外壁後退の緩和の計算方法などを解説

この記事は、外壁後退の緩和や測り方を解説する記事です。

こんにちは!建築士のやまけんです。

第一種低層住居専用地域や第二種低層住居専用地域、田園住居地域において指定されている外壁後退ですが、不整形な土地や狭小な土地の場合ですと、建築物の一部が制限に掛かる場合があるんですよね。

多くの自治体では外壁後退は1.0mまたは1.5mで指定されていますので、狭小敷地の場合には、制限にかかることがあります。

おそらく、この記事を読んでいるということは、配置計画においてどうしても緩和が必要となっている場合だと思われますので、丁寧に説明します。




施行令における緩和の取り扱い


※外壁後退距離は、都市計画において境界線から1.0m(1.5m)として指定される。

緩和方法は2種類あります。

・外壁(外壁が無い場合は柱の中心線)の長さの合計が3m以下
・物置等の用途で、軒高2.3m以下かつ床面積5㎡以下

[建築基準法施行令第135条の22(外壁の後退距離に対する制限の緩和)]
法第54条第1項の規定により政令で定める場合は、当該地域に関する都市計画において定められた外壁の後退距離の限度に満たない距離にある建築物又は建築物の部分が次の各号のいずれかに該当する場合とする。
一 外壁又はこれに代わる柱の中心線の長さの合計が3m以下であること。
二 物置その他これに類する用途に供し、軒の高さが2.3m以下で、かつ、床面積の合計が5㎡以内であること。

緩和の考え方

一号の外壁又はこれに代わる柱の中心線の長さの合計が3m以下であること。』ですが、外壁がある場合には、外壁の面で測定します。考え方は下図のとおりです。

上記図でいうと、Lα+Lb≦3m以内とする必要があります。

カーポートなどの外壁が無いケースでは、柱の中心線となります。

次に、二号の『物置その他これに類する用途に供し、軒の高さが2.3m以下で、かつ、床面積の合計が5㎡以内であること。』ですが、敷地内の別棟に小規模な倉庫を建築する場合に使用できる緩和です。よくあるケースの一つですね。

ただし、軒高2.3m・床面積5㎡以下であること。さらに物置や倉庫などの用途に供する必要があります。

本記事のまとめ

外壁後退の緩和ですが、改めてまとめると次のようになります。

  • 外壁(外壁が無い場合は柱の中心線)の長さの合計が3m以下
  • 物置等の用途で、軒高2.3m以下かつ床面積5㎡以下

今回の以上となります。最後までご覧頂きありがとうございました。
参考になれば幸いです。

Photo by Louis Renaudineau on Unsplash






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YamaKen都市計画(まちづくり)を通じて都市を美しくしたい人
【資格】1級建築士、建築基準適合判定資格者、宅建士など 【実績・現在】元役人:建築・都市計画・公共交通行政などを10年以上経験 / 現在は、まちづくり会社を運営:建築法規・都市計画コンサル,事業所の立地検討,住宅設計など