「建築着工統計調査」からみる構造別の平米あたりの住宅建設工事費(平成30年度最新版)

今回は、住宅建築を考えている方向けに、国が公表している「建築着工統計調査」に基づく、”住宅”の平米(㎡)単価について紹介します。

こんにちは!建築士のやまけんです^ ^

この記事を読むと、構造別の住宅施工単価(㎡あたりの工事費)が分かります。
なお、施工単価は全国平均値ですのでご注意ください。

はじめに(建築着工統計調査とは)

建築着工統計調査とは次のようなものです。

[建築基準法第15条第1項・第5項]
建築主が建築物を建築しようとする場合又は建築物の除却の工事を施工する者が建築物を除却しようとする場合においては、これらの者は、建築主事を経由して、その旨を都道府県知事に届け出なければならない。ただし、当該建築物又は当該工事に係る部分の床面積の合計が10㎡以内である場合においては、この限りでない。
5 前各項の規定による届出、報告並びに建築統計の作成及び送付の手続は、国土交通省令で定める。

建築主は、建築物を建築しようとする場合は、「建築工事届」を都道府県知事に届出することになっています。

この届出を統計的に処理したものが「建築着工統計調査」です。
建築着工統計調査は、こちらからデータを得ることが可能です。
▶️https://www.e-stat.go.jp

この届出内容には、”工事費予定額”を記載することになっており、今回の記事はこちらの内容に基づいて記事を書いています。

構造別の工事費予定額(2018年度)

用途 総計
(単位:万円/㎡)
木造
(単位:万円/㎡)
鉄筋コンクリート造
(単位:万円/㎡)
鉄骨造
(単位:万円/㎡)
居住専用住宅
(一戸建ての住宅)
(長屋、共同住宅)
19.1 17.0 24.4 23.4
併用住宅
(店舗や事務所などを併用した一戸建ての住宅、長屋、共同住宅)
27.0 17.7 28.8 26.7

※出典:建築着工統計調査(平成30年)

平米あたりの施工単価は、木造<鉄骨造<鉄筋コンクリート造 となっています。

当然ながら、木造は一戸建て住宅で建築されているケースが多く、鉄骨造や鉄筋コンクリート造はアパートやマンション建築に使用される構造形式なので、このような順番になります。

(木造住宅の建築コスト)
木造は、17万円/㎡ですので、例えば一般的な一戸建て住宅の床面積130㎡で考えてみると、17.0*130=2,210万円となるわけですが、全国平均で考えれば、この程度なのかもしれません。
しかしながら、私個人的には少し低いかなと感じるところ。

この金額に外構工事と設備関係を含めると、2,500〜2,700万円あたりが妥当ですかね。

(鉄骨造住宅の建築コスト)
鉄骨造の場合には、23.4*130=3,042万円ですので、引き渡し価格としては、3,300〜3,500くらいが妥当なところですかね。

*マンションについて
仮に床面積5,600㎡(70㎡*80戸)のマンションを建築しようとすると、約14億円程度かかるわけですが、これに外構や設備関係を含めると16〜18億円程度でしょう。1戸あたりの販売価格が平均3,000万円だとすると、24億円の売り上げとなります。
建設期間と販売期間が2年程度で、社員を50人(平均年収500万円)を配置しているとすると、5億円程度の経費が必要となるので、会社としては赤字ギリギリになってします・・・(厳しい事業ですよね)
ですので、販売価格に影響していくわけです。

2011年度に比べて、建築コストは上昇している

こちらは、居住専用住宅の2011年度時点における施工単価の数値です。( )書きは2018年との差です。

用途 総計
(単位:万円/㎡)
木造
(単位:万円/㎡)
鉄筋コンクリート造
(単位:万円/㎡)
鉄骨造
(単位:万円/㎡)
居住専用住宅
(一戸建ての住宅)
(長屋、共同住宅)
16.9
(▲2.2)
15.8
(▲1.2)
18.0
(▲6.4)
19.9
(▲3.5)

全体でも、2万円/㎡ほど上昇しており、特に鉄筋コンクリート造では6.4万円も上昇しています。
最近のニュースでも、マンション単価が上昇しているということを聞きますが、建築着工統計調査でもしっかりと反映されているわけですね。

理由は人手不足が一番の要因です。
作業員の単価は毎年のように上昇しています。

なお、木造の場合は、1.2万円/㎡ほど上昇していますので、床面積が130㎡程度であれば、約150万円ほど違う結果になるので、結構な上昇割合だと考えられます。
そのかわり、長期金利は抑えられていることや補助金がありますので、上昇分はペイできているのかもしれません。

ちなみに価格の上昇に合わせて、賃金も上昇していればいいのですが、上昇していないですよね。
今後、このまま上昇が続きば、ますます、住宅購入者が減少していく可能性があります。

最後に

今回、紹介した単価については、統計調査に基づく平均値ですので、取り扱いにはご注意ください。

とはいえ、住宅建築を考える際の参考にはなるかと思います。
なお、住宅建築を考える際には、価格だけでなく、長期的な維持管理の視点や固定資産税などにも留意して、総合的に考えて、構造を選択した方が無難です。

 

それでは、最後までご覧頂きありがとうございました。

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