よくある話なんですが、建築基準法は国民の生命、健康及び財産を保護することが目的のため、住宅の快適性を求める断熱性は求めていないんです。
建築基準法(抜粋)(目的)
第1条 この法律は、建築物の敷地、構造、設備及び用途に関する最低限の基準を定めて、国民の生命、健康及び財産の保護を図り、もつて公共の福祉の増進に資することを目的とする。
でも通常、暮らす上では断熱性って当然必要ですよね。
住宅メーカーさんや工務店さんは当然に断熱性を確保した設計を行います。しかしながら、戸建て住宅の建築主さんや賃貸住宅のオーナーさんが、住宅にどれだけの断熱性を求めるかは、戸建て住宅の場合は予算、賃貸住宅の場合は採算性に影響するため、結構、甘く捉えられているのではないかと思います。
そのために年間多くの人がヒートショックにより亡くなられいます。
現に、国土交通省が公表した資料「今後の住宅・建築物の省エネルギー対策のあり方について(第一次答申)」(参考資料集)によると、新築住宅の内、約半数は建築物省エネ法の平成11年(1999年)基準にすら適合していないと推計されております。
また、欧米諸国から比べると、日本の省エネ基準は遅れているようです。
平成11年基準とは、建築物省エネ法による一昔前の基準です。これにすら適合しないのが半数近くもあるのです。
私もこの資料を見てビックリしました。同時に責任を感じます。令和3年4月1日から戸建でも省エネ法の説明がはじまるので今後は建築物省エネ法に注目が集まりそうだと思います。