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【都市再生特別地区とは?】重要事項説明にも関係する制限等を分かりやすく解説

こちらの記事では、都市再生特別措置法・都市計画法に規定される都市計画のうち、「都市再生特別地区」について、解説しています。

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都市再生特別地区とは?

(都市再生特別地区)
第36条 都市再生緊急整備地域のうち、都市の再生に貢献し、土地の合理的かつ健全な高度利用を図る特別の用途、容積、高さ、配列等の建築物の建築を誘導する必要があると認められる区域については、都市計画に、都市再生特別地区を定めることができる。

都市再生特別措置法第36条第1項

都市再生特別地区」とは、都市再生特別措置法(平成14年法律)第36条に規定されている都市計画(都市計画法では、地域地区の一つとして、都市計画法第8条第1項第4の2号に規定)です。

都市再生緊急整備地域(都市の再生の拠点として、都市開発事業等を通じて緊急かつ重点的に市街地の整備を推進すべき地域として、政令で指定)で指定されます。

この都市再生緊急整備地域のうち、”都市の再生に貢献し、土地の合理的かつ健全な高度利用を図る特別の用途、容積、高さ、配列等の建築物の建築を誘導する必要があると認められる区域”について、都市計画決定により指定することが可能となっています。

※都市再生緊急整備地域:「都市再生緊急整備地域及び特定都市再生緊急整備地域を定める政令」で定められる地域のこと。内閣府が公表しているサイトによると、令和3年9月1日時点で、全国に51地域、約9,305haが指定。

都市再生特別地区内の建築については、既成の用途制限等が一部で適用されないため、比較的自由度の高い建築計画(事業計画)を立てることが可能です。また、MINTO機構による金融支援を受けられるなどのメリットがあります。

都市再生特別地区については、内閣府が公表しているサイトによると、令和3年4月1日時点で全国に104地区指定。最も指定区域数が多い東京都については、東京都で詳細に公表しているので、具体的な位置等を知りたい方は東京都さんのホームページを確認ください。

都市再生特別地区は、おもに指定容積率の上限値解除が目的となります。

このため、都市再生特別地区で指定される容積率は、1000%を超えるなど、通常の商業地域容積率(400~600程度)とは異なります。そのほか、用途規制や斜線制限、日影規制等の制限を適用除外とすることも可能です。

この都市再生特別地区については、都市計画決定されると、具体的な制限については建築基準法に委ねられます。建築基準法では、建築基準法第60条の2に規定されます。

また、建築基準法第60条の2については、不動産取引における重要事項説明の対象となっています。

*実務上、都市再生特別地区については、事業計画ありきで都市計画決定されるため、事業途中の段階で土地・建物の取引が発生することはまずありません。また、事業完了後に土地・建物を売買するケースが考えられますが、取引に遭遇するのは極めて稀なので、もし取引する機会があれば幸運です♪

建築基準法第60条の2(都市再生特別地区)

都市再生特別地区については、建築基準法第60条の2に規定されており、このうち重要事項説明については、第1〜3項、第6項が対象ですので、ここでは簡単に説明します。

第1項の規定については、都市再生特別地区の都市計画で定められる建築物の容積率・建蔽率・建築面積・高さの制限に適合しなければならならないとする規定です。

ただし、木造2階建ての簡易な建築物で移転が容易なものや公衆便所・学校・駅舎などの公益上必要な建築物(一部の建築物については特定行政庁の許可が必要)については、適用除外されます。

第2項については、壁面の位置の制限についての規定です。

都市再生特別地区の都市計画において、壁面の位置の制限が適用された場合には、この制限に反してはならないとする規定です。ただし、第1項各号で定める簡易な建築物等については除かれます。

第3項については、用途地域(誘導用途)が都市再生特別地区に定められた場合には、用途地域・特別用途地区・特定用途制限地域については適用しないとする規定です。

第6項については、日影規制に関する規定です。

都市再生特別地区内の建築物については、「対象区域外にある建築物とみなして、同条の規定を適用」、「対象区域(都市再生特別地区を除く)内の土地」とあるように、日影規制は適用除外となります。

(都市再生特別地区)
第60条の2 都市再生特別地区内においては、建築物の容積率及び建蔽率、建築物の建築面積(同一敷地内に2以上の建築物がある場合においては、それぞれの建築面積)並びに建築物の高さは、都市再生特別地区に関する都市計画において定められた内容に適合するものでなければならない。ただし、次の各号のいずれかに該当する建築物については、この限りでない。
 主要構造部が木造、鉄骨造、コンクリートブロック造その他これらに類する構造であつて、階数が2以下で、かつ、地階を有しない建築物で、容易に移転し、又は除却することができるもの
 公衆便所、巡査派出所その他これらに類する建築物で、公益上必要なもの
 学校、駅舎、卸売市場その他これらに類する公益上必要な建築物で、特定行政庁が用途上又は構造上やむを得ないと認めて許可したもの

 都市再生特別地区内においては、建築物の壁又はこれに代わる柱は、建築物の地盤面下の部分及び国土交通大臣が指定する歩廊の柱その他これに類するものを除き、都市再生特別地区に関する都市計画において定められた壁面の位置の制限に反して建築してはならない。ただし、前項各号のいずれかに該当する建築物については、この限りでない。

 都市再生特別地区に関する都市計画において定められた誘導すべき用途に供する建築物については、第48条から第49条の2までの規定は、適用しない。
 〜  (略)
 都市再生特別地区内の建築物については、第56条の2第1項に規定する対象区域外にある建築物とみなして、同条の規定を適用する。この場合における同条第四項の規定の適用については、同項中「対象区域内の土地」とあるのは、「対象区域(都市再生特別地区を除く。)内の土地」とする。

建築基準法第60条の2(抜粋:第1項、第2項、第3項、第6項)

最後に調査に関する補足です。「都市再生特別地区」については、都市計画決定されるため、市区町村が公表している都市計画情報や都市計画図などで容易に確認が可能です。

また、都市再生特別地区内の事業は比較的大きな事業となるため、明らかに周辺建築物とは異なリマスから(周辺空地や緑地、セットバック、建築物の高さなど)、たとえ、売買等の相談を受けても重要事項説明時に伝え忘れるなんて事態にはならないはず。


ということで以上となります。参考になりましたら幸いです。