【沿道整備法】重要事項説明での沿道整備法とは?何を説明すればいいの?

この記事では、土地や建物の売買において必須となる重要事項説明のうち、沿道整備法に関する説明は何をすればいいの?という疑問に答えていきます。

こんにちは!やまけんです。

建築や都市計画、不動産に関する業務に役立つ情報を発信しているブロガーです。もともとは土木・建築職の公務員でして、今はコンサルやっています。

では、沿道整備法について、はじめに説明しなければならない内容(結論)から解説していきます。




沿道整備法において説明する内容

沿道整備法とは、『幹線道路の沿道の整備に関する法律』といいます。そもそも沿道整備法とは何?と思うかもしれませんが、後ほど説明していくので、まずは重要事項説明において説明する条項は次の第10条の規定です。

このうち、第1項と第2項(第1項の変更)に関して説明する必要があります。

【重要事項説明の対象】
沿道整備法第10条第1項・第2項

具体的には、都市計画で定められた『沿道地区計画』内において、土地の区画形質の変更や建築物の新築等を行う場合には、その行為に着手する30日前までに市町村に届出を行ってくださいとするものです。

いわゆる地区計画の届出と同じ方法です。

なお、沿道地区計画が定められていても、方針のみで地区計画の中に地区整備計画が定められていない場合には届出は不要となります。また、第2項の規定では、届出後、内容を変更する場合には、その変更に係る行為に着手する30日前までに市町村長に届出を行ってくださいとするものです。

【沿道整備法第10条第1項・第2項抜粋】
沿道地区計画の区域(略)内において、土地の区画形質の変更、建築物等の新築、改築又は増築その他政令で定める行為を行おうとする者は、当該行為に着手する日の30日前までに、国土交通省令で定めるところにより、行為の種類、場所、設計又は施行方法、着手予定日その他の国土交通省令で定める事項を市町村長に届け出なければならない。ただし、次に掲げる行為については、この限りでない。
 通常の管理行為、軽易な行為その他の行為で政令で定めるもの
 非常災害のため必要な応急措置として行う行為
 国又は地方公共団体が行う行為
 都市計画事業の施行として行う行為又はこれに準ずる行為として政令で定める行為
 都市計画法第29条第1項の許可を要する行為その他政令で定める行為
 (略)
 前項の規定による届出をした者は、その届出に係る事項のうち国土交通省令で定める事項を変更しようとするときは、当該事項の変更に係る行為に着手する日の30日前までに、国土交通省令で定めるところにより、その旨を市町村長に届け出なければならない。

沿道整備法第10条第1項・第2項抜粋

沿道地区計画区域内の土地等の売買の場合には、建築条例を行っていないか確認しましょう。

建築条例により制限を定めている場合は、建築等を行う場合には建築確認申請時に審査されることとなるので、沿道地区計画の有無のほかに建築条例化を行っていないかどうか留意しておきたいところです。

制限の内容ですが、最低開口率(建築物の沿道整備道路に面する部分の長さ/敷地の沿道整備道路に接する部分の長さ)、防音、遮音、用途、敷地面積、かき作などが定められているので、詳しくは取引ごとの沿道地区計画を自治体のホームページなどで確認してみてください。

では、そもそも沿道地区計画とは何かについて説明していきます。

沿道地区計画とは?

沿道地区計画とは簡単に言ってしまうと、幹線道路沿線沿いの住環境を確保するためにその対策等を行うものとして昭和55年に誕生した沿道整備法を構成する規定の一つです。

法律(沿道整備法第9条第1項)では、市街化区域内等において、沿道整備道路に接続する土地の区域で、道路交通騒音により生ずる障害の防止と適正かつ合理的な土地利用の促進を図るため、一体的かつ総合的に市街地を整備することが適切であると認められるものについては、都市計画に沿道地区計画を定めることができるとされています。

沿道整備道路とは?
沿道整備道路とは、都道府県知事が国土交通省大臣に協議し同意を得て指定するものです。
幹線道路(高速道路、都市計画道路)のうち、自動車日交通量が1万台を超えていたり、道路交通騒音(夜間は65デシベル、昼間は70デシベル)をある地域などの道路交通騒音により生じる障害の防止と沿道の適正な土地利用を図る必要があるとする場合に指定が行われます。

この沿道地区計画は、2020年3月末現在で、49地区指定されています。

とはいっても、指定されているのは都内と大都市のみで、かつ、幹線道路沿線ですので、面積としても646haとかなり少ないですから、次の地区以外は基本的に沿道地区計画はないものと捉えてもらってOKだと思います。(一応、国道などの幹線道路沿いの場合には、自治体の都市計画情報をチェックしましょう。)

沿道地区計画の指定状況(2019年3月末)

都市名地区名等地区計画の箇所数
品川区中原街道1箇所
目黒区環七1箇所
太田区環七、中原街道、環八3箇所
世田谷区環七、環八16箇所
中野区環七1箇所
杉並区環七、環八2箇所
北区環七1箇所
板橋区国道254号線、環七、環八5箇所
練馬区環八、環七、笹目通り5箇所
足立区環七、国道4号6箇所
葛飾区環七1箇所
江戸川区環七1箇所
四日市市国道23号1箇所
尼崎市国道43号(開明地区、道意地区、竹谷地区、武庫川地区、元浜地区、城内地区)*方針のみで地区整備計画は定められていない。5箇所

まとめ

今回は、重要事項説明のうち、沿道地区計画についてまとめました。

沿道地区計画の中で建築等を行う場合には、行為に着手する30日前までに市町村長への届出が必要となります。

なお、届出様式は省令で定めているほか、自治体のホームページでも公表しているところが多いようですので各自治体のホームページを参照するようにしてみてください。

制限の内容については、各々の地区計画の地区整備計画にかかれているので、地区計画の計画書を確認するようにしてください。

それでは以上となります。