「特定行政庁」とは?(建築主事との違い)

「特定行政庁」の解説です。
よく「建築主事」と混同されやすいです。
私自身、行政経験があるので「特定行政庁」との違いに間する質問を多く受けますので、今回は「特定行政庁」について解説いたします。解説といっても、損はしない程度の情報なので情報雑学程度にご覧ください。

こんにちは!建築士のYAMAKEN(やまけん)です。

この記事では「特定行政庁」について解説して行きますが、「建築主事」についても知りたい方はこちらの記事をご覧ください。

☑️建築主事(民間主事)とは(何者なのか!?)(ブログ内リンク)

それでは、簡単に解説していきます。




特定行政庁とは?

特定行政庁とは、建築主事を置く区域の自治体の長(都道府県知事又は市町村の長)のことです。
なお、建築主事を置かない市町村の区域については、都道府県知事が特定行政庁となります。
*建築主事を置く市町村とは、基本的には人口25万人以上の市と考えてもらえばOKです。

ポイントは、自治体の長であることです。
それに対して、建築主事は、行政職員が任命(民間は指定確認検査機関)されます。
一職員と長の違いです。

[建築基準法第2条第35号]
特定行政庁 建築主事を置く市町村の区域については当該市町村の長をいい、その他の市町村の区域については都道府県知事をいう。ただし、第97条の2第1項又は第97条の3第1項の規定により建築主事を置く市町村の区域内の政令で定める建築物については、都道府県知事とする。
*第97条の2第1項:市町村の建築主事の特例(上記第1項市町村の長以外)
*第97条の3第1項:特別区の特例

また、建築基準法第6条第1項第四号(小規模な建築物)の建築物のみ建築確認等を行う建築主事を置く「限定特定行政庁」の区域においては、同号の小規模建築物は限定特定行政庁、それ以外(建築基準法第6条第1項第一号〜第三号)については、都道府県知事が「特定行政庁」となり、”建築物の種類によって特定行政庁”が異なることもあります。

「特定行政庁」については、誰が?何者なのか?といった視点よりも、どのような事務をつかさどっているのかの方が重要なので、次項をご覧ください。

特定行政庁が行う主な事務

特定行政庁が行う事務は次のようにまとめられます。(全ての事務を記載していないので注意)

内容 法令
建築基準法第22条区域、被災市街地の建築制限区域の指定(※災害危険区域の指定は、地方公共団体となるので注意) 建築基準法第22条、第84条
位置指定道路、みなし道路(2項・3項道路)の指定 建築基準法第42条第1項第五号、建築基準法第42条第2項・第3項
壁面線の指定 建築基準法第46条
接道義務の例外許可、道路内建築制限の例外許可 建築基準法第43条、第44条
用途地域内における例外許可 建築基準法第48条
容積率、建蔽率、絶対高さ、日影制限の例外許可
*上記のほか、緩和規定の例外が定められているので注意
建築基準法第52条、第53条、第55条、第56条
総合設計許可、一団地認定、連担建築物設計認定 建築基準法第59条の2、第86条
仮設建築物の許可 建築基準法第85条
建築物の是正措置命令、仮命令、緊急措置命令、行政代執行、保安条危険な建築物等に対する措置、定期報告 建築基準法第9条、第10条、第12条

*出典:建築基準法からの抜粋

こうして見ると分かるように、建築基準法に関する許認可の権限は特定行政庁が執行することになり、建築確認審査や完了検査などを行う建築主事とは大きく異なります。
建築物の建築に関する制限に関しての大枠や例外許可等においては必ず「特定行政庁」が関わってきますね。

建築主事が行う建築確認は特定行政庁による許可があった後に行う事務ですから、例えば、仮設建築物のように建築すること自体の許可行為は事前に特定行政庁が行うことになるなど、建築主事と特定行政庁とでは役割が明確に異なります。

なお、許認可に当たっては、自治体の裁量によるところがあります。

 

ということで、今回は、特定行政庁に関する記事を書きました。
最後までご覧いただきありがとうございました。