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中古住宅購入は[グリーン住宅ポイント(令和3年10月31日まで)]の活用がおすすめ。

グリーン住宅ポイントとは、一定の省エネ性能(長期優良住宅や低炭素建築物など)を有する住宅の新築やリフォーム等に対して、商品や追加工事と交換できるポイントを付与する制度で、新型コロナウイルス感染症の影響により落ち込んだ経済の回復を目的に国(国土交通省)が行っている事業です。

ポイントは二種類あり、「商品交換」か「追加工事」に使用でき、最大で100万ポイント付与されます。ポイントと言っても大したことないんじゃないかと思う方もいるかもしれないのですが、交換できる商品というのが、約27,000商品(記事執筆時点)以上が掲載されているので、おそらく「す、すごっ!」となります。
>>グリーン住宅ポイント交換商品検索(外部リンク)

こちらの制度、一見すると省エネ性能の高い住宅を建築したり、リフォームすることが対象と思われがちなのですが、実は、通常の中古住宅を購入(一定要件あり)するだけでもポイントとなりますので、これから中古住宅を購入しようと考えている方は、この記事を参考にしてみてください。

こんにちは!やまけん(@yama_architect)といいます^ ^
YamakenBlogでは、建築や都市計画、不動産に関して業務に役立つ豆知識を発信しています♪




グリーン住宅ポイントの全体概要

出典
https://www.mlit.go.jp/report/press/house04_hh_001004.html

はじめに概要からです。

グリーン住宅ポイントの対象は4つあります。

  1. 新築(最大100万Pt)
  2. 既存(最大45万Pt)
  3. リフォーム(最大60万Pt)
  4. 賃貸(10万Pt/戸*総戸数)

新築の場合には、認定長期優良住宅や認定低炭素建築物であり、かつ特例要件(東京圏からの移住や3人以上の子どもがいる世帯など)に該当すれば100万ポイント付与されるので、新築住宅を予定していたり令和2年12月15日以降に契約しているのであれば、必ず活用した方がよさそうです。

また、賃貸住宅(トップランナーに該当する省エネ住宅。発注者にポイント付与)の場合には、10万ポイント*総戸数のポイントが付与されるので、賃貸経営される方にもおすすめできると思います。

リフォームについては少額工事だとちょっと手間?かなと思いますけど、ある程度のポイントが付与されますし、不動産取引において改修して売却する場合にも利用できそうです。

それから、今回の記事の本題である「既存住宅」の購入です。既存ストック活用の観点から対象となっているんでしょうけど、省エネ要件がないのでかなりお得だと思います。
詳しくは後述しますので、参考にしてみてください。

それぞれを簡単に概要にまとめると次のようになります。

新築

項目概要
対象住宅下記のいずれかに該当する住宅

・注文住宅の新築
・新築分譲住宅の購入
*分譲住宅の売買契約日は完了検査済証発行日の1年以内で人が居住していないこと
対象期間R2.12.15〜R3.10.31までに工事請負契約(分譲住宅は売買契約)
居住要件所有者自らが居住する住宅
住宅の性能(基本ポイント)下記のいずれかに該当する住宅

・認定長期優良住宅
・認定低炭素建築物
・性能向上計画認定住宅
・ZEH
・断熱等性能等級4+一次エネルギー消費量等級4以上
特例(加算ポイント)下記のいずれかに該当する場合はポイント加算

・東京圏からの移住
・多子世帯
・三世代同居仕様
・災害リスクが高い区域からの移住
新築の場合の対象要件(出典:https://greenpt.mlit.go.jp/new-house/)

既存

項目概要
対象住宅既存住宅の購入
*「不動産登記事項証明書」に新築と記載された日付が令和元年12月14日以前の住宅が対象
*売買契約額が100万円(税込)以上の住宅
対象期間R2.12.15〜R3.10.31までに売買契約
居住要件所有者自らが居住する住宅
住宅の性能(基本ポイント)下記のいずれかに該当する住宅

