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第一種低層住居専用地域内における建築物の高さの限度とは?

・第一種低層住居専用地域や第二種低層住居専用地域内の絶対高さ制限って何?
・高さを超えて建築することはできるの?

上記の疑問に答えながら、第一種低層住居専用地域内の高さの制限について解説していきます。

こんにちは!建築士のやまけんです。

それでは説明していきます。




絶対高さ制限とは?

絶対高さ制限とは、正式には、『第一種低層住居専用地域、第二種低層住居専用地域または田園住居地域内における建築物の高さの限度』といいます。”高さの限度”や”絶対高さ制限”などと覚えておけば問題なく役所の人と意思疎通ができると思います。

これら3つの用途地域については、建築物の高さの限度の他、隣地境界線から外壁までの距離を定める外壁後退、建築物の敷地の面積の最低限度といった低層住宅地の住環境を保護するための制限を定めることが可能とされている地域です。

都市計画法でも、第一種低層住居専用地域については、『低層住宅に係る良好な住居の環境を保護するため定める地域』とされており、低層住宅地の住環境を守る観点からも、日照や通風と関係する建築物の高さについては一定の限度を設けることとしています。

具体的には次のように定められます。

高さの限度の値

高さの限度ですが、都市計画において定められます。都市計画によるとは、都市計画法に基づき定められるもので、学識経験者等で構成される都市計画審議会での審議や公聴会といった厳格な諸手続きを経て定められるものです。

よって、建築基準法に基づき定められるものではないことに注意が必要となります。あくまでも都市計画の一つとなります。

では、その高さの限度ですが、こちらの数値が定められます。

10mまたは12m

高さの限度が定められると、建築物の高さは、都市計画で定められた10mまたは12mを超えてはならないとされます。なお、建築物の高さとは、地盤面からの高さとなりますが、建築面積の8分の1以内の階段室、昇降機塔、装飾塔、物見塔などは5m以内であれば高さに算入することが可能です。

[建築基準法第55条第1項]
第1種低層住居専用地域、第2種低層住居専用地域又は田園住居地域内においては、建築物の高さは、10m又は12mのうち当該地域に関する都市計画において定められた建築物の高さの限度を超えてはならない

[建築物の高さ:施行令第2条第1項第6号]
六 
建築物の高さ 地盤面からの高さによる。ただし、次のイ、又はハのいずれかに該当する場合においては、それぞれイ、又はハに定めるところによる
イ (略)
ロ 法第33条及び法第56条第1項第三号に規定する高さ並びに法第57条の4第1項、法第58条及び法第60条の3第2項に規定する高さ(北側の前面道路又は隣地との関係についての建築物の各部分の高さの最高限度が定められている場合におけるその高さに限る。)を算定する場合を除き階段室、昇降機塔、装飾塔、物見塔、屋窓その他これらに類する建築物の屋上部分の水平投影面積の合計が当該建築物の建築面積の8分の1以内の場合においては、その部分の高さは、12m(法第55条第1項及び第2項、法第56条の2第4項、法第59条の2第1項(法第55条第1項に係る部分に限る。)並びに法別表第4(ろ)欄2の項、3の項及び4の項ロの場合には、5m)までは、当該建築物の高さに算入しない
ハ (略)

では、ここから緩和規定(都市計画で定められた高さの制限のリミットを解除する方法)を解説します。

特定行政庁による認定

緩和規定は、第2項に定められていて、空地及び敷地面積が政令で定める基準に該当するものであって、特定行政庁が認定するものが対象となります。緩和される高さとしては、最大で2m(10m→12m)となります。では、政令ですが、施行令第130条の10に規定されています。

たった2mですけど、されど2mです、緩和を受けるには特定行政庁の認定が必要となるので、建築計画の前から認定基準を確認しておく必要があります。

  • 空地率(%):100(%)ー都市計画により指定された建蔽率(%)+10(%)
  • 敷地面積:1,500㎡以上(特定行政庁が別途認める場合は、750〜1,500㎡の範囲)
[施行令第130条の10(第一種低層住居専用地域等内における建築物の高さの制限の緩和に係る敷地内の空地等)]

法第55条第2項の規定により政令で定める空地は、法第53条の規定により建蔽率の最高限度が定められている場合においては、当該空地の面積の敷地面積に対する割合が1から当該最高限度を減じた数値に10分の1を加えた数値以上であるものとし、同条の規定により建蔽率の最高限度が定められていない場合においては、当該空地の面積の敷地面積に対する割合が10分の1以上であるものとする。
2 法第55条第2項の規定により政令で定める規模は、1,500㎡とする。ただし、特定行政庁は、街区の形状、宅地の規模その他土地の状況によりこれによることが不適当であると認める場合においては、規則で、750㎡以上1,500㎡未満の範囲内で、その規模を別に定めることができる。

特定行政庁による許可

認定とは異なり、特定行政庁が許可すれば12mを超えて建築する事が可能です。ただし、次のいずれかに該当しなおかつ許可を受ける必要があります。

  • その敷地の周囲に広い公園、広場、道路その他の空地を有する建築物であつて、低層住宅に係る良好な住居の環境を害するおそれがないと認めて特定行政庁が許可したもの
  • 学校その他の建築物であつて、その用途によつてやむを得ないと認めて特定行政庁が許可したもの

なお、この許可受けるには、許可の前に建築審査会の同意を得る必要があります。

この許可ですが、絶対高さ制限が規定される前から建築されていた既存不適格建築物の場合において、増築する場合などが対象となるくらいに例外の許可と覚えておく事が無難です。むやみやたらに制限を解除する事はありません。通常の一戸建て住宅程度で許可を得る事は99%難しいと思います。

本記事のまとめ

この記事では、建築基準法第55条(第一種低層住居専用地域内における建築物の高さの限度)の規定について説明しました。

絶対高さ制限は、第一種低層住居専用地域、第二種低層住居専用地域、田園住居地域内において規定され、都市計画において10mまたは12mの数値が定められます。

又、建築物の敷地が一定の基準に該当しかつ特定行政庁が認定を行えば10mから最大で12mまで緩和する事が可能です。さらに、一定の基準に該当する建築物でかつ特定行政庁が許可を行えば12mを超えて建築する事も可能となっています。

ということで以上となります。ご覧いただいた皆様の参考になれば幸いです。