避雷設備の構造[建築基準法施行令第129条の15]
前条の避雷設備の構造は、次に掲げる基準に適合するものとしなければならない。
一 雷撃によつて生ずる電流を建築物に被害を及ぼすことなく安全に地中に流すことができるものとして、国土交通大臣が定めた構造方法を用いるもの又は国土交通大臣の認定を受けたものであること。
二 避雷設備の雨水等により腐食のおそれのある部分にあつては、腐食しにくい材料を用いるか、又は有効な腐食防止のための措置を講じたものであること。

一号は、平成12年5月31日建設省告示第1425号「電撃によって生ずる電流を建築物に被害を及ぼすことなく安全に地中に流すことができる避雷設備の構造方法を定める件」です。

なお、この告示における避雷設備の構造については、日本工業規格A4201(建築物等の雷保護)ー2003に規定する外部雷保護システムに適合する構造 とされています。

詳しくは、JIS規格に基準が詳細に規定されているので、ご覧ください。

また、二号については、避雷設備の製品としては当然に必要となる部分ですので、一般的な規定と考えておけばいいと思います。

終わりに

今回の解説は、ここまでとなります。

なお、避雷設備は避雷しても、安全に地中に流すことを目的にしているので、法的な設置義務がなくても、建築物の高さが20mに近い場合は、落雷する可能性が高いので、周辺の建物の状況を踏まえた上で、設置検討した方が良いと考えます。

それでは、最後までご覧いただきありがとうございました。