- Good-Byeはんこ文化
- 新型コロナウイルスにより経済が停滞している今だからこそ、脱ペーパー・はんこを実践し、生産性を高めて、アフターコロナ後でも稼ぐ”経営”を目指す
こんにちは!やまけん(@yama_architect)です。建築や都市計画に関する業務経験を活かして建築士や宅建士の方々に役立つ情報を発信しています。
新型コロナウイルスの感染拡大もあり、いかに人との接触を減らしつつ、現在の業務を進めることが会社経営において超重要なのは誰もが知るところですよね…。
しかしながら個人の建築事務所や不動産関係の方々は悩まれていると思います。
『自分達には絶対無理だって』
決してそのようなことはなく、そのような思考はすぐに捨て、今をチャンスと捉えて、コロナ以前よりも稼ぐイメージを持つ必要があると思います。
そのための方法の一つとして、可能な限りの”脱ペーパー”・”脱はんこ”は必須です。
では、今回の記事、電子契約について語っていきます。
何故、今”脱はんこ”なのか
建築や不動産に関する契約書関係は、印紙のコストがかかるとともに、契約書の「印刷・製本・送付・保管」が発生し、個人事務所や従業員が少ない事務所の場合には、特にこれら4つの作業に要する時間と4つ目の保管に要する面積が大きな課題となっているんじゃないかと思います。
これまで当たり前にやってきたら課題と捉えていない可能性もありますが、その場合は潜在的な課題に気づいていないだけです。
これらの課題を解決することで、
契約書等の「印紙税や書類作成・管理にかかるコストを削減」できると考えられます。
しかしながら、現状でも地方の役所を中心に印鑑を無くす取り組みは全くと言っていいほど進んでいません。ですので、「契約書を電子化し印鑑を無くすのは無理でしょ」って考えがちですよね。
正直な話、新型コロナウイルスの影響があっても、個人事務所や小規模人数の事務所の場合には、通常どおり事務所で仕事をされていると思いますから、従来どおりでいいと考えてしまうのは一般的だと思います。
しかしながら、現在、大手企業を中心に変化が起きようとしています。
新型コロナウイルスによりリモートワークが推奨されているにも関わらず、押印するために出社しなければならない状況を受けて、GMOグループの熊谷代表が”脱はんこ”に向けた取り組みを本格化させており、政府の一部でもそれに応じた動きが進みつつあります。
【政府が本気・みんなで脱ハンコをしよう】
個人はマイナンバーを。
法人は法的効力がある「GMO電子印鑑Agree」を。捺印痛勤撲滅キャンペーン中、1年間無料です。https://t.co/re38gYmGtS https://t.co/qGFL0pyTS8
— 熊谷正寿【GMO】 (@m_kumagai) April 27, 2020
こうした”脱はんこ”に向けた動きは、新型コロナウイルスを契機として、一部の民間企業と行政が率先して導入するようになりますし、行政側としても国内の生産性向上のために率先して進めると考えられます。(私の個人的な見解ですが、はんこ文化を無くす取り組みが加速するのは止められない動きとなります)
ですので、これからは、契約書から領収書に至る書類を電子化し、紙書類を無くすことで、次の時代を見据えた業務戦略を立てることが必要となります。
それに経営者なら薄々気づいていると思いますが、いつの時代も、倒産する企業は時代の流れについていけないときです。
逆に時代の流れについていった企業は、次の時代も生き残ります。
では、その電子契約について簡単に説明します。
電子契約とは?紙との違い
電子契約とはその名のとおりインターネットにおいて契約をする行為をいい、国においては、これらの普及等を図るために平成13年に電子署名法を施行しています。(約15年前から進んではいましたが、近年、スマートシティをはじめとするIot等のテクノロジーを活用したスマート社会の実現を図るため、ここ1・2年で急速に普及し始めている実感があります)
【電子署名法第3条】
電磁的記録であって情報を表すために作成されたもの(公務員が職務上作成したものを除く。)は、当該電磁的記録に記録された情報について本人による電子署名(これを行うために必要な符号及び物件を適正に管理することにより、本人だけが行うことができることとなるものに限る。)が行われているときは、真正に成立したものと推定する。
