現在、建築物を無筋コンクリートで造ることはほぼ無いといって良いですが、雑学程度でも知ってもらおうと書いている記事です。ポイントしては準用規定を抑えればOKです。
こんにちは!建築士のやまけんです。
この記事を読むことで、無筋コンクリートの基準を知ることが可能です。
それでは、説明していきます。
無筋コンクリートの基準
無筋コンクリートの基準は、建築基準法施行令第80条に規定されており、次の政令が規定されます。
・第4節(令第52条をのぞく)
・令第71条(令第79条に関する部分をのぞく)
・令第72条
・令第74条
・令第75条
・令第76条
[施行令第80条(無筋コンクリート造に対する第四節及び第六節の規定の準用)]
無筋コンクリート造の建築物又は無筋コンクリート造とその他の構造とを併用する建築物の無筋コンクリート造の構造部分については、この章の第4節(第52条を除く。)の規定並びに第71条(第79条に関する部分を除く。)、第72条及び第74条から第76条までの規定を準用する。
これについて、条文に事にどういった規定なのかを詳しく規定すると次のようになります。
政令 | 概要 |
---|---|
第4節(組積造) | 組積造に関する基準 注)下記はポイントとなる政令のみ記載 ・令第51条:適用の範囲 ・令第54条:壁の長さの基準 ・令第56条:臥梁 ・令第57条:開口部の基準 ・令第58条:壁のみぞの基準 ・令第61条:塀 |
令第71条 | 鉄筋コンクリート造の適用の範囲に関する規定。なお、令第79条(鉄筋のかぶり厚さ)に関する部分を除く。 |
令第72条 | コンクリートの材料に関する基準 |
令第74条 | コンクリートの強度に関する基準 |
令第75条 | コンクリートの養生に関する基準 |
令第76条 | コンクリートの養生における型枠及び支柱の除去に関する基準 |
最近では、塀以外で組積造を見ることは滅多になくなった(あるとしたら公共施設のトイレや倉庫?くらい・・・)なので、組積造自体の設計経験も少なくなりつつあるのかなと思います。
そもそも無筋コンクリートの建築設計を行うこと自体が少ないから当然の結果かなと思いつつも、法律としては、今も昔(昭和)の名残が残っている状況なので、建築士としては知っておくべき知識の一つではあります。
また、これは建築士向けの話ですが、特に多くの住宅が建築された戦後から平成に入る前については、無筋コンクリートで基礎が設計されているケースがあるので、そうした場合でリフォームで住み続ける場合には、しっかりと補強工事の提案をしてあげましょう。
なお、無筋はアイスバーみたいなものと変わらないので、比較的規模の大きい地震で、ポキっと折れてしまいますので、そうなると、簡単に建築物は傾きます。地震前から対処して、地震後に、やっぱり補強工事をやっておけば良かったと建物オーナーから相談の電話を受けないためにも、建物オーナーに建替の必要性を含めて最適なプランニングしてあげることが最良の選択かなと思います。
ということで、今回の記事は以上となります。
記事というか、ただ、法律の基準を書いただけになったような気もしますが、皆様の参考になれば幸いです。