建築基準法上の道路に注意。私道トラブルを避けよう。

弁護士ドットコムで「私道 問題」で検索すると、321件もヒットします。
*2019年6月8日時点

そのくらい、私道には潜在的な問題を抱えているケースがあります。

挨拶が遅くなりました。こんにちは!!建築士のやまけんです^ ^

今回は、標記タイトルで「私道トラブルを避けるための道路について」をお送りします。

先に言っておきますが、私道を否定しているのではなく、将来リスクを減らしたい方(建築主)向けに書いている記事です。

道路の種別は関係なく、建築できれば別に何の問題はないという方は、読む必要がないですので、違うページをご覧ください。

将来リスクを少しでも減らして建築したい方は、ぜひ、お読みください。

前提として、都市計画区域内で建築を予定している方が対象です。




将来リスクを減らすとは?

何故、将来リスクを減らすために私道を避けるべきなのか。

理由は簡単で、人の考えや感情、思いは次の世代に受け継がれる可能性は100%ではないからです。

よくある話として、
「あの家のご主人は良い人でまちづくり活動に積極的だったのに、息子さんは全くやらないようだ」
「これまではトラブルがなかった家なのに、代替わりして変わってしまった」・・・など

次の世代に、他人にとって良い事を、その当事者が、親の意向をそのまま受け継ぐって基本的に不可能です。

組織も同じようなことが言えますよねー。笑
それはさておき、

この世界では、自分にとって都合の良いことはずっと続かないという現実があります。
逆に代替わりして良くなったということもありますが・・・

ですので、最低限の権利を担保するために、法律があるんですが・・・

それでも法律では、感情面(精神的な面)まではカバーしてくれない(担保してくれない)んですよ。それが現実です。

将来、他人の所有物や共有である場合、道路の使い方で揉めれば、それだけで時間を浪費します。
また、維持管理費用を確保していかなければならないこともあり、金が絡むと相対的にリスクが発生する可能性が高いです。

そういった事案が起きても、弁護士などに依頼して解決していけばよいのですが、何が問題かというと、問題が生じてしまうと解決するまでに時間を要することで、当事者がひどく消耗してしまうことです。

結局は「トラブルは消耗するということ」。その内在リスクを減らそうということです。

想像してみてください。
四六時中、トラブルの事を考えるようになる日々ですよ。

*ちなみに、「トラブルで消耗はしませんので問題ありません」という方には関係ありません。

ですが、精神的にトラブルを避けたいと考えている方には、将来リスクを避ける面から私道は避けた方がよいです。
繰り返しですが、他人の所有物や共有持分を使用することは潜在的なリスクがあります。

なお、通行地役権の設定や道路部分を共有持分にする、または過去の判例などを参照すれば、「建築基準法上の道路に接している敷地の建築物所有者は守られる」と考えて良いのですが、公平な立場にある行政以外が所有する道路なので、”どのようなリスク”が内在しているか不明です。

とはいえ、安定した民間法人が一括して管理している場合には、公的性を有していることに近いので、まだ大丈夫な気もしますし、将来リスク可能性大歓迎でそれをまとめあげるのが得意だという方には関係の無い話でもあります。

ここまでがリスクの話となります。

私道に関する補足

ここで、二点ほど補足。

一つ目は・・・
具体的な過去の判例について、知りたい方はこちらのページご覧ください。
▶️一般財団法人 不動産適正取引推進機構 最高裁判例一覧(通行権・建築基準法上の道路)(外部リンク)

二つ目は・・・
建築基準法では、「私道の変更又は廃止の制限」という規定があり、その規定では、私道の変更又は廃止によって、接道が取れなくなることがないよう、特定行政庁は、変更・廃止の禁止、又は制限することができるようになっています。

[建築基準法第45条]
第45条 
私道の変更又は廃止によつて、その道路に接する敷地が第43条第1項の規定又は同条第3項の規定に基づく条例の規定に抵触することとなる場合においては、特定行政庁は、その私道の変更又は廃止を禁止し、又は制限することができる。
2 第9条第2項から第6項まで及び第15項の規定は、前項の措置を命ずる場合に準用する。

建築基準法上の道路とは

前の項に述べたように、建築における将来リスクを減らすために「私道」を避けるのは「建築基準法における道路」の関係があるからです。

この項では、建築基準法の道路について、簡単に解説します。

都市計画区域内に建築物を建築する場合には、建築物の敷地は建築基準法上の道路に2m以上接する必要があります。(建物の規模や形態、敷地形態により3mや4mとなる場合あり)

