準都市計画区域の意義[宅地建物取引士試験向けの解説]

今回は、「準都市計画区域」の解説です。
解説のポイントしては、
・準都市計画区域がある理由(意義)
・準都市計画区域に定めることができる都市計画 など

宅建士試験受験者向けに解説しているので、端的かつ区域の本質が分かるように記事を書いています。

こんにちは。建築士のやまけんです^ ^

それでは、準都市計画区域について解説していきます。

 

準都市計画区域が指定されている都市

はじめに、準都市計画区域が指定されている都市を見てみましょう!

現在※1、全国で45区域、42市町村で指定されています。

※1都市計画現況調査(平成29年3月31日)国土交通省

また、面積は約6万9千ha、約27万人が居住している状況です。

 

[指定している都市の事例]

・洞爺湖準都市計画区域

洞爺湖町では1,955haが指定されています。

指定された経緯(洞爺湖町ホームページ参照)を見ると次のようになっています。

[洞爺湖準都市計画区域指定の経緯]
近年、都市計画法の規制が働かない都市計画区域外で開発行為や建築行為といった都市的土地利用が多く見受けられるようになりました。

洞爺湖町は洞爺湖を一望できるなど景観に優れているため、以前から別荘などの建設が行われてきましたが、建物へ通じる道路が狭小であったり、上水道の未設置や除排雪等の問題が発生しております。

すぐれた景観資源を効果的に生かすため、無秩序な宅地等の開発造成を抑止しながら自然環境の保全に努め、総合的な土地利用を進める必要があります。

準都市計画区域は将来のまちづくりや、周辺環境の保全に支障が生じるような地区を指定し、土地利用の整序を行うことにしております。

これまでは、都市計画区域外で、都市的土地利用がなかったようですが、洞爺湖の優れた景観のためか、別荘建設が多くなり、無秩序な開発行為が増加したことが要因のようです。

都市計画区域を指定するほどの人口等の要件はないものの、無秩序が開発が進んでいて、このまま放置しては都市環境が悪化する場合に、一定の土地利用をコントロールすることができる準都市計画区域の指定により、土地利用制限を課して、環境の保全に努めることが目的のようですね。

準都市計画区域の意味

準都市計画区域は、都市計画区域外の区域において都道府県が指定するものです。

なお、指定する際は、市町村及び都道府県都市計画審議会の意見を聴くことになっています。
(法令上は、市町村都市計画審議会の意見ではないので留意)

都市計画運用指針を読むと、準都市計画区域の意味が良く分かるので掲載します。
重要なポイントを下線で引いています。

[都市計画運用指針 抜粋]
準都市計画区域は、積極的な整備又は開発を行う必要はないものの、一定の開発行為、 建築行為等が現に行われ、又は行われると見込まれる区域を含む一定の区域であって、 そのまま土地利用を整序し、又は環境を保全するための措置を講ずることなく放置すれば、用途の混在や農地転用に対する無用な圧力による不適切な農地の浸食等が生じ、又はモータリゼーションの進展等を背景とした散発的な都市的土地利用が発生するおそれがある等将来における一体の都市としての整備、開発及び保全に支障が生じるおそれがある区域について、これらの問題を避けるため、土地利用の整序又は環境の保全を行う制度である。
なお、ここでいう「環境」とは、将来における一体の都市として保全すべき都市環境という趣旨である。

都市計画区域を指定するほどの人口等の要件を有しないものの、放置すれば、都市的土地利用等が生じる恐れがあり、これにより近隣都市を含めて都市全体に問題が生じる場合に指定する感じだと覚えておけばいいかなと思います。

それでは、次に準都市計画区域で指定することができる都市計画の解説です。

準都市計画区域で指定することが可能な地域地区

都市計画法第8条第2項に規定されていて、法律では次のように記載されています。

[都市計画法第8条第2項]
準都市計画区域については、都市計画に、前項第一号から第二号の二まで、第三号(高度地区に係る部分に限る。)、第六号、第七号、第十二号(都市緑地法第五条の規定による緑地保全地域に係る部分に限る。)又は第十五号に掲げる地域又は地区を定めることができる。

 

準都市計画で指定可能な地域地区
第一号 用途地域
第二号 特別用途地区
第二号の二 特定用途制限地
第三号 高度地区(高度利用地区を除く)
第六号 景観地区
第七号 風致地区
第十二号 緑地保全地域
第十五号 伝統的建造物群保全地区

 

準都市計画区域では地区計画は指定できない理由

宅建士試験においては、準都市計画区域では、地区計画を指定できないとだけ覚えることになりますが、理由は簡単で、法律に規定されているからです。

都市計画法第12条の4については地区計画について規定されていますが、この地区計画、そもそも都市計画区域の中において指定することができるとされています。

(地区計画等)
第12条の4 都市計画区域については、都市計画に、次に掲げる計画を定めることができる
一 地区計画
二 密集市街地整備法第三十二条第一項の規定による防災街区整備地区計画
三 地域における歴史的風致の維持及び向上に関する法律(平成二十年法律第四十号)第三十一条第一項の規定による歴史的風致維持向上地区計画
四 幹線道路の沿道の整備に関する法律(昭和五十五年法律第三十四号)第九条第一項の規定による沿道地区計画
五 集落地域整備法(昭和六十二年法律第六十三号)第五条第一項の規定による集落地区計画

これが、準都市計画区域内において、地区計画を指定できない理由です。

終わりに

今回は準都市計画区域についての解説でした。

宅建士試験では、この他の都市計画についても勉強する必要がありますよね。

わたしのブログでは、この他の都市計画についても解説を行っていますので、用語を検索してみてください。

それでは、最後までご覧いただきありがとうございました。

 

*タイトル写真
ManosainzによるPixabayからの画像