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[材料強度と香りの効果]杉(すぎ)と桧(ひのき)。どっちが好き?

この記事では、杉の檜の材料強度の違いと杉・檜の効果を書いている記事です。

こんにちは!YamakenBlogを運営しているやまけん(@yama_architect)といいます。
このブログは、趣味で建築や都市計画、不動産に関して業務に役立つ豆知識を発信しています。




杉派・桧派?

いきなりですけど、最近、こちらのサイトを見てから無性に”木造建築物”に惹かれるのです!!

すでに知っている方もいると思いますが、『中大規模木造建築ポータルサイト(所管省庁:国交省・林野庁)』です。

これを知ってから『木造』建築物を勉強し直してる方もいるんじゃないでしょうか?(たぶん)

自分で素敵な木造・木質化建築物(できればスタバみたいなおしゃれなやつ)で賃貸住宅でも運営できれば最高〜〜♪(結局、金かよ!と思った方すみませんw)

ではでは、杉と桧、どちら派ですか?

一般的には杉材の方が入手しやすいので、木造住宅といえば”杉”ってイメージかもしれないのですが、わたしも含め花粉症(建築の材料としては関係ないけど。笑)なので、個人的には杉が苦手です(杉さんすみませんw)。

杉よりも香り豊な”桧”の方が好きです。

ということで、杉と桧を比較してみました!!(笑)

杉と桧の材料強度

まずは、材料強度の比較です。

木材の基準強度を知る方法としては、在来軸組工法の場合における無垢材の繊維方向の許容応力度(材料に生じる応力度で、作用しても問題がない力のこと。)が建築基準法施行令第89条第1項に基づいて、平成12年5月31日建設省告示第1452号に規定されているんです。

在来軸組構造の構造計算をやったことがある方なら知っていると思います。ちなみにわたしは審査しのみで構造設計した経験がありません…

建築基準法施行令第89条第1項では、Fc(圧縮)、Ft(引張)、Fb(曲げ)、Fs(せん断)は、それぞれ木材の種類及び品質に応じて国土交通大臣が定める圧縮、引張り、曲げ及びせん断に対する基準強度(N/㎜2)・・・告示であるとされています。

では、この告示はどうなっているかというと、在来軸組工法の場合には、大きく3つに括られます。1つ目が目視等級区分(JAS:日本農林規格)、2つ目が機械等級区分(JAS:日本農林規格)、最後に無等級材となります。

目視等級区分(乙種構造材:通柱・2級)の材料強度比較

JASの目視等級区分で通し柱の2級材の場合、杉と桧で比較すると、桧の方が材料強度が高いです。(さすが桧さんw)

樹種構造用製材区分区分等級Fc(圧縮)Ft(引張)Fb(曲げ)Fs(せん断)
目視等級区分乙種構造材二級20.412.620.41.8
目視等級区分乙種構造材二級27.016.227.02.1
桧ー杉6.63.66.60.3
目視等級区分における杉と檜の許容応力度の違い*出典:H12建告第1452号第一
  • 目視等級区分には、甲種構造材(曲げ性能を必要する部分:土台、大引、根太、梁、桁、筋交)と乙種構造材(圧縮性能を必要とする部分:通し柱、管柱、床束、小屋束)があり、材面の品質に応じて1級から3級に区分されており、1級が最も節や割れ等が少なく許容応力度が高く設定されている。

機械等級区分の材料強度比較

JASの機械等級区分の場合ですと、杉だとE70、檜だとE90あたりが多いようです。
(育った土地によって頻出率が異なるみたい)。この場合、杉と檜で比較すると、こんな感じです。
結局、檜の方が材料強度は高いようです。

