【衰退とは既得権益を誇示したときに訪れる】圏域行政に思うこと

『圏域行政』を知っていますか?

地制調(地方制度調査会※1)という言葉も耳慣れないと思いますが、地方自治制度のあり方を考える会議です。もっとも大きな役割としては国から地方に配分する将来的な財政負担を軽減することが狙い、そのために必要な制度改革を答申するものです(現在の財政運営上の枠組みでは国の借金が増えるだけなので当然かなと思います)

※1【地方制度調査会設置法第1条(目的)】
この法律は、日本国憲法の基本理念を十分に具現するように現行地方制度に全般的な検討を加えることを目的とする。

今回の圏域行政ですが、簡単に言うと、これから地方で急速に進む人口減少と超高齢社会が訪れるので、人口規模が小さい市や町や村は財政上、存続することができない可能性が非常に高いので、合併とはいわないが、ある圏域内の複数市町村は現在の行政の枠組みを越えてより連携した一体的な行政運営をしていきましょうというものです。

総務省:『規模の小さい町や村!! なんで合併しないんだ!!』
町・村:『合併したら、まちが消滅しアイディンティティが・・・、それに中心都市に人が流れてしまう』

気持ちは分かるんだけど、『これからの町村行政と新たな圏域行政に関する特別決議』を読むと、感情的に批判しているし、こんなんじゃ町や村の住民は何も響かないんじゃないかなーと思ってしまう。

ただただ反対し要望という形式は中央集権の従属関係の肯定にしか思えないですよね。

ちょっと手間ですが例えば、そのような圏域行政が制度化されても、私達は○○という理由から制度の利用は行わないと、日常生活圏を共にする複数市町村でWEBアンケート等を行ってみてはどうかと思います。

また、各自治体が郊外の住民から反対を受けながらもコンパクトシティを進めている中町や村には関係ないとして全く何も施策を講じていない小規模市町村もあるので、国からしたらいい加減にしてくれって感じなんだと思います。

財政運営上の効率化も図らないで、日常生活圏域の中に同様な公共施設が重複しているのに、その建設費に補助金をちょうだいと言われたら、おいおいダメだろって言いますよね・・・w

話は戻り、当然、圏域行政を行ったら町や村からは『そんなことしたら、中心都市に人口や公共施設が誘導されてしまう』という反発をもらうことになるでしょう。

けど、よく考えて欲しいんですが、町や村を残したいんじゃなくて、行政組織を残したいだけですね。

今の日本の郊外は買い物や医療、福祉といったサービスを受けるのに不便なだけで、餓死するような事態になることってないですよね。また、時別決議ですが、『衰退を招く』といいますが、日常生活圏がこれだけ拡大している中で一つの市町村の域内で行政運営を考えること自体が時代の進展に追いついていないと考えられないでしょうか。

合併・圏域行政ともに行わず、それを住民が選択したのであれば、国から財政上のペナルティを受けようとも行政と住民が必死に守っていけばいいだけだと思うのです。つまり、圏域行政を進めようとする国の動きに対し、おそらく圏域行政賛成派の住民の方が多数だから制度化されるのを恐れているんですよね。

何に恐れているのが全く理解できないんですよね。中心部から外れた縁辺部の方々にはこれまでもこれからも日常生活に変わりはないし、テクノロジーの発展により住みやすくなる確率の方が高いと思います。

これは個人的な考えですが、町や村を赤字財政にせず、クリエイティブに町村民の未来を考え個々に必要な施策を導き出し、実行できる人が多くいるとは思えませんし、都道府県や指定都市、中核市の中でも一握りしかいないと思われる優秀人材が町や村に一人いたとしても出る杭は打たれます。

というよりも、知識はより大きな圏域でシェアした方が効率が良いとは思いませんか?、そしたら規模の小さい町や村には財政投資されなくなると考えがちですが、そこが大きな勘違いで、公平性・効率性が求められる行政運営である特定地域に財政投資できるわけがない。ないならある特定地域に財政投資する理由を住民や民間企業が稼いだり積極的な生産活動を通じてつくりあげていけばいいんです。

まぁ、、、それでも圏域行政については、『2040 年頃から逆算し顕在化する諸課題に対応するために 必要な地方行政体制のあり方等に関する答申(素案)』から削除されたので、地方自治恐るべしですね。

普段、地方行政の役割はあまり考えないですが、地方自治のあり方を住民や企業自らが考えるきっかけが必要なんだと思います。公務員だけが考えるまちづくりはもう既に終わりを迎えています。