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高度利用都市計画の条項ずれ引用に注意![平成30年改正建築基準法]

こんにちは。建築士のやまけんです!!

そろそろ、平成30年に公布された改正建築基準法のうち1年以内施行分の施行日が示されるころかと思います。

今回の記事、行政機関(自治体)向けへのお節介なお知らせです。

というのも、「高度利用都市計画」には、次のように注釈が記載されています。
私が調べた限りでは、都市計画法に基づく法定計画書をホームページに掲載している自治体では大概記載しています。


※出典:ある市町村が決定した高度利用都市計画の法定計画書

 

今回の法改正により条項ずれが生じるのは次の部分です。
赤色の部分です。

建築基準法第53条第5項第一号に該当する建築物にあっては、10分の2を加えた数値とする。

高度利用都市計画の場合には、建築基準法第59条第1項の規定に基づき、高度利用地区に関する都市計画において定められた内容に適合するものでなければならないとされています。

実は、この第5項は、平成30年改正の建築基準法の施行により第6項なります。
※詳しくは、このページの最後に法律を掲載しておきます。
※法の施行日は令和元年6月27日までに施行予定。(施行日未定)

よって、第6項に修正しないと、商業地域等かつ防火地域内における耐火建築物については、建蔽率に20%を加えることができなくなります。

ただし、一つ疑問が生じると思います!!
というのは、条項ずれが生じている場合、本当に都市計画の効果が及ばないのかという点です。

けど、大丈夫です。

これについては、今年の3月に解決しています。

 

「平成30年の地方からの提案等に関する対応方針」(平成 30 年 12 月 25 日閣議決定)に基づき、国土交通省から次のような事務連絡文書が出ています。

太文字部分をご覧ください。
参考に2.もご覧になっておいた方がいいです。

[法令の制定又は改廃に伴い必要とされる都市計画の条項ずれに係る 形式的な修正について(技術的助言) 平成31年3月28日 国土交通省 都市局 都市計画課長補佐]

1.都市計画において引用されている法令の条項は、都市計画法(昭和 43 年法律第100 号)第 20 条第1項の規定(同法第 21 条第2項において準用する場合を含む。 以下同じ。)による告示があった日において有効であったものとして解釈されることから、条項ずれに係る都市計画の修正を直ちに行わないという理由のみをもっ て、都市計画そのものの効力に影響を及ぼすものではない。

2. 一方、都市計画の実質的な変更を行う場合には、条項ずれを併せて措置する必要がある。なお、実質的な変更を行う機会が当面予定されない場合には、都市計画法 第 20 条第1項の規定により告示している都市計画において条項ずれが生じていることについて、条項ずれが生じている箇所の読替表又は条項ずれを反映した都市計画を、条項ずれが生じている旨明記した上で別に公表する等、適宜住民に分かり易い方法により周知することも考えられる。

※出典:内閣府地方分権改革のページ(https://www.cao.go.jp/bunken-suishin/teianbosyu/2018/h30fu_tsuchi.html)

 

ということで、事務連絡によると、直ちに修正する必要はないですが、都市計画の変更にあわせて修正する必要があります。
また、都市計画変更が当面予定されていない場合には、住民へ周知する必要がある旨が記載されています。

ここまでが「条項ずれ」に関するお知らせのようなものです。
民間人である私が言うのは、おこがましいですよね・・・笑

とはいえ、法改正により条項がずれたものを掲載しておくのは、民間人から見て、「あれ?知らないのかな」と思われる可能性がありますので、ホームページへは、条項がずれが生じている旨を記載しておいた方が良さそうです。

わたしは、たまたま、高度利用都市計画のページを見ていたら気づいただけで、今回のお節介記事となったわけです。

では、最後に、建築基準法改正の抜粋を掲載しておきます。

表 建築基準法第53条第5項について(新旧対照)

建築基準法第53条第5項

前各項の規定は、次の各号のいずれかに該当する建築物については 、適用しない。

一 第1項第二号から第四号までの規定により建蔽率の限度が10分の8とされている地域内で、かつ、防火地域内にある耐火建築物

二・三 (略)

建築基準法第53条第6項

前各項の規定は、次の各号のいずれかに該当する建築物については 、適用しない。

一 防火地域(第1項第二号から第四号までの規定により建蔽率の限度が10分の8とされている地域に限る。)内にある耐火建築物等

二・三 (略)

※出典:建築基準法の一部を改正する法律(平成30年法律第67号)について[国土交通省](外部リンク)

それでは、今回は、ここまでとなります。

参考となれば幸いです。






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YamaKen都市計画(まちづくり)を通じて都市を美しくしたい人
【資格】1級建築士、建築基準適合判定資格者、宅建士など 【実績・現在】元役人:建築・都市計画・公共交通行政などを10年以上経験 / 現在は、まちづくり会社を運営:建築法規・都市計画コンサル,事業所の立地検討,住宅設計など