この記事では、2021年4月からはじまった木材価格高騰に関して、最新の木材価格(杉)と建築着工統計から分かる工事価格についてまとめています。
こんちは。やまけんです。
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製材の価格推移(〜2023年8月)
出典:木材製品統計・製品卸売価格(品目 規格別) (https://www.maff.go.jp/j/tokei/kouhyou/mokuzai/)
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上記のグラフは農林水産省が公表している「木材製品統計」です。
「杉材(ブルー線)」は、2021年3月の66,700円から2021年10月の135,500円まで上昇(約2.0倍)しましたが、その後横ばい→減少傾向となっています。
*杉 2級乾燥材 10.5㎝*10.5㎝*3m
最新の2023年8月では、89,500円となっています。
23年4月の統計データでは2021年5月以来となる10万円を下回りました。実に2年ぶりです。その後も下落が続ていることから8月統計では9万円/m3を切るのでは想定していましたが、予想度どおり9万円を下回りました。
とはいえ、以前として3年前と比較すれば価格は約1.5倍となっている状況ですので、「まだまだ高い」という印象を受ける方が多いのではと思います。ただし、物価の上昇を考慮すると1.2〜1.5倍程度の間に落ち着くのではと個人的には考えています。
シカゴ材木先物は落ち着いているので、今後は急激に上昇することはないとは思いますが、専門家によると日本への影響は長引く可能性大と言われていますし、近年の災害の増加数を踏まえれば…今後も注視は必要なのは確かのようにです。
なお、最近では製材工場の倒産(Yahooニュース)もあるようですが、ウッドショックを受けた経営的問題で、現在の木材価格が下落したことによる影響が大きいように考えられます。
製材品の生産量・出荷量・在庫量
製材統計(令和5年9月25日:農林水産省公表)によると「製材品の生産量・出荷量・在庫量(2023年8月)」は、次のようになっています。
- 生産量:609千m3
- 出荷量:613千m3
- 在庫量:1,815千m3
木材在庫量は令和3年10月に最低の1,497千m3となっておりましたが、令和4年7月には、1,644千m3まで回復。
さらに令和4年9月には、1,671千m3まで回復(令和2年9月以来)しており、令和5年8月現在で、1,815千m3となっており回復基調にあります。
年・月 | 生産量 (単位:千m3) | 出荷量 (単位:千m3) | 在庫量 (単位:千m3) |
令和2年6月 | 675 | 656 | 1,677 |
令和2年7月 | 651 | 656 | 1,672 |
令和2年8月 | 584 | 608 | 1,648 |
令和2年9月 | 646 | 666 | 1,628 |
令和2年10月 | 725 | 745 | 1,608 |
令和2年11月 | 687 | 735 | 1,560 |
令和2年12月 | 673 | 683 | 1,550 |
令和3年1月 | 618 | 618 | 1,550 |
令和3年2月 | 662 | 647 | 1,565 |
令和3年3月 | 781 | 773 | 1,573 |
令和3年4月 | 788 | 797 | 1,564 |
令和3年5月 | 738 | 765 | 1,537 |
令和3年6月 | 803 | 812 | 1,528 |
令和3年7月 | 798 | 785 | 1,541 |
令和3年8月 | 726 | 747 | 1,520 |
令和3年9月 | 773 | 790 | 1,503 |
令和3年10月 | 796 | 802 | 1,497 |
令和3年11月 | 803 | 801 | 1,499 |
令和3年12月 | 749 | 736 | 1,512 |
令和4年1月 | 646 | 632 | 1,526 |
令和4年2月 | 689 | 673 | 1,542 |
令和4年3月 | 806 | 776 | 1,572 |
令和4年4月 | 791 | 784 | 1,579 |
令和4年5月 | 726 | 707 | 1,598 |
令和4年6月 | 809 | 778 | 1,629 |
令和4年7月 | 752 | 737 | 1,644 |
令和4年8月 | 698 | 677 | 1,665 |
令和4年9月 | 711 | 705 | 1,671 |
令和4年10月 | 705 | 728 | 1,648 |
令和4年11月 | 731 | 737 | 1,642 |
令和4年12月 | 674 | 691 | 1,625 |
令和5年1月 | 633 | 620 | 1,638 |
令和5年2月 | 679 | 652 | 1,725 |
令和5年3月 | 766 | 721 | 1,770 |
令和5年4月 | 718 | 702 | 1,786 |
令和5年5月 | 679 | 666 | 1,799 |
令和5年6月 | 716 | 695 | 1,820 |
令和5年7月 | 671 | 672 | 1,819 |
令和5年8月 | 609 | 613 | 1,815 |
住宅着工統計への影響(〜2023年8月)
ウッドショックがニュースに取り上げられる時期から木造戸建て住宅の床面積あたりの工事費予定額の統計を取っています。
現時点としては、2022年3月あたりから徐々に上昇傾向にあります。
最新の8月統計では近年では過去最大の24.9万円/㎡でした。4年前の8月統計が18.6万円/㎡でしたので、4年間の間に6.3万円/㎡増加している結果となります。仮に100㎡の住宅とすると工事費としては4年前に比べて630万円増加していることになります。
(注)住宅着工統計:着工新築住宅利用関係別、構造別、建て方別(住宅の工事費),(戸数、床面積の合計、工事費予定額、1戸あたり工事費予定額、1㎡あたり工事費予定額の全国平均),
*一戸建て住宅(持家)・木造
木材価格高騰の影響というよりは、円安や物価高、人件費高の影響を受けての推察されるところです。2023年後半あたりから平米あたり20万円を超えてきそうかな?と考えておりましたが、意外にも早く前半に20万円台を突破してきています。
4月の統計結果から20万円/㎡を超え、先月に続き今月の統計値でも20万円を超えていることかイレギュラーの数値ではなかったということです。
住宅着工統計は月末に更新されますので、データが公表され次第更新します。
「住宅着工統計」における一戸建て住宅(木造・持家)の床面積あたりの工事予定額(万円/㎡)
※出典:住宅着工統計,着工新築住宅利用関係別、構造別、建て方別(住宅の工事費),(戸数、床面積の合計、工事費予定額、1戸あたり工事費予定額、1㎡あたり工事費予定額の全国平均),
*一戸建て住宅(持家)・木造
※ブラウザの種類によってグラフが表示されないことがあります。
記事は以上となります。来月も統計データが公表されたら更新したいと思います。
また、木材系の住宅価格に特化した統計データをまとめたいと考えておりますので、作成次第、お知らせします。
それではまた!