自分の住んでいる土地が都市計画区域内かどうかは、自分が住んでいる市区町村のホームページで検索することが可能です。
「○○○市町村 都市計画区域」と検索し、少し調べれば分かりますが、どうしても分からない場合は、自分が住んでいる市町村の都市計画課(まちづくり推進課など)に電話確認しましょう。

この建築基準法上の道路については、現況が道だからと言って全ての道が建築基準法上の道路になるわけではありません。
*建築基準法上の道路は、建築基準法第42条に規定されています。詳しく知りたい方は、この項の下記に関連記事のリンク先を貼ったので、参考にしてください。

基本的には、4m以上の道路(都道府県や市区町村の公道、昭和初期頃からある道など)が、この建築基準法上の道路に該当することになるんですが、全て公が所有している道路ではないんです。

関連記事
▶️建築基準法第42条の道路のまとめ(建築基準法上の道路とは)(ブログ内リンク)

将来リスクを考慮して避けるべき道路

では、この項では、避けた方が良い建築基準法の道路について解説します。

実は、将来リスクを減らすことを考慮した場合、建築敷地の接道として、避けた方が良い道路というのが存在します。

その道路とは、公(行政)以外が所有している道路です。

どういう道路かというと、いわゆる「私道」です。

私道のうち、リスクを秘めているものとしては、次の道路が考えられます。

なお、建築基準法上の道路については、様々な種類があるので、全ての道路を知りたい方はこちらを参照ください。
☑️関連記事
▶️建築基準法第42条の道路のまとめ(建築基準法上の道路とは)(ブログ内リンク)

①建築基準法第42条第1項第二号道路
・都市計画法等に基づく開発行為などで整備された道路です。通常は全く問題ありません。
・かなり昔の道路(感覚的には、新都市計画法制定直後など)では、行政に帰属されていないものが世の中には存在します。つまり、私道のままとなっているものが稀にある。この場合には、管理規定などがちゃんとあるかどうか確認が必要。無い場合には、維持管理をどのように行なっているのか要確認です。

 

②建築基準法第42条第1項第五号道路
・位置指定道路(道路位置指定)と言われるもので、道路法や都市計画法に基づかないで、建築基準法に基づき整備された道路です。開発行為に該当しない場合に設けられることが多いです。
・この道路はほぼ100%私道です。(中には、過去に指定を受けて、その後、市区町村道になったものあります。そうなっていれば全く問題ありません)
・そのため。共有持分とされている例が大半だと思われます。
・道路の維持管理や使用方法について契約書や協定書に基づく取り決めがされていれば、ある程度は将来リスクを減らす事が可能ですが、何も取り決めなどが無く、共有持分も取得できない場合には要注意です。(土地購入前には不動産業者へ要相談)

 

③建築基準法第42条第2項・第3項道路(将来リスク比較的低い)
・割合的にはどの程度あるのは不明ですが、私道である可能性がある道路の一つです。
・私道の場合、道路の維持管理や通行等に関して取り決めがなされていない場合があり、その場合には、取り決めなく慣習的に維持管理されている場合もあるため、どのように普段から管理しているのか確認する必要があります。(土地購入前には不動産業者へ要相談)
・なお、道路としては、原則として、将来建築する際に、道路中心線から2m(第3項道路の場合は1.35m以上2m未満のうち特定行政庁が指定する距離)セットバックする必要がある道路です。
・建築基準法や都市計画法制定以前からある道路ですので、法務局で取得可能な公図に、ただの「道」として表現されているものが大半だと思います。

上記道路以外でも、私道道路である可能性は完全には否定できませんので、土地を購入して、将来、建築物を建築しようと考えている方は、不動産業者へ相談してみましょう。
(ちゃんと、リスクがあるかどうか教えてくれます)

 

これらの道路を調べる方法は、特定行政庁のホームページで「指定道路図」を確認します。

留意点として、調べる前に、法務局で公図を取得して、道が登記上何になっているか確認します。
「道」や「水」以外の場合には、地番の登記事項証明書を取得しましょう。

その上で、役所に確認します。

なお、ホームページで公開されていない場合には、窓口若しくは電話で確認する必要があります。
住民の方であれば、役所の方が親切に教えてくれるはずなので、「建築基準法上の道路について教えてください」と伝えれば、教えてくれるはずです。

補足

私道に接道する敷地の土地購入を検討する場合には、個人間で取引せず、不動産業者へ仲介を依頼しましょう。
多少コストがかかったとしても、リスク面をしっかりと調査して伝えてくれますので、その上で購入するかどうか判断するべきだと言えます。

 

それでは、最後までご覧いただきありがとうございました。