「まちづくりファンドとは」?(まちに賑わいを創出する取り組みを支援)

ここ2〜3年で急速にエリアマネジメント型のファンドによるまちづくりが進められているのを知っていますか?

補助金は基本的に返還義務はありませんが、ファンドの場合ですと、出資を受けた方は必ず稼いで配当しなければなりません(配当を行うことができなければ事業終了に近い)。

出資を受けた方は、補助金と異なる金を必死に何倍にも錬金していくことが求められますから、生半可な気持ちで挑む人は少ないと思います。

これまでにない新たなまちづくりの手法の一つとして進められるのなら、従来の補助金ありきのまちづくりも変わっていくかもしれません。

こんにちは!!建築士のやまけんです^ ^

前置きが長くなりました・・・
「まちづくり」の意味は広義すぎるので、もう少し視点を落として、「空き家の再生・リノベーション」といった分野でイメージしてもらうといいかもしれません。

それでは、ゆっくりお読みください。

はじめに

はじめに結論から言うと、まちづくりは「人」と「金」で成り立ちます

「人」とは、どれだけ目標にコミットして行動する人材かどうか。
そして、その行動力を支えるのは「金」です。

浮かんだアイデアをすぐさま実行できる人(行動力)と金があれば、まちづくりは進められます。

まちづくり=社会貢献 ”のみ”と思っている人は勘違いです。

断言できます。
社会貢献しながら稼いで、地域に再投資するんです。
そして、また、稼ぐんです。
これによって、「まちづくり」のプレイヤーは成長していきます。

この循環がうまくいけば、街中のシャター街や空き地は解消するはずです。

けどね、それがうまくいかないんですよ。

何故なら、圧倒的に行動する人材が少ない(生まれない)から、そして、行動を支える資金が供給されないからです。

この人材と資金供給という部分がポイントで、今回紹介するまちづくりファンドというのは、資金供給という側面の役割を担うことができるかもしれません。

まちづくりの目標とは

「まちづくり」の目標は、人それぞれの価値観によって異なるので、一概にこれが目標となるということはないですが、大きくは、”賑わい”だと考えるのが一般的だと思います。

賑わいとは、街に常に人で賑わっている姿を想像すれば容易かもしれません。

「こうだったらいいなぁ」とは皆が思いつつも、これを実現にするのは非常に難しいんですよね。

私も自分ひとりだったら行動に躊躇してしまいそうですし、リスクが伴うので慎重にならざるを得ません。

ただですね言えるのは、”何もしないで難しいとばかり言っている人”は、絶対に行動しません
そして、そのような人がいる街に賑わいは生まれせん。

少しづつでも行動してみようと考えている人のところに資金(はじめは金ではないかもしれません)が集まるようになっていて、そういった人がいるところから、賑わいが生まれていきます

とはいえ、ポイントがあって、連鎖的にそういった人達が出現してくるかどうかにあります。

要は、まちづくりとは、ある一定のエリアを対象とするため、少ない投資でエリア全体に最大限の効果を生み出すには、行動力のある人の数が必要になってくるわけです。

逆に、投資額の規模が大きければ、少ない人数でも最大限の効果を発生させることが可能です。

ですので、繰り返しですが、少ない投資で賑わいを生み出すには、行動する人数が重要になってくるわけです。
これまた難しい問題ですけどね。
きっと、街にはやりたい人が隠れています。(その背中を押してあげることが大切)

この内容を踏まえて、次の項からは、まちづくりファンドについて紹介していきますね。

まちづくりファンドとは?

まちづくりファンドの目的はエリアの価値を高めることにあります。

ここが重要です!!

エリアの価値を高めるということは、結果的にエリアの魅力向上につながり、不動産価値の上昇や店舗等であれば販売額の増加、行政側としては固定資産税の増加などのメリットが出てきます。

このメリットを受けることができるエリアを増やすために取り組んでいるのが国です。
(結果的に金が回るので、国の財政に寄与する政策といえます)

国はMINTO機構(正式名称:一般財団法人民間都市開発推進機構)と連携して、地元金融機関によるファンド型のまちづくりを進めています。

こちらは、国が公表しているマネジメント型まちづくりファンドのスキームです。

 


※出典:国土交通省

(補足事項)
・エクイティ:株主資本のこと。
・デット:負債(借金)のこと。

地元金融機関とMINTO機構がそれぞれ出資して、まちづくりファンドを設立し、そのファンドからまちづくり活動を行う事業に対して出資する仕組みが「ファンド型のまちづくり」となります。

返還義務のないエクイティはリスキーですが、事業成功時のリターンがそれなりにあると考えての出資になるので、融資のような安定した低い金利の収入を得るよりは、より大きなリターンを期待する投資家にはマッチします。

このスキームですが、リスクの半分は国の息のかかったMINOTO機構が担うので、地元金融機関としてはリスクを半減させた上で取り組めることからメリットが高いのではないでしょうか。