・空き家バンク登録住宅
・東京圏(条件不利地域を除く。)からの移住のための住宅
・災害リスクが高い区域からの移住のための住宅
・住宅の除却に伴い購入する既存住宅

※詳細は後段に記載していますので参考にしてみてください。
その他リフォームとの重複申請不可
既存の場合の対象要件(出典:https://greenpt.mlit.go.jp/exisiting-house/)

リフォーム

項目概要
対象住宅住宅
*所有者等が施工者に工事を発注(工事請負契約)して実施するリフォーム
対象期間R2.12.15〜R3.10.31までに工事請負契約
居住要件なし
住宅の性能(基本ポイント)次の1〜6のいずれかに該当すること
*1〜3については必須(1つ以上)

1 開口部の断熱改修
2 外壁、屋根・天井又は床の断熱改修
3 エコ住宅設備の設置
4 耐震改修
5 バリアフリー改修
6 リフォーム瑕疵保険等への加入
特例(加算ポイント)・若者・子育て世帯がリフォームを行う場合、上限を45万Ptに引上げ (既存住宅の購入を伴う場合は、上限60万Ptに引上げ)
・若者・子育て世帯以外の世帯で、安心R住宅を購入しリフォームを行う場合、 上限を45万Ptに引上げ
リフォームの場合の対象要件(出典:https://greenpt.mlit.go.jp/reform/)

賃貸

項目概要
対象住宅賃貸住宅の新築
*2戸以上の住宅を有すること。また、分譲住宅や所有者の居宅が含まれる建築物、店舗併用の建築物は対象外。
対象期間R2.12.15〜R3.10.31までに工事請負契約
居住要件なし(所有者が自ら居住する場合対象外)
住宅の性能下記に該当する共同住宅・長屋
1 建築物省エネ法に基づく住宅トップランナー制度の賃貸住宅に係る基準に適合する
2 すべての住戸の床面積 が40m²以上
賃貸の場合の対象要件(出典:https://greenpt.mlit.go.jp/rental-apartment-building/)

既存住宅の場合の対象要件とポイントの詳細

それではここから既存住宅の場合の対象要件について国の資料をもとに解説していきます。

対象要件としては、4つあります。
このうち、最後の4つ目(住宅の除却に伴い購入する既存住宅)に該当する場合には、①〜③に④を追加することが可能となっています。

  1. 空き家バンク登録住宅
  2. 東京圏からの移住のための住宅
  3. 災害リスクが高い区域からの移住のための住宅
  4. 住宅の除却に伴い購入する既存住宅

では、この4つの要件について詳しく説明します。

建築士であるわたしから説明すると、❸に該当する住宅というのは極めて稀です。
該当するとなれば、❶または❹が多いのではないかと思います。東京圏から郊外に移住しようと考えている方にとっては❷も該当する可能性はあります。

なお、❸に該当するかどうかですが、証明書の発行自体は建築士が行うことになっていますが、下調べ程度であれば個人で調べることも可能です。
土砂災害特別警戒区域は都道府県(河川・砂防系の部署)の所管、災害危険区域は市町村(建築指導の部署)となります。

項目内容
空き家バンク登録住宅空き家の活用のため情報提供サイト等を通じて、空き家等に関する情報の提供を行う、「空き家バンク」に登録されている住宅で、地方自治体が本制度の対象として認めた住宅を対象
>>空き家バンク登録一覧