👉文書が証拠として認められるためには、本人の意思でその文書を作成したこと(文書の成立の真正)を証明する必要があるとされていますが、本人の署名又は押印があるものについては、本人の意思によるものと推定されると民事訴訟法第228条に規定されていますが、電子署名法第3条には電磁記録における取り扱いが定められています。
では、紙と電子契約の違いについて簡単に説明しておきます。
経営者視点から言えば、印紙代が不要となる点だと思います。
この点については国税庁のホームページをご覧頂けると分かると思いますが、インターネット検索において「電子署名 印紙 不要」と検索すればその根拠解説を行なっているブロガーの方がいっらしゃるので分かると思います。
電子契約 | 紙契約 | |
---|---|---|
形式 | 紙 | |
押印 | 電子署名または電子サイン | 印鑑・印影 |
本人かどうかの担保 | 電子証明書 | 印鑑証明書 |
改ざん防止 | タイムスタンプ※1 | 契印・割印 |
送付(印刷・製本) | インターネット通信 | 郵送・持参 |
保管 | サーバー(クラウド) | 書棚 |
印紙 | 不要 | 必要 |
※:一部引用:GMO電子印鑑Agree公式ホームページ
※1:ある時刻にその電子データが存在していたことと、それ以降改ざんされていないことを証明する技術のことで、タイムスタンプに記載されている情報とオリジナルの電子データから得られる情報を比較することで、タイムスタンプの時刻から改ざんされていないことを確認することが可能
脱紙・脱はんこを促進
建築や不動産業界においては、設計図書や契約書類を上司がチェックするためにわざわざ紙で印刷することがあると思いますが、これって減らすことができるんですよね。
というのも、なんで紙じゃなきゃチェックできないんですかね…100%絶対ということはないですよね。
私個人の意見としては、ただただそれが仕事している風に見えるからだと考えています。設計図書のチェックについては、大型のディスプレイさえあれば全く問題はないです。
紙じゃなきゃ絶対ダメという人は必ずいますが、そこを努力して改善することで無駄なコストの削減が可能になると考えられます。(大型プロッターによる出力の料金を考えると本当に無駄すぎますね・・・)
電子契約サービスを提供している企業
電子契約については、国内のIT企業が電子署名法に基づく電子契約書類をクラウド上で行うことが可能なサービスを提供している企業が国内には数社あります。
わたしとしては、ツイッターでも話題の”脱はんこ”を推進している熊谷氏率いるGMOグループが提供している『Agree』が理解しやすいかなと思いました。ブログをされている方ならGMOグループは誰もが知っていると思いますよね。
GMOさんのサイトではインターネットに詳しくない方でも理解しやすいように電子契約について説明されていますので、ITに弱い方でも導入ハードルがグッと下がっている印象です。
なお、個人事務所等の場合には、本格導入する前に試行的に検証するのが良いかなと思います。
現時点ではデメリットもある
ただし、現時点ではデメリットの部分もあります。
それは、契約等を行う相手側の理解が必要となることです。
どうしても『紙』がいいという個人・法人お客さんは根強くいますし、これからも”ゼロ”になることはないでしょう。それに現時点では地方行政は絶対に『紙書類』ですね。
なので、これから数年は『紙』に要するコストと手間は減少傾向となるものの一定の割合で生じると思われます。とはいえ、電子契約はBtoB・BtoCにおいて非常に利便性が高いので、いずれ電子契約の普及率が格段に向上すると想定されるところです。
つまり、誰もが遅かれ早かれ電子契約に触れることとなります。ですので、新規顧客の獲得という面でも自身の会社は電子化を進めているとアピールする絶好の機会じゃないかなとも思います。
まとめ
ということで今回は脱紙・脱はんこの時代が到来するので今から準備しようという話をしました。
これからの社会の流れとして、こうした効率化に向けた動きは今後益々加速すると考えられます。だからこそ大企業が行う前に個人事務所や小規模な事務所は率先して取り組んで、次の時代に乗り遅れないようすることが肝要かと思います。
それでは以上となります。参考となれば幸いです。