この記事では、土地区画整理法第76条許可と都市計画法第53条許可の違いについて解説を行っています。この記事を読むことで、両者の違いを理解することができるようになります。
解説の前に簡単な自己紹介です!!
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76条許可と53条許可の違い
はじめに結論です。
土地区画整理法第76条の許可を受けなければならない期間と都市計画法第53条許可を受けなければならない期間とに分かれています。
簡単にまとめると次のようになります。
都市計画法第53条第1項許可は、土地区画整理事業の都市計画決定(注:都市計画事業認可ではあい)から都市計画事業認可の日まで、土地区画整理法第76条許可は事業認可の日から換地処分の日までに必要な許可となります。
法令 | 許可受けなければならない期間 |
---|---|
都市計画法第53条第1項 | 都市計画決定日〜事業認可の日 |
土地区画整理法第76条第1項 | 事業認可の日以後〜換地処分日 |
都市計画法第53条許可は建築基準関係規定となるため建築確認申請書に許可書を添付する必要がありますが、土地区画整理法第76条許可は建築基準関係規定ではありませんので建築確認申請書への添付は不要となります。
都市計画決定から事業認可前であれば、土地区画整理の事業計画に支障を来たすことがない建築計画かどうかチェックする必要があるため、そもそも建築を許可して良いかどうかの判断が伴うことから都市計画法第53条第1項許可となります(市街化調整区域での立地基準のようなもの)。
一方で、都市計画事業認可後は、区画整理事業の事業計画が認可され、計画に基づいた仮換地の土地にのみ建築物が建築されることから建築確認申請において審査する必要がないです。
それでは、最後に参考法令を掲載しておきます。
[都市計画法第53条]
都市計画施設の区域又は市街地開発事業の施行区域内(👈これが土地区画整理事業)において建築物の建築をしようとする者は、国土交通省令で定めるところにより、都道府県知事等の許可を受けなければならない。ただし、次に掲げる行為については、この限りでない。
一〜五 (略)
2 (略)
3 第1項の規定は、第65条第1項に規定する告示があつた後は、当該告示に係る土地の区域内においては、適用しない。[都市計画法第65条第1項]
第62条第1項の規定による告示又は新たな事業地の編入に係る第63条第2項において準用する第62条第1項の規定による告示があつた後においては、当該事業地内において、都市計画事業の施行の障害となるおそれがある土地の形質の変更若しくは建築物の建築その他工作物の建設を行い、又は政令で定める移動の容易でない物件の設置若しくは堆積を行おうとする者は、都道府県知事等の許可を受けなければならない。【土地区画整理法第3条の4】
施行区域の土地についての土地区画整理事業は、都市計画事業として施行する。
2 都市計画法第60条から第74条までの規定は、都市計画事業として施行する土地区画整理事業には適用しない。
3 施行区域内における建築物の建築の制限に関しては、都市計画法第53条第3項中「第65条第1項に規定する告示」とあるのは「土地区画整理法第76条第1項各号に掲げる公告」と、「当該告示」とあるのは「当該公告」とする。
[土地区画整理法第76条第1項]
次に掲げる公告があつた日後、第103条第4項の公告がある日までは、施行地区内において、土地区画整理事業の施行の障害となるおそれがある土地の形質の変更若しくは建築物その他の工作物の新築、改築若しくは増築を行い、又は政令で定める移動の容易でない物件の設置若しくは堆積を行おうとする者は、国土交通大臣が施行する土地区画整理事業にあつては国土交通大臣の、その他の者が施行する土地区画整理事業にあつては都道府県知事(市の区域内において個人施行者、組合若しくは区画整理会社が施行し、又は市が第三条第四項の規定により施行する土地区画整理事業にあつては、当該市の長。以下この条において「都道府県知事等」という。)の許可を受けなければならない。
一 〜 五 (略)
補足:許可手続きに必要な期間
許可手続きに必要な期間については法律上の定めがないため、多くの自治体では標準処理期間を定めて公表しています。この処理期間は約2週間が一般的です。
ですので、特に都市計画法第53条許可が必要な場合には許可後ではないと建築確認申請することができないので注意が必要となります。
それでは以上となります。こちらの記事が業務の参考になれば幸いです。