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【例外認定・例外許可とは】無接道の敷地の建築方法-法第43条第2項認定と許可の分かりやすい解説-

平成30年9月25日に施行された改正建築基準法第43条の規定の改正後の法文等を踏まえ、こちらの記事を訂正しました。
≫≫≫
改正にかかる記事はこちらを参照してください。
今回は、建築基準法第43条の規定について紹介します。
こんにちは!YamakenBlogの運営者です。

このブログ(サイト)では、建築や都市計画、不動産に関連して業務に役立つ情報を発信しています。このブログを通して、難解な建築基準法を理解できるようになってもらえれば幸いです。




はじめに法第43条について

建築基準法第43条第1項の規定により、原則として、建築物の敷地は、建築基準法上の道路に2m以上接しなければならないとされております。

ここで重要なのは、建築基準法上の道路であるかどうかです。

この道路は、建築基準法第42条の道路であることが求められるため、特に注意が必要となります。

基本的な調査として、建築基準法上の道路かどうかは、役所で確認することができます。

住民サービスの向上を目指している自治体であれば、ホームページで指定道路図として公表しているので容易に判断可能ですが、そうではない場合(住民サービスの向上はどうでもいいと思っている自治体では・・・言い過ぎかもですが、必ず役所にいかないと確認できないって今の時代にはおかしな話だと思います)は、役所に行って確認するしかありません。

接道が取れていない敷地においてよくある事例

接道が取れていない建築物の敷地というのは、以外と多いものですして、

  • 敷地に接する道路が一般的な公道だと思うのに、建築基準法上の道路ではなかった。
  • 敷地と道路の間に幅の大きな水路があって橋がかかっている。
  • 敷地から道路に出るまでの通路が長く狭い、若しくは家の前が農道や林道など・・・

といったことが日常的にあります。どうみても道だとしても、何らか(法的な問題)の理由で建築基準法の道路にはなっていないケースがあります。

ちなみに道路法上の道路(市町村道など)でも幅員が4m未満では自動的に建築基準法の道路になるわけではありません。

例外認定と許可について

そのため、建築基準法では、例外的な認定と許可を設けています。これにより、一部の建築物の敷地は再建築が可能となる可能性があります。

例外認定及び例外許可は、接道が取れていない建築物の敷地における建築に対して、特定行政庁が例外的に認定する例外認定建築審査会の同意を得て特定行政庁が許可するものの2パターンがあります。

まとめると次のようになります。

例外認定と許可のまとめ(法第43条2項)

項・号 認定・許可の区分 基準の概要 建築審査会
同意の有無
省令基準
(規則第10条の3)
2項一号 特定行政庁
認定
幅員4m以上の道(省令基準適合)に2m以上接する延べ面積200㎡以内の一戸建て住宅 不要 第1項、第3項
2項二号 特定行政庁
許可
敷地周囲に広い空地を有する建築物その他省令基準に適合する建築物 第4項

2項一号認定

まずはじめに平成30年の改正によって新たに創設された建築基準法第43条第2項第一号認定についての説明です。

○該当する建築物とは?

簡単に言ってしまと、床面積が200㎡以内の小規模な住宅が対象となり、その建築物の敷地に接する道路は、農道や港湾道路が対象となります。

また、敷地と建築基準法の道路の間に水路がある場合における蓋がけなどに接する場合にも対象となります。

4m以上の道の基準とは? ①又は②のいずれか①農道その他これに類する公共の用に供する道(※1)
②道路位置指定の基準(令第144条の4第1項)に適合する道(※1)農道・港湾道路等、法上の道路と同等の機能を有するものや、敷地と道路の間に河川や水路がある場合など(技術的助言参考「建築基準法の一部を改正する法律等の施行について(国住指第2075号・国住街第188号 平成30年9月21日))
建築物の用途は? 一戸建ての住宅(兼用住宅は該当しない)
建築物の規模は? 延べ面積が200㎡以内(敷地内全ての建築物の延べ面積)

(注)省令第10条の4の2第2項より、申請書には、「申請者その他の関係者が当該道を将来にわたって通行することについての、当該道の敷地となる土地の所有者及びその土地に関して権利を有する者並びに当該道を道路位置指定の基準に適合するように管理する者承諾書」を添付する必要があります。

(今回、認定規定を追加し、改正に至った理由等)

※出典:平成30年改正建築基準法に関する説明会(第1弾),国土交通省公表資料

2項二号許可

次に建築基準法第43条第2項第二号の許可です。

このブログを読まれている方の中にはご存知の方もいるかもしれませんが、平成30年の改正前の従来の法第43条ただし書き許可のことです!

