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【行政代執行】特定行政庁が行う違反建築物への行政指導と代執行

この記事では、建築基準法第9条の行政代執行について簡単に解説を行っています。
実務的には使用されることは少なく、どちらかというと建築士試験や建築基準適合判定資格者試験向けとなっています。

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違反建築物に対する措置とは?

違反建築物に対する是正措置等を行えるとする規定は、建築基準法第9条になります。はじめに、建築基準法第9条第1項が大きなポイントとなります。

というもの、この第1項が違反建築物に対して特定行政庁が対応することができる規定が明記されているためです。

この第9条第1項は、違反建築物に対する措置命令の基本条項となり、第2項以降は、第1項で定めた事に対する事務手続きや緊急性や命令に従わない場合の措置などについて規定されている。

【補足】第7項や第10項における緊急の措置などは、建築士試験などにも出題される可能性が非常に高い分野となっているため、建築基準法第9条の2(建築監視員)や同法第10条(保安上危険な建築物等に対する措置)についてもあわせて勉強しておくとよいと思われます。

[建築基準法第9条第1項]
特定行政庁は、建築基準法令の規定又はこの法律の規定に基づく許可に付した条件に違反した建築物又は建築物の敷地については、当該建築物の建築主、当該建築物に関する工事の請負人(請負工事の下請人を含む。)若しくは現場管理者又は当該建築物若しくは建築物の敷地の所有者、管理者若しくは占有者に対して、当該工事の施工の停止を命じ、又は、相当の猶予期限を付けて、当該建築物の除却、移転、改築、増築、修繕、模様替、使用禁止、使用制限その他これらの規定又は条件に対する違反を是正するために必要な措置をとることを命ずることができる。

建築基準法第9条第1項

○誰に対して?
・建築主
・建築物の工事請負人(下請負人を含む)
・建築物工事の現場管理者
・建築物(建築物の敷地)の所有者・管理者・占有者

○何ができるのか?
施工の停止
相当の猶予期限付けて、除却、移転、改築、増築、修繕、模様替、使用禁止、使用制限等

*「相当の猶予期限」については、”緊急の必要がある場合”は、使用禁止・使用制限の命令をすることが可能(建築基準法第9条第7項)※建築監視員も対応可能(建築基準法第9条の2)

*「違反することが明らかな建築工事」については、緊急の必要がある場合には、建築主等に対して施工(作業)の停止を命ずることが可能(建築基準法第9条第10項)※建築監視員も対応可能(建築基準法第9条の2)

違反建築物に対する行政代執行

行政代執行については、特定行政庁による措置を履行しない(命令されたのにやらない・適当にやる、期限まで完了しないなど)の場合には、特定行政庁みずから、”その”措置を行うことができるという規定です。

  • 法第9条第1項の規定による違反指導に従わない場合
  • 違反指導に従うもその対応が十分ではない場合(期限までに完了しない場合)
  • 特定行政庁自らがなすべき行為をすることができる。

[建築基準法第9条第12項]
特定行政庁は、第1項記事冒頭に解説した法令の規定により必要な措置を命じた場合において、その措置を命ぜられた者がその措置を履行しないとき、履行しても十分でないとき、又は履行しても同項の期限までに完了する見込みがないときは、行政代執行法(昭和23年法律第43号)の定めるところに従い、みずから義務者のなすべき行為をし、又は第三者をしてこれをさせることができる

建築基準法第9条第12項

最終的にどうにも解決しない場合には、役所が税金を使って代行することになるということです。

税金を使って最終措置を行うことについては賛否がありますが、いつまで経っても解決せずに建物周辺への影響を考慮すれば代執行も必要と言える場合もあります。

というのも、行政代執行を行うような違法建築物であれば、相当タチの悪い違反をしている建築物に違いありません。

街の景観上も悪化することが考えられます。また、”悪い事”や”迷惑な事”をしてもゆるされる風潮となる可能性があり法治国家の前提が崩れてしまうため、そのような事を避けるためにも、早めに税金を投入して改善した方が街全体の利益になるという考えです。

なお、補足としまして、建築基準法第9条第11項の規定では、「過失なくてその措置を命ぜられるべき者を確知することができず、かつ、その違反を放置することが著しく公益に反すると認められるとき」は、特定行政庁が、違反している者の負担において、特定行政庁自ら措置することができるとする規定もあります。(ただし、相当の期限を定めて、措置を行うべき旨等の公告が必要)

第一項の規定により必要な措置を命じようとする場合において、過失がなくてその措置を命ぜられるべき者を確知することができず、かつ、その違反を放置することが著しく公益に反すると認められるときは、特定行政庁は、その者の負担において、その措置を自ら行い、又はその命じた者若しくは委任した者に行わせることができる。この場合においては、相当の期限を定めて、その措置を行うべき旨及びその期限までにその措置を行わないときは、特定行政庁又はその命じた者若しくは委任した者がその措置を行うべき旨をあらかじめ公告しなければならない。

建築基準法第9条第11項






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YamaKen都市計画(まちづくり)を通じて都市を美しくしたい人
【資格】1級建築士、建築基準適合判定資格者、宅建士など 【実績・現在】元役人:建築・都市計画・公共交通行政などを10年以上経験 / 現在は、まちづくり会社を運営:建築法規・都市計画コンサル,事業所の立地検討,住宅設計など