*空き家バンクを運営していない自治体もあるので注意が必要です。
*「空き家バンク登録等証明書(発行:地方公共団体)」
*詳細:https://greenpt.mlit.go.jp/exisiting-house/application/
東京圏からの移住のための住宅下記に該当する者
*「事前相談アカウント」の取得が必要となり事務局への事前相談必須です。
>>https://greenpt.mlit.go.jp/exisiting-house/house2.html

a) R2.12.15以降に東京圏(条件不利地域:檜原村、奥多摩町、大島町、利島村、新島村、神津島村、三宅村、御蔵島村、八丈町、青ケ島村、小笠原村、秩父市、飯能市、本庄市、ときがわ町、横瀬町、皆野町、小鹿野町、東秩父村、神川町、館山市、勝浦市、鴨川市、富津市、いすみ市、南房総市、東庄町、長南町、大多喜町、御宿町、鋸南町、山北町、真鶴町、清川村を除く。)から、東京圏(条件不利地域を除く。)以外の地域に移住する者。

b) 東京圏(条件不利地域を除く。)以外の地域に移住する日(住民票の転入日)を起算日とした直近1年間について、連続して次の(i)又は (ii) に該当する者。(ただし、(ii)については、移住する3ケ月前までを起算点とすることができる。また、東京圏(条件不利地域を除く。)に居住しつつ、 東京23区内の大学等へ通学し、東京23区内の企業等へ就職した者につ いては、通学期間も対象期間とすることができる。)
(i)東京23区に居住する者
(ii)東京圏(条件不利地域を除く。)に居住する者で、東京23 区内に通勤する者

c) 東京圏(条件不利地域を除く。)以外の地域に移住する日(住民票の転入日)を 起算日とした直近10年間における通算5年以上の期間につ いて、b)の(i)又は(ii)に該当する者。(ただし、(ii)については、移 住する3ケ月前までを起算点とすることができる。また、東京圏(条件不利地域 を除く。)に居住しつつ、東京23区内の大学等へ通学し、東京23区内の企 業等へ就職した者については、通学期間も対象期間とすることができる。)

d) 東京圏(条件不利地域を除く。)以外の地域で住宅を取得 し、当該住宅に5年以上継続して居住する意思がある者
災害リスクが高い区域からの移住のための住宅災害リスクの高い区域内(土砂災害特別警戒区域、災害危険区域(建築禁止区域))に居住する者が、当該地域外へ移住するために取得する住宅を対象
>>https://greenpt.mlit.go.jp/exisiting-house/house3.html

*2020.12.16以降に災害リスクの高い区域への居住開始は対象外
*災害危険区域については条件を付されて建築可能となる区域は対象外。
*「住宅立地区域確認書(従前居住地)」、「住宅立地区域確認書
(移住先居住地)」は建築士が自治体に確認し発行
住宅の除却に伴い購入する既存住宅住宅を除却した者が購入する既存住宅を対象
>>https://greenpt.mlit.go.jp/exisiting-house/house4.html

*R2.12.15以降に除却したものに限る
*既存住宅の購入者以外の者が住宅を除却する場合は対象外
*工事請負契約を締結して除却する、不動産登記されている住宅の除却が対象
*空き家バンク登録住宅、東京圏の対象地域からの移住、災害リスクが高い区域からの移住とあわせて、申請することが可能
*住宅の除却のみ該当する場合も申請可能
既存の場合の対象要件詳細

既存住宅(申請方法及びスケジュール)

既存住宅の手続きの時期

申請手続きの流れや手引き、必要書類などはこちらのサイト(国運営)に掲載されているので参考にしてみてください。

こちらに掲載されているサイトの「手引き」をダウンロードすれば大体は分かるようになっています。残りの不明な点は事務局に問い合わせしてみてください。

>>申請方法など(https://greenpt.mlit.go.jp/exisiting-house/application/)

それでは以上となります。参考になれば幸いです♪






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ABOUT US
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YamaKen都市計画(まちづくり)を通じて都市を美しくしたい人
【資格】一級建築士、一級建築基準適合判定資格者、宅建士など 【実績・現在】元国と地方自治の役人:建築行政・都市計画行政・公共交通行政・まちづくりなどを10年以上経験 / 現在は、地元でまちづくり会社を運営し、都市に関わるコンサルタントや住宅設計、執筆活動を行っています。