特定行政庁が許可することで、接道がなくても建築できる可能性がありますが、省令の基準と、”交通上、安全上、防火上、及び衛生上支障がない”とある通り、全てではありませんが、接道していない=特に消防車や緊急車両が敷地近くまで近づけないことが考えられます。

ですので、許可は、慎重な判断になると思って頂いた方が良いと思います。

ちなみに特定行政庁って?なりますが、特定行政庁は、建築主事を置く市町村長、その他の市町村は都道府県知事となります。なお、限定特定行政庁なんてのもあるので注意が必要です。

次に省令ですが、許可の基準となる省令ですが、省令第10条の3第4項に規定されており、一号から三号のいずれかに該当する建築物である必要があります。

  1. その敷地の周囲に公園、緑地、広場等広い空地を有すること。
  2. その敷地が農道その他これに類する公共の用に供する道(幅員4m以上のものに限る。)に2m以上接すること。
  3. その敷地が、その建築物の用途、規模、位置及び構造に応じ、避難及び通行の安全等の目的を達するために十分な幅員を有する通路であつて、道路に通ずるものに有効に接すること。

(簡単に要約してみると・・・)

一号は、敷地周辺に公共的な広い空地があること
二号は、公共に用する道で4m以上の幅員を有するものに敷地が2m以上接すること
三号は、建築物の規模等を踏まえ、十分な幅員のある通路で、法上の道路に接すること

三号が一番分かりにくい・・・

東京都では、法第43条第2項認定および許可の取扱いをホームページに掲載していますので参考にしてみてください。

参考情報

・法第43条第2項第二号認定及び許可は、特定行政庁ごとに運用が異なりますので、各市町村又は都道府県の建築指導を担当する部署に確認することをオススメします

・前の記事とも関連しますが、建築基準法における接道義務はあくまでも、都市計画区域内又は準都市計画区域内が適用になりますので、都市計画区域外については、接道は規定されませんからご注意ください。つまり、建築物の敷地は建築基準法の道路に接する必要はありません。

▶️都市計画区域外の接道義務が適用されないことについては?
≫≫≫こちらの記事

それでは、最後まで読んで頂きありがとうございました。今後とも当ブログを宜しくお願いします٩( ‘ω’ )و

建物オーナーへ

法第43条に基づく行政の許可が必要な建物(港湾道路を除く)は再建築不可とは言えないものの、建築時の手続きの煩雑さ、建物用途の制限(小規模なもの)、車の出入りなどで制限を受けケースが殆どです。

つまり、ずーっと住み続けるなら気にする必要はないですが、将来的に売却を視野に入れている方であれば早期売却が得策です。特に今後の急速な人口減少と世帯数減少が進むため地方から買い需要が減少していく中で、43条のような訳あり物件から売れ難くなります。

隣接地権者への売り渡しができれば良いですがそれが難しい場合には時間をかけて購入者を見つけるほかありませんので早めに対処しておくことをお勧めです。

現代ではお知り合いや近所に優良な不動産屋がいなくてもネット上での査定等が可能です。参考までに何社かリンクを貼っておきますので参考にしてみてください。

訳あり物件・事故物件の専門不動産:正しい買取






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ABOUT US
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YamaKen都市計画(まちづくり)を通じて都市を美しくしたい人
【資格】一級建築士、一級建築基準適合判定資格者(建築主事)、宅建士など 【実績・現在】元国と地方自治の役人:建築行政・都市計画行政・公共交通行政・まちづくりなどを10年以上経験 / 現在は、地元でまちづくり会社を運営し、都市に関わるコンサルタントや住宅設計、執筆活動を行っています。