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保有水平耐力計算(ルート3)で適用除外される構造方法を解説(施行令第36条第2項第一号)

それでは今回の記事では、保有水平耐力計算(施行令第81条第2項第一号イ)で適合させなければならない構造方法に関する技術的基準を解説しています。
施行令第36条第2項第一号に規定されているものでして、よく一級建築士試験の問題として出題されるので、試験勉強されている方の参考になるとおもいますので記事にしてみました!

こんにちは!やまけん(@yama_architect)といいます^ ^
このブログでは、自由気ままに建築や都市計画、不動産などに関して業務に役立つ豆知識を発信しています♪

では、早速解説していきます。




保有水平耐力計算の構造方法

保有水平耐力計算は施行令第36条第2項第一号に書かれています。保有水平耐力計算とはルート3のことでして、施行令第81条第2項第二号イに掲げる構造計算となります。

この施行令第36条第2項第一号は、適合しなければならない構造方法が記載されており、適用しない構造方法については、かっこ書きにより「除く」と書かれています。かっこ書きが多くちょっと分かりづらい部分です。

法令では次のように書かれていますww

(建築基準法施行令第36条第2項第一号)
 法第20条第1項第二号イの政令で定める技術的基準(建築設備に係る技術的基準を除く。)は、次の各号に掲げる場合の区分に応じ、それぞれ当該各号に定める構造方法を用いることとする。

 第81条第2項第一号イに掲げる構造計算によつて安全性を確かめる場合 この節(=第1節:総則)から第4節の2まで、第5節(第67条第1項(同項各号に掲げる措置に係る部分を除く。)及び第68条第4項(これらの規定を第79条の4において準用する場合を含む。)を除く。)、第6節(第73条、第77条第二号から第六号まで、第77条の2第2項、第78条(プレキャスト鉄筋コンクリートで造られたはりで2以上の部材を組み合わせるものの接合部に適用される場合に限る。)及び第78条の2第1項第三号(これらの規定を第79条の4において準用する場合を含む。)を除く。)、第6節の2、第80条及び第7節の2(第80条の2(国土交通大臣が定めた安全上必要な技術的基準のうちその指定する基準に係る部分に限る。)を除く。)の規定に適合する構造方法

建築基準法施行令第36条第2項第一号

繰り返しですが、一見すると分かりづらいです。ですので、大きくは3つに分解すると分かりやすいいはずです。*鉄骨造、鉄筋コンクリート造に分類が可能

(鉄骨造)
① 第67条第1項(同項各号に掲げる措置に係る部分を除く。)及び第68条第4項(これらの規定を第79条の4において準用する場合を含む。)を除く。

(鉄筋コンクリート造・鉄骨鉄筋コンクリート造)
② 第73条、第77条第二号から第六号まで、第77条の2第2項、第78条(プレキャスト鉄筋コンクリートで造られたはりで2以上の部材を組み合わせるものの接合部に適用される場合に限る。)及び第78条の2第1項第三号(これらの規定を第79条の4において準用する場合を含む。)を除く。

(特殊な構造方法)
③ 第80条の2(国土交通大臣が定めた安全上必要な技術的基準のうちその指定する基準に係る部分に限る。)を除く。

こちらの表では、法令に書かれている適用除外について、その条項ごとにその内容を表形式にまとめているものです。

鉄骨造である第5節の規定については、施行令第67条第1項(ボルト接合等)

施行令等概要適用除外規定
第5節鉄骨造・接合第67条第1項(概要のみ)
鋼材の接合は、高力ボルト接合・溶接接合・リベット接合等とする。

(注)第67条第1項各号に掲げる措置に係る部分は適用除外が不可。
 ・ ボルトをコンクリートで埋め込むこと。
 ・ ボルトに使用するナットの部分を溶接すること。
 ・ ボルトにナットを二重に使用すること。等
(注)第79条の4準用(SRC造)を含む
第5節鉄骨造・ボルト第68条第4項(概要のみ)
ボルト孔径はボルトの径より1㎜を超えてはならない規定(20㎜以上の場合は、1.5㎜まで可)

(注)第79条の4準用(SRC造)を含む
第6節鉄筋コンクリート造次の規定について適用除外(概要のみ)

・第73条:鉄筋の継手・定着
・第77条第二号:柱の主筋は帯筋と緊結
・第77条第三号:柱の帯筋は6㎜以上、間隔は15㎝以下・主筋の径の15倍以下
・第77条第四号:柱の帯筋比は、0.2%以上(S56建告1106号)
・第77条第五号:柱の小径は、支点間の距離の1/15以上(ただし、H23国交告433号で構造計算した場合を除く)
第77条第六号:柱の主筋の断面積の和はコンクリートの断面積の0.8%以上
・第77条の2第2項:プレキャスト鉄筋コンクリート床版(厚さ:8㎜以上・短辺方向の有効張間の1/40以上、引張鉄筋の間隔:短辺20㎝以下・長辺30㎝以下かつ厚さの3倍以下など)
・第78条:梁の構造(構造耐力上主要な部分である梁は、複梁とする。肋筋を梁の丈の3/4以下の間隔配置)
・第78条の2第1項第三号:耐力壁の鉄筋(径9㎜以上の鉄筋を縦横に30㎝以下の間隔で配置等)
(注)第79条の4準用(SRC造)を含む
第80条の2構造方法に関する補則国土交通大臣が定めた安全上必要な技術的基準のうち、その指定する基準に係る部分を除く。*一部の仕様規定
保有水平耐力計算において適用除外する規定






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YamaKen都市計画(まちづくり)を通じて都市を美しくしたい人
【資格】1級建築士、建築基準適合判定資格者、宅建士など 【実績・現在】元役人:建築・都市計画・公共交通行政などを10年以上経験 / 現在は、まちづくり会社を運営:建築法規・都市計画コンサル,事業所の立地検討,住宅設計など