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【新住宅市街地開発法】重要事項説明(売買・賃借)の解説

こんにちは!やまけんです。

建築や都市計画、不動産に関して普段の業務に役立つ情報を発信しているブロガーです。

この記事では、重要事項説明(売買・賃貸)の対象となる新住宅市街地開発法について、どのようなを説明を行わなければならないのか説明していきます。




新住宅市街地開発法とは?

新住宅市街地開発法とは、いわゆる大都市近郊に整備される(されたが正しい)大規模なニュータウンのことです。

施行者は、都道府県、政令指定都市、都市再生機構等となり、平成31年3月31日現在で、全国36都市、48地区において新住宅市街地開発事業が行われています。

最も大切なこととしては、ほぼ9割以上の事業が昭和の人口増大期(昭和40・50年代)において整備されているため重説対象はほぼないということです。※注)千葉ニュータウンくらいかなと思います(記事執筆時点ですので、取引する土地が新しい郊外型の住宅団地であれば留意してください)。

なお、新住宅市街地開発事業により指定を行った都市については国土交通省が公表している「都市計画施行状況調査」により確認することが可能です。

 

つまり、新住宅市街地開発法に基づく『新住宅市街地開発事業』は都市計画決定が必要となります。

ですので、必ず市町村が公表している都市計画情報に掲載されていますから、取引する土地や建物が事業の区域内であるかどうはGoogleにて「〇〇市町村 新住宅市街地開発事業」と検索するか、各市町村のホームページから都市計画情報を確認することでチェックすることが可能です。

基本的に現代においてはかなりレアな例にあたると思います。

ですので、新住宅市街地開発事業に該当する場合には、いつごろ完了した事業なのかをチェックすれば、説明するべき内容かどうかの判断が容易に可能です。

売買・賃貸の重要事項説明対象条項

重要事項説明の対象となるのは、新住宅市街地開発法第31条及び第32条第1項の規定となります。そのうち、賃貸については法第31条が対象外となります。

新住宅市街地開発法 概要
売買 第31条(建築物の建築義務) 建築物を建築すべき宅地を譲り受けた者(国等を除く。)は、その譲受けの日の翌日から起算して5年以内に、処分計画で定める規模及び用途の建築物を建築しなければならない。
売買・賃借 第32条第1項(造成宅地等に関する権利の処分の制限) 工事完了公告の日の翌日から起算して10年間は、造成宅地等又は造成宅地等である宅地の上に建築された建築物に関する所有権や使用貸借権、賃借権等の設定・移転等については、省令で定めるところにより、当事者が都道府県知事の承認を受けなければならない。

第31条(建築物の建築義務)については、新住宅市街地開発事業により譲り受けた宅地については、譲り受けた日の翌日から起算して5年以内に建築(計画に定められた規模・用途)しなければならないとするものです。

また、第32条第1項については、新住宅市街地開発事業工事完了公告後10年間は、建築物に関する所有権や賃借権等の移転等に関して都道府県知事の承認を受けなければならないとするものです。

【新住宅市街地開発法第31条(建築物の建築義務)】
施行者又は第23条第2項の規定により処分計画に定められた信託を引き受けた信託会社等から建築物を建築すべき宅地を譲り受けた者(その承継人を含むものとし、国、地方公共団体、地方住宅供給公社、特定信託会社等その他政令*1で定める者を除く。)は、その譲受けの日の翌日から起算して5年以内に、処分計画で定める規模及び用途の建築物を建築しなければならない

【新住宅市街地開発法第32条第2項(造成宅地等に関する権利の処分の制限)】
第27条第2項(=事業完了公告)の公告の日の翌日から起算して10年間
は、造成宅地等又は造成宅地等である宅地の上に建築された建築物に関する所有権、地上権、質権、使用貸借による権利又は賃借権その他の使用及び収益を目的とする権利の設定又は移転については、国土交通省令で定めるところにより、当事者が都道府県知事の承認を受けなければならないただし、次の各号のいずれかに掲げる場合は、この限りでない。
一 当事者の一方又は双方が国、地方公共団体、地方住宅供給公社その他政令で定める者である場合
二 相続その他の一般承継により当該権利が移転する場合
三 滞納処分、強制執行、担保権の実行としての競売(その例による競売を含む。)又は企業担保権の実行により当該権利が移転する場合
四 土地収用法その他の法律により収用され、又は使用される場合
五 その他政令で定める場合

では、具体的な手順を確認します。

重要事項説明の手順

①取引する土地・建物がニュータウンなどの住宅団地内かどうか確認する
*住宅団地外でも新たに認定を受けて新住宅市街地開発事業に基づく事業を行う可能性は否定できませんので、できる限り取引リスクを避けたい方は各市町村の都市計画情報の確認をすすめます。

②住宅団地内であれば市町村の都市計画情報を確認し、新住宅市街地開発事業の区域かどうか確認する。

③事業区域内である場合には、事業の完了年月日を確認する。
*事業完了が平成初期程度までなら説明する必要はありません。事業完了が取引する年月日の10年以内であれば法第32条第1項の内容を記載し、説明します。

*記載例
本物件は、新住宅市街地開発事業に基づき整備されているため、新住宅市街地開発法第32条第1項の規定に基づき、●年●月●日までの間に所有権、地上権、質権、使用貸借権・賃借権を新たに設定又は権利を移転する場合は、当事者(売主・買主双方)において権利処分承認申請書を都道府県知事に提出し、承認を得る必要があります。
※承認申請に関する都道府県のホームページを参考まで添付すると親切です。
(参考)千葉県ホームページ

通常は、土地・建物取引にあわせて承認申請を行うことになるため、重要事項説明の前に取引双方から書類に必要事項を記載してもらうことなるかと思いますが、取引により取得した者がさらに第三者に転借する可能性もあるため説明します。

なお、新住宅市街地開発事業は良好な住宅街を形成することを目的に都市計画決定され整備が行われており、そのため詳細に土地利用計画が決まっているので、事業者(都道府県)が公表している事業概要や土地利用計画を取引前の事前に確認し、どのような建物用途の制限が行われているか確認する必要があります。

 

ということで以上です。参考になれば幸いです。