『違反建築物』という、いつまでも社会に残された存在

この記事は、一建築士が思っていることをずらずらと書いているものです。

必ずしも有意義なものが掲載されているわけではありませんので、あらかじめご了承ください。

今回のテーマは『違反建築物』

違反建築物とは、建築基準法や建築基準適合関係規定に適合していない建築物をいいます。

これに工作物や建築設備も含まれることになる。

建築物は、建築基準法第8条の規定により、『常時適法な状態に維持するよう努めなければならない』とされている。

けれども、遵守している方はどの程度いるだろうか。

統計上は分からないが、しっかりと定期的にメンテナンスしているのは大企業くらいの事務所や工場くらいじゃないだろうか。だから、違反建築物が増える。

 

街中には『違反建築物』が溢れている。

✔︎建築物が敷地境界線を越えている。
✔︎何段にも積み上げれた危険性の高いブロック塀。
✔︎違法に設置した基準に合致しない擁壁。
✔︎明らかに違法に増築した物置。
✔︎非居室を違法に居室に変更。
✔︎窓を塞ぎ、採光・換気・排煙としての機能を損失された。
✔︎開くことができない排煙窓。
✔︎バッテリーが切れた非常用照明。
✔︎避難経路に設置された物品。
✔︎間仕切り壁の位置を違法に変更。
✔︎監理・施工ミスによる違反建築物。

例をあげればキリがないくらいに都市の内部に『違反建築物』は溢れかえっている。
もはや、都市における大きな課題の一つと捉えてもいいくらいだと思う。

中には「既存不適格建築物」といって、現行の建築基準法関係規定には適合していないが、建築当時は適法であった建築物もあるだろう。もちろん違反建築物ではない。

とはいえ、現行法に適合してないということは、最低基準である建築基準法の一部をクリアしていないこととなるため、利用者側のリスクは現行適格建築物より高い。

 

『違反建築物』が是正されない理由は二つ。

・所有者の法的知識の欠如
・行政による指導監督の不足

いずれも、簡単に解決できるようなことではない。

所有者の法的知識を底上げするのは不可能だし経済的に現実的でへはない。
子どもに構造計算をやってみろと言ってるようなレベルくらいに、有識者とそうではない人との差は大きい。

だからこそ、こう思うことがある。

社会のために建築の知識が無いなら違反の可能性が高いことを行わないで欲しい!と、建築士に相談するのが一番だと・・・

あなたが行なった行為で幸せになる人は、将来、あなたも含めて誰一人としていない。

あなたは一生、『違反建築物』をつくり出した罪悪感を背負って生き行くことになる。

いつの日かAiドローンにより自動偵察型で違反建築物を見つける日が必ず来るだろう・・・私はそう信じているし、そういった技術を開発しようとする企業があれ応援したい。

 

現在の、行政による指導監督不足については、行政職員が日常の許認可業務や窓口・電話相談業務の方が多忙で、指導・監督にのみ力を注げる体力ある自治体は少ないと考えるのが妥当だと思う。

現に、行政の窓口に伺って、空いているイメージはない。

多くの自治体では、違反通報があった場合にのみ対応しているのが実情ではないだろうか。
(普段から指導・監督できるのは人員を多く配置できる大都市くらいのはず。もちろん通報数も多いだろうから理にかなっているはず。)

だからこそ、『違反建築物』の是正は一筋縄に解決できる問題ではないのだ。
(いっそ、警察並の捜査権を付与しても問題無いと思う。)

 

良く考えてみて欲しい。

『違法建築物』が都市に存在することで、ルールを無視してもOKという「社会」になってしまうことを示唆していると思う。

行政側が公共施設の敷地内に建築確認も取らずに”倉庫”を設置してしまったらどうだろう?
行政がOKならルールを分かっているいないに関係なくそうする人がいるだろう。

ルールに従うことだけが正しいとは限らないと言う方もいるだろう。

でも待ってほしい。

そのルールが社会的にみて明らかに間違っていることであれば正せばいいのだ。
そのため、民意を行政に上げるためのスキームは出来上がっている。

そうではないなら、やはりルールに従うしかない。

私達は法治国家の中で生きている。
それを理解できないのであれば、不動産を所有するべき人ではない。

私達は、後世により良いものを残す義務がある。
それが重要であることを理解する機会(教育)が欠如する限り『違反建築物』は決して無くなることはない。

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