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【重要事項説明】大規模災害復興法第28条第4項・第5項の解説

こんにちは!やまけんです。

建築士や宅建士向けの情報を発信しているブロガーです。

 

この記事では、↓↓の記事の法律別詳細版です。重要事項説明書の説明事項である大規模災害復興法の規定を説明します。




重要事項説明の規定を確認

[宅建業法第35条(重要事項の説明等)第1項第二号(抜粋)]
宅地建物取引業者は、宅地若しくは建物の売買交換若しくは貸借の相手方若しくは代理を依頼した者又は宅地建物取引業者が行う媒介に係る売買交換若しくは貸借の各当事者に対して、その者が取得し、又は借りようとしている宅地又は建物に関し、その売買、交換又は貸借の契約が成立するまでの間に、宅地建物取引士をして、少なくとも次に掲げる事項について、これらの事項を記載した書面(第五号において図面を必要とするときは、図面)を交付して説明をさせなければならない。

二 
都市計画法、建築基準法その他の法令に基づく制限で契約内容の別(当該契約の目的物が宅地であるか又は建物であるかの別及び当該契約が売買若しくは交換の契約であるか又は貸借の契約であるかの別をいう。)に応じて政令で定めるものに関する事項の概要

 

▶️政令:宅建業法施行令第3条第37号

 

大規模災害からの復興に関する法律(平成25年法律第55号)第28条第4項及び第5項

重要事項説明の対象となるのが、この大規模災害復興法第28条第4項及び第5項の対象となるのかどうかです。基本的には大規模災害復興法第28条第1項の規定による特定被災市町村が届出対象区域を指定されているかどうかがポイントとなります。

 

基本的には大きな災害がなければ指定されている事はないと思います。

また、ネット検索において『〇〇市町村 大規模災害復興法第28条 届出対象区域』と検索して、ヒットしなければ指定されている事はないと考えられます。

 

なお、大規模災害復興法に基づく特定被災市町村となるかどうかについては、内閣府のホームページをご覧になり、大規模な災害を受けた地域であるかどうかを確認することが必要です。

▶️内閣府:http://www.bousai.go.jp/taisaku/minaoshi/housei_minaoshi.html

では、次に届出対象区域について説明していきます。

調査項目①(法第28条第4項)

はじめに根拠法を確認します。

第三款 復興計画の実施に係る特別の措置
【大規模災害復興法第28条(届出対象区域内における建築等の届出等)・・・抜粋】
特定被災市町村は、計画区域のうち、復興整備事業の実施区域の全部又は一部の区域を、届出対象区域として指定
することができる。
2〜3 (略)
4 届出対象区域内において、土地の区画形質の変更、建築物その他の工作物の新築、改築又は増築その他政令で定める行為をしようとする者は、当該行為に着手する日の30日前までに、内閣府令で定めるところにより、行為の種類、場所、設計又は施行方法、着手予定日その他内閣府令で定める事項を特定被災市町村長に届け出なければならない。ただし、次に掲げる行為については、この限りでない。
一 通常の管理行為、軽易な行為その他の行為で政令で定めるもの
二 非常災害のため必要な応急措置として行う行為
三 国又は地方公共団体が行う行為
四 復興整備事業の施行として行う行為

 

届出対象区域内においては、次に該当する行為を行う場合に届出が必要となります。

基本的には土地の区画や形質を変えるような行為や建築物の新築(木造2階以下などの簡易な建築物を除く)を行う場合です。

届出が必要となる行為
  1. 土地の区画形質の変更
  2. 建築物、工作物の新築・増築・改築
  3. 次の行為を除く
    一 次に掲げる土地の区画形質の変更
    イ 次号に規定する建築物その他の工作物の新築、改築、増築又は移転の用に供する目的で行う土地の区画形質の変更
    ロ 既存の建築物その他の工作物の管理のために必要な土地の区画形質の変更
    ハ 農林漁業を営む者のために行う土地の区画形質の変更
    二 階数が2以下で、かつ、地階を有しない木造の建築物その他の容易に移転し、又は除却することができる建築物その他の工作物の新築、改築、増築又は移転
    三 前号に規定する建築物その他の工作物の用途の変更
    四 前三号に掲げるもののほか、法令又はこれに基づく処分による義務の履行として行う行為

 

まとめると、大規模な災害を受けた市町村において、届出対象区域として指定された区域内において建築物の建築などを行う場合に、工事着手の30日前までの届出(市町村長宛)が必要となります。

 

補足

誤解されるケースとして考えられるのが被災した市町村というそれだけの理由で、この法令に該当すると考えてしまい重要事項説明を行ってしまうことです。(区域指定されていることを間違って伝えることになるので、間違えている情報の提供となってしまいます)

制限は届出義務なので、届出を行うとした場合に制限がない事が発覚するくらいなので、実害はあまりないようには考えられます。

とは思いますけど、場合によっては信用を失う恐れがあるかな〜と思いますので、ちゃんと調べましょ。それしかありません。

 

では、次に第5項についてです。

 

調査項目①(法第28条第5項)

第5項の規定については、届出を行なった場合において変更する場合に、変更に関する行為に着手する30日前までに特定被災市町村長に届出を行なってくださいとするものです。

【大規模災害復興法第28条第5項】
前項の規定による届出をした者は、その届出に係る事項のうち内閣府令で定める事項を変更しようとするときは、当該事項の変更に係る行為に着手する日の30日前までに、内閣府令で定めるところにより、その旨を特定被災市町村長に届け出なければならない。

本記事のまとめ

重要事項説明において必要となる大規模災害復興法第28条第4項・第5項について説明しました。

ポイントとしては、売買等を行う宅地または建築物が法第28条第1項の届出対象区域として指定されているかどうかです。

指定されているかどうかは、市町村のホームページで確認することが可能です。

また、公表していない可能性は低いとは思いますけど、一応確認する方法としては、復興計画を公表している課に電話しましょう。

 

ということで以上です。参考となれば幸いです。






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YamaKen都市計画(まちづくり)を通じて都市を美しくしたい人
【資格】1級建築士、建築基準適合判定資格者、宅建士など 【実績・現在】元役人:建築・都市計画・公共交通行政などを10年以上経験 / 現在は、まちづくり会社を運営:建築法規・都市計画コンサル,事業所の立地検討,住宅設計など