これまでのファンド設立件数とファンドの規模

令和元年6月3日に桐生市に設立されたファンドを含めて、これまで10ファンドが設立されています。
それぞれのファンド総額を含めると次のようになっています。

市村等名 ファンド名 出資額 対象エリア 対象事業
地元金融機関 MINTO機構
大阪市

シティ信金PLUS事業大阪まちづくりファンド

2,500万円 2,500万円

・JR大阪環状線内の商店街など

空き店舗等の未利用建物を活用したスモールソーシャルビジネス

沼津市 ぬまづまちづくりファンド 2,000万円 2,000万円

・沼津市域内のまちなか ・ストックの活用により集客の拠点となりうるエリア

遊休不動産を活用し、働く・住む・学ぶ・育てる・遊ぶ のテーマに沿ったコンテンツを整備・運営する事業

豊岡市 城崎まちづくりファンド 3,000万円 3,000万円

・兵庫県豊岡市城崎町の城崎温泉地区

城崎温泉の良好な景観形成に資する廃業旅館や遊 休地を活用したリノベーション事業 (泊食分離に対応した簡易宿所、外国人観光客等 に対応したレストランなど)

東京都 谷根千まちづくりファンド 5,000万円 5,000万円

・谷根千地区及びその周辺地区

古民家等を飲食・物販店舗、宿泊施設等の施設に リノベーションし整備・運営することで地域課題 の解決に資する民間まちづくり事業

長野市 NAGANOまちづくり応援ファンド 4,000万円 4,000万円

・長野市中心市街地
・善光寺周辺エリア

空き店舗・空き家等をリノベーション等により活用し、 飲食施設・物販施設・宿泊施設などを整備・運営する まちづくり事業

富士市

ふじのふもとまちづくりファンド

2,000万円 2,000万円

・富士市中心市街地(富士駅周辺地区、吉原地区) およびその周辺地区

空き店舗・空き家等をリノベーション等により活用し、飲食施設・物販施設・宿泊施設などを整備・運営するまちづくり事業

長門市 長門湯本温泉まちづくりファンド 5,000万円 5,000万円

・長門湯本温泉エリア

入浴施設、宿泊施設、飲食施設、物販施設等を整備・運営する ことで、新たな魅力を創出し観光客の満足度を向上させるなど して、地域の課題解決に資する民間まちづくり事業

新庄市 新庄まちづくりファンド 2,500万円 2,500万円

・新庄市の市街地及びその周辺地区

空き店舗・空き家等をリノベーション等により活用し、 飲食施設・宿泊施設・交流施設等を整備・運営するま ちづくり事業

高山市
飛騨市
下呂市
白川村

たかしんまちづくりファンド飛騨のMIRAI

5,000万円 5,000万円

・高山市、飛騨市、下呂市及び白川村の中心市街地
・これらを含む地域内外の都市と観光拠点とを結ぶ主要道路の沿道並びにこれらの周辺地区

空き店舗・古民家等をリノベーション等により活用し、宿 泊施設・飲食施設・物販施設等を整備・運営するまちづく り事業

岐阜市 じゅうろく・岐阜市まちづくりファンド 5,000万円 5,000万円

・「岐阜市立地適正化計画」における都市機能誘導区域である都心区域、金華区域並びにその周辺地区

空き店舗・古民家等をリノベーション等により活用し、物販施設・飲食施設・宿泊施設等を整備・運営するまちづくり事業

桐生市 桐生まちづくりファンド 3,000万円 3,000万円

・重要伝統的建造物群保存地区を含む本町通り沿い
・JR桐生駅や上毛電鉄西桐生駅へと続く末広通り沿いの商店街を核とする中心市街地並びにその周辺地区

空き店舗、古民家、空き工場等のリノベーション等により、繊維関連産業を始めとした各種事業者を誘致することで、桐生の特色を活かしたまちづくりと産業・雇用の創出などに貢献する事業

ファンド総額からの考察

これまでのファンド総額は3.9億円となっています。

額としては低いと感じるでしょうが、どの地域も比較的エリアを絞っていて、なおかつ事業も空き家のリノベーションなどの事業に絞って投資することにしています。

このエリアや事業を絞って、そこに重点的に投資することで連鎖的かつ段階的なまちづくりが進むと考えられる一方で、投資額が少額のため、この出資だけでは、飯を食っていくのは不可能です。
半年持っていいところで、エンジェル投資家がいないとスタートアップで頑張るというのは非常に厳しいものがあります。

ですので、現在本業があって、その本業以外にまちづくりに寄与する事業をやりたいと考えている人にはマッチする政策だと思われます。

いずれにせよ、従来の補助金や融資ではなく出資という形でまちづくりが進められるようになってきたことは、「やりたいけどリスクが怖くて」と考えている人に対し、少しでも背中を押せるようにはなったのではないでしょうか。

このブログを読んでいる方で市町村にお勤めの方は、ファンド型のまちづくりというものを一度考えてみてはどうかなと思います。

これは私の勝手なアイデアですが、
住民のタンス預金のうち1割程度を出資金にして、エリア限定で重点投資するファンドなんかあると、クラウドファンディングと合わせて、まちが動き出す起爆剤になるかもしれません。

「タンス預金」を、まちのために使えないか(もちろん配当有りですが)考えているのは私だけではないはずです。
目に見えて街の賑わいが創出されれば、出資者は配当以外に社会貢献という形で喜びを感じるはずで、それが人生の幸福度にも繋がると思います。

(クラウドファンディングの紹介)
株式投資型クラウドファンディング FUNDINNO

 

 

それでは、最後までご覧いただきありがとうございました。