樹種構造用製材区分等級Fc(圧縮)Ft(引張)Fb(曲げ)Fs(せん断)
機械等級区分E7023.417.429.41.8
機械等級区分E9024.618.630.62.1
機械等級区分における杉と檜の許容応力度の違い*出典:H12建告第1452号第二
  • 機械等級区分には、機械によりヤング係数を測定しているもので、目視等級区分の乙種構造用の3級を満たすものでE50〜E150(曲げヤング係数)で等級が定められており、E150が最も許容応力度が高いようです。調べてみると、E70やE90が多いみたいです。
  • 機械等級区分の認証工場は、国内に86社(スギ:59社、ヒノキ:43社)程度となっています。
    *製材等JAS認証工場名簿(2020年8月17日)http://www.jlira.jp/data/factory.html

最後に無等級材(JAS以外)の材料強度です。一般的に流通されているのは無等級材です。

無等級材の材料強度比較

無等級材とは、JAS(日本農林規格)に定められていない木材のことです。

H12建告示では、無等級材の材料強度を定めており、無等級材を使用する場合は、この表に記載している数値以外の材料強度は使用することはできません。なお、無等級材の場合でも、檜の方が許容応力度が高いです。

つまり、この材料強度よりも上のものを使って、スパン長を長くしたい、階高を上げたい場合には、JASの構造用製材を使用する必要があります。

ちなみに、杉の場合には、目視等級区分甲種構造材であれば二級以上、乙種構造材の場合には一級品でも曲げが弱くなるため、機械等区分のE50以上を利用すればOKです。
檜の場合には、目視等級区分甲種構造材であれば三級以上、乙種構造材であれば二級以上。機械等級区分の場合にはE90以上を利用すればOKです。

樹種Fc(圧縮)Ft(引張)Fb(曲げ)Fs(せん断)
17.713.522.21.8
20.716.226.72.1
無等級材における杉と檜の許容応力度の違い*出典:H12建告第1452号

一般的に流通されているものの多くはJAS認証以外の”無規格”が多いようです。

次に材料強度以外の効果(癒し効果)についてです。

桧にあって、杉には無い効果

杉の方が檜に比べて単価が安いのは確かですし、入手のしやすさからいっても杉です。
というのも、国内の人工林(約1,020万ha)のうち、約44%は杉(約444万ha)で、檜は約25%(260万ha)となっています。
*出典:林野庁ホームページ

けれど、杉には無い効果が檜にはあるんですよ〜〜♪(まるで檜だけが好きみたいに思われるかもですが)

作用、癒し効果樹種
快眠、ストレス軽減檜、杉
発汗、脈拍抑制檜、杉
冷えの軽減檜、杉
高血圧抑制
爽快感、疲労感の軽減
鎮静(α、θ波の増大)檜、杉
運動量の増加
胃粘膜の防御因子の増強檜、杉
亜硫酸ガス脱臭作用、アンモニア脱臭作用
抗菌
防蟻
防ダニ檜、杉
木の香りの人体への作用・癒し効果(檜・杉のみ)
*出典:中大規模木造建築ポータルサイトhttps://mokuzouportal.jp/guide/index.html

まとめ

ということで、桧と杉について、材料強度と香りの効果について比較してきました。

コスト面(この記事ではコストの面を上げていないですが、コストは杉<檜となります。)を除けば、桧一択じゃない!?というのが結論です。

桧は杉に比べて成長スピードが遅い(建材として使用できるまでに一般的に杉は30年以上、桧は40年以上)ので、その分、コストに影響しますけどやっぱりいい材料だな〜なんて思ってます。

ちなみに、多くの人が知っている法隆寺の五重塔は、檜材を使っていて1,300年以上も生きているんですよね。ほんとすごいなって思います。
*出典:大阪市製材業協同組合

それでは、また〜〜♪






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ABOUT US
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YamaKen都市計画(まちづくり)を通じて都市を美しくしたい人
【資格】一級建築士、一級建築基準適合判定資格者、宅建士など 【実績・現在】元国と地方自治の役人:建築行政・都市計画行政・公共交通行政・まちづくりなどを10年以上経験 / 現在は、地元でまちづくり会社を運営し、都市に関わるコンサルタントや住宅設計、執筆活動を行っています。